【独自】明大生のキャンパス内撮影は全て許可制なのか
*深刻さを踏まえ、冒頭(大まかな経緯)は誰でも読めるように公開します
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この記事を書いた理由
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近年、大学の自治侵害が着実に進んでおり、キャンパス内での言論の自由は低下の一途を辿っている
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直近では、かねてより学生への強権的な対応が目立った明治大学で「キャンパス内で許可のない撮影は禁止」と解釈できる通知が発出され、物議を醸した
この記事で分かること(冒頭)
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大学の自治侵害の実態
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明治大学のキャンパス内撮影禁止の通知をめぐる経緯
この記事で分かること(本編)
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キャンパス内撮影禁止に関する「所管部門(学生支援事務室)」と「大学トップ(柳谷孝理事長・上野正雄学長)」の認識
大学側の強権的な運営によって大学の自治が侵害される事案が近年相次いでいます。
*本ニュースレターで指摘してきた事案は以下参照
その中でも、学生への強権的な姿勢がかねてより目立っていたのが明治大学です。昨年(2024年)に大きな注目を集めたNHK朝ドラ「虎に翼」で主人公たちが通った明律大学のモデルとなったことを活かして大学側はキャンパス内での企画展開催を始め広報に注力。そのため一般的にはリベラルなイメージが強いでしょうが、実態は大きく異なります。
まず、言論の自由低下を受けて各大学で再び盛り上がりを見せる立て看板については、明治大学では設置自体が事実上禁止。他大学でも大学側が立て看板を勝手に撤去してしまったと見られる問題は度々発生しているとはいえ、明治大学の強権的な対応は明らかに一線を画しています。
また、学内でのデモやイベントについては、パレスチナに関する本をキャンパス内で読むだけという路上イベントに対し、大学側が無許可などを理由に中止させようとした出来事もあったそうです。

今回の通知も、それと同様に、学生の自発的な活動に対して過剰に規制的な姿勢が表れているのではないでしょうか。(5/5)
(文責:寺田)
これについては筑波大学でも類似の事案がありましたが、パレスチナ連帯という政治的メッセージを含んでいたとしても、ただ本を読むだけのイベントを大学が規制するのは明らかに行き過ぎです。
こうした背景がある中、6月27日に明治大学は「キャンパス内での撮影について」と題した通知(以降「本通知」もしくは「1回目通知」)を学生に発出。あまりにも学生生活の実態と乖離した内容のため、大学関係者を中心に衝撃が走りました。
まず、本通知は重大性に反して説明が少な過ぎるため、学生は日常的な撮影でも「所定の手続き」が必要になるように解釈できます。
(例)学生同士の記念撮影、学生がサークルの広報を目的に撮影する写真、学生が授業中の投影スライドをノート代わりに撮影する写真 等
対象が曖昧なことに関連して、学生は今後のキャンパスライフで以下のような深刻な不利益を被ることが懸念されます。
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発出した学生支援事務室(以降「所管部門」)は名前の通り学生対応を所管する部門のため、本通知の対象は学生のみで、教職員は従来通りに撮影可能と解釈できる。学生のみ制限を課すこと自体が不公平で学生を萎縮させる
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「所定の手続き」が必要な撮影に日常的な撮影(サークルの広報、授業の投影スライド等)が含まれるかすら曖昧なため、学生は撮影可否を日常的に迷うようになる
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関連して、大学にとって不都合な学生だけが「所定の手続き」を怠ったことを根拠に恣意的に罰せられる恐れがある
さらに学生から筆者に情報提供があり、本通知は駿河台キャンパスの学生のみに連絡され、他キャンパス(生田・中野・和泉)の学生には連絡されていないと判明。しかしながら、「本学キャンパス内では」と全キャンパスが対象のように書かれているため、対象の曖昧さはさらに深刻と言えます。
*4キャンパスの位置付けは明治大学ウェブサイト参照
そもそも本通知では本人の同意を得ない撮影はマナー違反と指摘していますが、大学側は学生を無断撮影していたという証言もあります。一連の経緯を踏まえると本通知の実態は、不都合な内容を撮影させないために規則を歪めた結果、まともに説明できない矛盾だらけの規則が出来上がってしまっただけに見えます。大学の自治というテーマからは外れますが、筆者の横浜市長記者会見での経験とも通底するように感じます。
こうした問題意識に基づき、筆者は本通知が発出された当日(6月27日)に明治大学にコンタクトを開始。具体的には、本件の「所管部門」と「大学トップ(柳谷孝理事長・上野正雄学長)」のそれぞれに対し、本通知の真意や見解を問い質しました。
結果、ありがたいことに昨日(7月3日)に双方から正式回答が届き、あくまでも「学内で本人の同意を得ず撮影を行わない」ことを求める趣旨であり、懸念したような不利益を学生が被ることは無いという主張でした。しかし、一連の対応の時系列を踏まえるとその説明には無理があり、学生がすぐさま声をあげ、問題意識が予想以上に世間に広まってしまったから慌てて火消しに走っただけに見えます。
これ以降の本編で、筆者がそのように判断するに至った問い合わせた内容と大学側回答を紹介していきます。
本編の目次
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所管部門の回答
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大学トップ(理事長・学長)の回答
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