立憲代表選候補者の横浜市長選 総括 in 札幌

2021年11月21日に札幌で開催された立憲代表選 候補者記者会見。筆者が自ら参加して質問した横浜市長選挙に関する質疑の文字起こしを中心にお届けします。
犬飼淳
2021.11.23
有料限定

*今回のニュースレターは、9割以上の内容を未登録者にも公開します。ただし、核心部分(会見に向けて準備した本当の内容、今後の予定)は自分の手の内を見せることになり、あまり積極的に開示したくないため有料購読者のみに公開します。

こんにちは。犬飼淳です。

横浜市長選挙で立憲民主党が推薦した候補者(山中竹春氏)を巡っては、選挙期間中から数々の問題(イソジン会見への関与、パワハラ、強要未遂)が明るみに出ながら、立憲はこれらの問題を全て無視し、8月22日に山中新市長が誕生。当選後もそれらの問題は解決に向かうどころか新たな問題(告訴、横浜市大への不当圧力、NIH時代の経歴詐称、等々)が次々と噴出。それでも立憲民主党は何の総括もしないまま約3ヶ月が経過し、代表選へ突入。、当然ながら候補者4名(泉健太氏、逢坂誠司氏、小川淳也氏、西村智奈美氏)はこの件を自ら言及しないので、このまま有耶無耶にされそうな空気が充満しています。

なので、自ら会見に参加して質問してきました。札幌で。

念のため補足しておくと・・、私がたまたま札幌にいた日に絶妙なタイミングで会見が開催されたので参加しただけであり、さすがに北海道まで追いかけて横浜の問題を質問したわけではありません。さすがにそこまでの変人ではないです・・。

今回のニュースレターでは、2021年11月21日にニューオータニイン札幌で開催された立憲代表選 候補者記者会見 全37分間(16:11頃〜16:48頃)の内、私が横浜市長選挙について問うた約1分20秒間の質疑を文字起こしします。実際の映像は公式動画の21分28秒〜22分51秒で視聴できます。

ちなみに私と候補者の関係について補足しておくと、これまで小川淳也氏や西村智奈美氏の国会での演説や質疑を検証する記事を複数書いてきましたが、自らの身分を明かした状態で本人と会ったことはありません。逢坂誠二氏は2018年8月に私が信号無視話法について会場で解説コメントをしたイベント(国会パブリックビューイングのシンポジウム)にともに参加した縁がありましたが、会場で言葉を交わしたわけでもなく、3年以上も前の話なので、さすがに私の顔は覚えていなかったと思われます。また、泉健太氏とは全く何の接点もありませんでした。

つまり、「NHK」「朝日新聞」「北海道新聞」などの大手メディア・地元メディアの腕章をつけているわけでもないのに、ふてぶてしくも会見室で記者席の最前列 中央という一番目立つ席に陣取った私が誰なのか、指名された後に私が「犬飼淳」と名乗るまではおそらく候補者4人や司会者は知らなかったと思われます。

<表記の注意事項>

  • 発言者名は【】で囲んで記載
  • 発言内容は「えー」などの言い澱みを含めて、そのまま書き起こす。
  • 用語解説や背景知識は * で補足説明する
  • 現地の様子は( )で補足説明する
***

文字起こし

(会見開始前、犬飼は記者席の最前列中央の席を確保。候補者から見て最も目立つ席に座ることで、指名の確率を少しでも高めるため。)

(会見開始後、犬飼は真っ先に挙手し続けたが、他にも約20〜30名の記者が参加しており、最初の2名は他の記者たちが指名される)

【道下大樹議員(司会)】(2人目の記者の質疑が終わり)はい。次の、えー、質問を受けたいと思いますが、いかがでしょうか。(真っ先に挙手していた犬飼を指名して)はい、どうぞ。

【犬飼】フリーの犬飼淳と申します。初めまして。よろしくお願いします。えー、コロナ対策や野党共闘に関連して、4名の皆様に質問させて下さい。今年8月の横浜市長選挙、えー、立憲民主党は山中竹春候補を「唯一のコロナ専門家」というキャッチフレーズで、もはや真っ赤な嘘と言って差し支えない内容で推薦をして、そして当選してしまいました。そして、当選後、「横浜版GoToEAT」と揶揄されるような、まるで政権与党のような非科学的なコロナ対策を進めています。このことについて問題があったという認識があるのか、ないのか。YesなのかNoなのか、立場をはっきりと示した上で、理由とあわせて、回答いただければと思います。よろしいでしょうか。

(犬飼の質問中、市長選挙の応援に直接的に関与していない泉氏と西村氏は質問内容をすぐに理解できずに困惑した様子で、首を傾げたり、身を乗り出して質問内容をしっかりと聞こうとする。自ら応援演説に入った逢坂氏はバツが悪そうに頭を掻いている。同じく応援演説に入った小川氏は特に動じる様子もなく、視線を手元に落としたままメモを書き留めている。)

【道下大樹(司会)】はい。じゃあ、泉候補、お願いします。

【泉健太】はい。えー、今のことについて私は、えー、認識、見識を持っておりません。以上です。

【道下大樹(司会)】次に、西村候補、お願いします。

【西村智奈美】あの、申し訳ありません。事実関係を把握しておりません。はい。

【道下大樹(司会)】はい。逢坂候補。

【逢坂誠二】あのー、今、横浜の行政でどういうことが行われているのか承知は・・、しておりません。残念ながら。

【道下大樹(司会)】はい。小川候補、お願いします。

【小川淳也】応援には行きました。それからー、少々、市政の課題も調べた。しかし、まあ、新市政発足後、ちょっと・・、私の立場から個別の市政の課題について言及することはちょっと・・、控えさせてください。

*「市政の課題も調べた」とは、8月7日の応援演説で旧市庁舎叩き売り問題を「横浜の森友問題」と自ら批判したことを踏まえた発言。しかし、自ら応援した山中竹春市長本人が当選から約1ヶ月後に旧市庁舎売却の本契約締結を強行している。

【犬飼淳】(苦笑しながら4名に会釈をしつつ)ありがとうございました・・。

【道下大樹 議員(司会)】はい。じゃあ、次の質問に入りたいと思います。

*これ以降も質疑は約14分間ほど続き、3名の記者(共同通信、朝日新聞、北海道新聞)がそれぞれ「代表選挙における党員やサポーターの票の獲得方法」「通常国会への取り組み方」「ネクストキャビネットを再び示すことはあるのか、および候補者発掘の進め方について」を質問。

***

文字起こしは以上になります。

以降は、この質疑を理解する上で参考にある事実を列挙していきます。

***

参考:当日の現場写真

候補者討論会

記者会見の前(14:30〜16:00)にニューオータニイン札幌の別室で開催。

©︎2021 Jun Inukai
©︎2021 Jun Inukai

記者会見

©︎2021 Jun Inukai
©︎2021 Jun Inukai
©︎2021 Jun Inukai
©︎2021 Jun Inukai

*指名の可能性を少しでも高めるために犬飼は最前列の席を確保したため、候補者との距離が近すぎて4名全員をおさめる写真を撮影できませんでした・・。そのため、2人ずつ撮影しています。実際の並びは記者席から見て左から泉氏、小川氏、逢坂氏、西村氏の順。

***

参考:小川淳也氏の横浜市長選挙への関与

問題の8月7日 演説の内容

小川淳也氏は8月7日に横浜市内(センター南駅前)で行われた街頭演説会に、親交の深い中谷一馬氏(演説場所であるセンター南駅を含む神奈川7区が地盤の衆議院議員)の要望に応じて参加。山中竹春氏本人の前で約18分間にわたって応援演説しています。偶然ながら、私はこの演説を現地で聞いており、当日のツイートを以下に列挙します。今となっては、この演説がここまで大きな意味を持つことになるとは夢にも思いませんでした。

また、この演説中に小川淳也氏は旧市庁舎売却問題を「横浜の森友問題」と批判。しかし、自ら応援した山中竹春市長本人が当選から約1ヶ月後に旧市庁舎売却の本契約締結を強行してしまうという皮肉な結果になっています。

山中竹春市長が旧市庁舎売却について十分な説明もせずに契約締結を突如として発表した記者会見(9月30日)の文字起こしは以下のニュースレターを参照ください。私も会見に参加し、この件について自ら質問して憤りをぶつけています。

juninukai.theletter.jp

問題の8月7日演説に対する本人見解(8月23日時点)

山中市長誕生翌日の8月23日、ポリタスTVで津田大介氏は問題の8月7日演説の真意を小川淳也氏に質問。以下、その概要を伝えるツイートを列挙します。

*実際の映像はポリタスTVで公開中。ただし、現在は有料会員限定コンテンツの扱い。

問題の8月7日演説に対する本人見解(11月18日時点)

代表選出馬を表明した11月18日の記者会見でFrance10 及川健二記者は問題の8月7日演説で言及した旧市庁舎叩き売りについて小川淳也氏に質問。以下、その概要を伝えるツイートを列挙します。

パワハラを曖昧な根拠でフェイクニュースと断定した記事の拡散(8月7日)

問題の8月7日演説の当日、小川淳也氏は全く別の観点でも横浜市長選挙に関して情報発信しています。具体的には、山中竹春氏の横浜市立大学時代のパワハラ報道はフェイクニュースと断定する記事をツイートで拡散

しかし、この断定記事は論理展開に大きな飛躍があり、断定できるだけの根拠は乏しく、この断定記事こそがフェイクニュースと呼べる代物でした。詳細は、以下のニュースレターで私が自ら検証しています。

juninukai.theletter.jp

参考までに、他にこの断定記事を拡散してしまった立憲民主党の議員を以下に列挙しておきます。

投開票の2日前(8月20日)に私がツイートした、拡散に関与した議員の整理。

一方、8月17日、8月19日にパワハラ(強要未遂)の証拠音声が相次いで公開。しかも、自らのパワハラ音声を聞いた山中氏が被害者を取り違えて墓穴を掘るという衝撃的な展開を見せます。つまり、「山中竹春氏のパワハラはフェイクニュース」という断定記事こそがフェイクニュースであったことは、投開票(8月22日)より前に証拠とともに明らかになっています。

さらに、山中竹春氏は就任記者会見(8月30日)で、上記のパワハラ音声が自らの声であることをハッキリと認めています。そのやり取りを含む当日の質疑の文字起こしは、以下のニュースレターで私が公開しています。

juninukai.theletter.jp

***

参考:逢坂誠二氏の横浜市長選挙への関与

8月1日の応援演説

逢坂誠二氏は8月1日に横浜市内の各地(大船駅前、日吉駅前)で行われた街頭演説会に参加。山中竹春氏本人と並んで応援演説しています。詳細は、立憲民主党の公式サイトにて証拠写真の数々と共に掲載されています。

cdp-japan.jp

また、日吉駅前の街頭演説に同行した中谷一馬氏(演説場所である日吉駅を含む神奈川7区が地盤の衆議院議員)がYouTubeで映像を公開中。逢坂誠二氏の演説は動画の30分0秒〜39分40秒の10分弱。

youtu.be

7月19日の応援ツイート

さらに投開票の1ヶ月以上前という、かなり早いタイミングで以下のようにツイート。

横浜市長選挙の候補者擁立の問題について「承知してない」と言ってのけた逢坂誠二氏の関与は以上になります。

***

参考:泉健太氏、西村智奈美氏の横浜市長選挙への関与

この2名に関しては応援演説などの積極的関与は確認できません。強いて言えば、泉健太氏は選挙前(7月30日)や当選直後(8月22日)に以下のように関連記事をツイートしており、関心は示していたことが分かる程度です。

西村智奈美氏は「SNSは苦手」と本人が公言していることもあり、横浜市長選挙の時期(今年7月〜8月)はTwitterでの発信の頻度自体が低く、関連ツイートすらも見当たりません。

***

参考:山中竹春市長をめぐる数々の問題のほんの一部

大阪イソジン会見への関与

大阪イソジン会見への関与が報じられたことを受けて、7月13日に「一連の報道に関わる報告会見」と題した記者会見で山中竹春氏は3分間ほどかけて自ら釈明し、関与を否定。しかし、実際は一般的な定義と大きくギャップのある「解析」という言葉を悪用して「解析を行った事実はない」という結論を導いているだけ。むしろイソジン会見への指導を自白したに等しく、まさに「語るに落ちる」と言える内容でした。詳細は、以下のニュースレターで私が自ら解説しています。

juninukai.theletter.jp

NIH時代の経歴詐称

山中竹春氏はNIH(アメリカ国立衛生研究所)時代の役職をリサーチフェローと名乗ってきましたが、実際はビジティングフェローでした。ビジティングフェローは非常勤でトレーニングの要素が強いのに対し、リサーチフェローは常勤で成果も求められる、はるかに格上の役職です。山中竹春氏はアメリカからの帰国後、NIHのリサーチフェローと名乗った方が箔が付くので役職を偽り、国内で大学教授などの職を得る際に利用したと考えられます。

この経歴詐称が明らかにされた8月30日及び9月17日の市長記者会見の質疑の詳細は、以下のニュースレターで私が自ら解説しています。

juninukai.theletter.jp
juninukai.theletter.jp

山中竹春氏には他にもパワハラ、強要未遂、本人に対する告訴、横浜市大への不当圧力、などなど問題が数えきれないほど増えていく一方ですが・・、キリがないので割愛します。

***

今回の本編は以上になります。

今後も政治やメディア報道に関するニュースレターを発信していきます。次回を見逃さずに読みたい方は、以下の「無料購読」ボタンからメールアドレスを登録するとニュースレターが配信されるのでオススメです。登録は無料で、いつでも解約できます。

内容に価値を感じた方や同じ問題意識を感じた方は、ツイートやシェアで紹介をお願いします! リンク先を紹介するだけでなく、ご自分のコメントも交えて紹介して戴けると拡散しやすいので大変ありがたいです。 「この主張には納得できない!」というネガティブなコメントでも構いません。

2021年11月22日 犬飼淳

***
***

末尾の有料購読者限定コンテンツでは、私が記者会見に向けて準備していた本当の内容、今後の予定を公開しています。購読登録するか判断に役立てて頂くため、概要を簡単に紹介します。

(端的に言うと、横浜市長選挙に関する私の言動を疎ましく思っているであろう立憲・共産の関係者にとっては、大変有益な情報です)

有料購読者限定コンテンツ内容の概要紹介

会見に向けて準備していた内容は、以下3点の詳細が含まれます。

本当の質問内容(質問を希望する記者が多く、「質問は簡潔にしてほしい」と司会者が強く要望したため、私はもともと準備した内容を半分程度に削って質問しています)

質問の発言自体を拒否された場合の想定対応(横浜市長選挙というキーワードを出した瞬間に発言自体を止められるという万が一のリスクを考慮して、相手の言い分を3パターンほど想定して、全てのパターンに瞬時に対応できるように抗議の方向性を準備していました。この懸念は完全な杞憂に終わり、当日にそのような妨害は一切なかったことは付け加えておきます)

更問いが認められた場合の想定対応(これまでの進行を見る限り、更問いが認められる可能性は無いと予想していましたが、もし候補者が感情的になって言い返してきて、なし崩し的に更問いできる雰囲気になった場合は、すぐにこちらも畳み掛けられるように質疑の繋ぎ方を数パターン想定して準備していました)

今後の予定については、11月25日に予定される横浜での討論会・候補者会見にどのように関わるつもりかを記載しています。


ここから先は有料購読者限定公開です

下記からメールアドレスを入力し、有料購読することで読むことができます

すでに購読された方はこちら

ログインする
ついに立憲が言及した横浜市長選挙の検証とは
2021年11月27日のChoose Life Project番組内にて立憲代表選候補者が横浜市長選挙の検証に初めて言及...
誰でも
横浜市長選を 「承知してない」はずの逢坂誠二氏は、実際は応援演説で何を...
横浜市長選挙で立憲民主党が推薦した山中竹春氏の応援演説を行った逢坂誠二氏。演説で何を語ったのかを文字起こしでお届けします...
誰でも
【衆院選分析】横浜市内の立憲・共産の支持者離れの真偽
ここ1年間の住民投票署名や市長選挙の対応を通して、立憲・共産への不信感を強めた横浜市民。「衆院選で両党は横浜市内で支持を...
読者限定
【信号無視話法】山中竹春 横浜市長 記者会見 (2021年11月9日)...
山中竹春 横浜市長の定例記者会見。筆者自らが質問したワクチン接種率の誤発表、カジノ住民投票署名の目的外使用の質疑の信号無...
誰でも
【訂正とお詫び】「横浜市が私の抗議音声の一部を”意図的”に消去した」は...
2021年10月13日の横浜市長記者会見で「横浜市が私の抗議音声の一部を”意図的”に消去した」という私自身の情報発信の一...
誰でも
【衆院選分析】野党4党の候補者一本化による勝敗への影響
トータルの議席数増減だけに着目して「野党共闘は失敗だった」「共産党と協力したために支持者が離れた」とする主張は正しいのか...
有料限定
【メディア視覚化】自民党総裁選と衆院選の新聞報道 比較(告示・公示から...
新聞1面の見出しに着目して、自民党総裁選と衆議院選挙の報道の温度感の落差を検証(続編)
誰でも
【信号無視話法】党首討論会 2021年10月18日
衆議院選挙を控え、日本記者クラブ主催で実施された9党のトップによる党首討論会。選択的夫婦別姓、政権交代後の閣外協力などの...
誰でも