【文字起こし】山中竹春 横浜市長記者会見 (2021年9月30日 旧市庁舎売却契約当日)
こんにちは。犬飼淳です。
9月30日の定例記者会見で山中竹春 新市長は、旧市庁舎の売却契約を当日に締結したことを発表しました。
横浜版モリカケと呼ばれるほど売却価格が破格の安さであるため、契約締結前に市民との対話を求める署名は9月30日時点で5000筆を超えていましたが、そうした民意は完全に無視され、契約が強行されました。
今回のニュースレターでは、約1時間45分に及んだ当日の記者会見のうち、旧市庁舎売却に関する質疑 約20分間、まだ質問の声があがっているにもかかわらず一方的に会見が終了された終盤 約5分間の質疑を文字起こしします。
*今回、私自身も初めて記者会見という場に参加し、幸いなことに質問できたので、私自身の質問も含まれます。
*前々回と前回に続いて、中継映像は会見途中で打ち切られてしまいましたが、私は会見場で現地参加したため打ち切られた後の会場の様子も記載します。
*会見映像は2開庁日後(10月4日頃)に横浜市ウェブサイトで公開される見込み
<表記の注意事項>
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発言者名は【】で囲んで記載する
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発言内容は「えー」などの言い澱みを含めて、そのまま書き起こす。日本語として不自然な言い間違いであっても、発言のまま書き起こす
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どうしても聞き取れなかった部分は○○と表記する
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筆者が重要と判断した箇所は太字で記載する
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用語解説や背景知識が必要な場合は * で補足説明する
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現地の様子は適宜( )で補足説明する
<会見全体の流れ>
★:今回の文字起こしの対象部分
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14:00頃に開始
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開始0分~:ワクチン接種率、横浜文化賞についての原稿を読み上げ
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開始9分頃~:横浜文化賞に関する質疑
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開始12分頃~:配布資料「旧市庁舎街区・活用事業について」全29ページの説明(1ページ目から29ページ目まで約44分かけて、一方的に読み上げ)
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★開始56分頃~:旧市庁舎売却に関する質疑
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開始1時間16分頃~:一般質疑(就任1ヶ月を経過しての所感、横浜市大への不当圧力、等の質問)
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★開始1時間40分頃~:時間を理由に、司会者が残り2社と宣言(経歴詐称疑惑、等の質問)
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★開始1時間45分頃:まだ質問を求める声があがる中、司会者が一方的に会見を打ち切り。抗議の声を完全無視して市長を含む職員が退出。
*前々回、前回の実績を踏まえて、今後公開される横浜市の録画映像と質疑要旨では、この終盤のやり取りは削除されると予想される。
文字起こし(旧市庁舎売却の質疑)
(約44分間にわたって続いていた山中市長による配布資料「旧市庁舎街区・活用事業について」全29ページの説明がようやく終了する。山中市長は1ページ目から29ページ目までを順番に一方的に読み上げた。資料は全編にわたって「旧市庁舎の建物に経済価値は無く、売却価格は妥当である」と主張する内容)
*実際の配布資料は横浜市ウェブサイトで閲覧可能
(既に会見開始から約56分が経過し、ようやく旧市庁舎売却の質疑が始まる)
【山中竹春市長】
(資料の読み上げを終えて)以上でございます。私からの旧市庁舎街区の活用事業について確認させて頂いた結果を報告致しました。以上になります。
【司会者】
ありがとうございました。えー、それでは、旧市庁舎街区の活用事業について質問を受け付けます。幹事社、お願いします。
【時事通信 記者】
幹事社、時事通信の○○です。結論として、7700万円で三井不動産を中心としたグループに売却する結論を下したということでしょうか。
【山中竹春市長】
えー、本日、契約の手続きを致します。致しました。
【時事通信 記者】
契約はもう締結した?
【山中竹春市長】
しました。致しました。
(参加した記者のタイピング音が一斉に激しく響き始める)
【山中竹春市長】
本日付で、本日付で、契約の締結を致しました。
【時事通信 ○○記者】
すると、市民団体から声があがっていたところで、えー、定期借地契約、年2億1千万円でお貸ししますっていう部分。ここのところは今回、検討されなかった?
*先に説明した配布資料「旧市庁舎街区・活用事業について」全29ページは建物評価については言及しているが、土地評価についての言及はほとんど無かった
*土地の定期借地契約の問題については井上さくら市議が9/30付 ブログで詳しく解説している
【山中竹春市長】
えーと、まず、建物について、売却価格について、こう、例えばマンションの値段と比較するなど、様々なご意見を頂いておりましたし、あとは歴史的な価値を踏まえて、7700万円っていう価格に関するご意見を多く頂いていたと承知しております。で、私としても確認作業が必要だと考えました。で、その結果、あのー、市として、こういった自由に、開発を行うっていう観点ではなくて、まあ、自由に開発を行うと、当然、市の思惑から離れた、あー、建物等が、あるいは設備等が、あー、できてしまいかねませんので、えー、様々な利用条件を付して、その結果、建物に関しても、付記という形で、あのような額が提示されたところでございます。
土地に関しては、土地の貸付料に関して、今ご質問を頂きましたけども、まあ、こちらの土地に関しても、地区の活性化、これを実現するためには様々な土地利用の制限をかけることを行政として行っております。そうしないと、こう、また、繰り返しになりますが、関内、関外の開発に関して、我々の意図するところから、まあ、色々なことになりかねないので、えー、土地利用の制限をかけているということでございます。ですので、当然ですね、土地利用の制限がない場合の、おー、区画というものはいろいろ検分されますけども、その額に比べて安くなるっているのは当然考えられる、うー、ことでありまして、で、専門家である不動産鑑定士の方から、そういった不動産鑑定評価書が提出され、えー、5名いる、うー、その、審議会の不動産鑑定士を中心に確認されたものと承知しております。
【時事通信 ○○記者】
はい。えー、幹事社、以上です。
(真っ先にフリーランス横田氏が挙手し、司会者は公平に順番通りに指名する)
【司会者】
えー、フリーランス、横田さん。
【フリーランス 横田記者】
(地声で)今の関連ですけども・・、
(最後方のマイクが常設されていない席に横田記者が座っていたため、職員がハンドマイクを手渡す)
(ハンドマイクを通して改めて)フリーの横田一ですけども、今の関連ですが、賃料・・、定期借地の賃料があまりに安過ぎると、固定資産税の3倍~5倍が通常価格なのに、えー、2億1千万円になっていると。で、77年間で合計すると230億円の差額が出ると。その分を事業者に利益供与するということで市民団体も、えー、問題にしてたんですが。その結果が、全く詳しく説明がないのではですね、もう締結しちゃったっていうのは、これはどういうことなんですか?
【山中竹春市長】
えーと、先ほど、あのー、申し上げた通り、いー、金額がですね、我々が出している金額というのは、えーと、事業者が、あー、鑑定した、頂いた金額があって、それをもとに、また市議会の方で、えー、まあ、答申をして頂いて、その金額に基づき、まあ、あー、2億円・・、2.1億円という金額を決定したところなんですが、そちらの金額に関しても、おー、条件が様々ある状況で、えー、決定されております。こういった費用条件、こういった利用条件、まあ、そういったものが全部なければ、こういった固定資産税の何倍になるっていう議論が正しいのですが、そうではなくて、こういった条件のもと、おー、設定しておりますので、この2.1億円に関しては妥当な金額だと考えております。
【フリーランス 横田記者】
(地声で)それに関する資料が全く無いじゃないですか!
(ハンドマイクの使用を職員に促されて、改めてハンドマイクを通して)それに関する資料が・・、(先に説明した全29ページの配布資料を示しながら)建物についてはこれだけ詳しい資料と、説明をたっぷり時間をかけてされたのに、賃料に関してが、ほとんど・・、ほとんど無いじゃないですか!
で、これ、情報公開すると、市長選挙が終わった後もですね、えー、約束してですね、市長選挙の真っ最中には、小川淳也さんが「森友・加計問題と同じだ」ということで、横にいた市長も頷かれたわけですよね。こんな、森友と同じ、あのー、あまりに安い賃料でですね、固定資産税と同じくらいというのはタダ同然で貸すのと同じじゃないですか。こんな無茶苦茶な話を、十分な資料も無しに、結ぶ、認めるというのは、市民への裏切りであり、藤木会長や江田憲司さん、小川淳也さん、支援した人への裏切り行為になると思うんですが、あの、ちょっと、もう1回契約を見直して、ちゃんとした説明をして、市民に情報公開して同意を求めるというお考えはないんでしょうか。こんな早々に市民の期待を裏切るんですか。
【山中竹春市長】
情報公開に関しては、鑑定書の方を開示しております。ですので、その中に2点、条件のことは記載されてございますので、情報公開しないというわけではありません。
(横田記者の抗議の声を遮って)情報公開しております!
それで、えーとですね、先ほどモリカケのようなという表現、出てたかと思うんですが、こちらに関しては、あのー、説明を申し上げた通り、適切なプロセスを経て、様々な利用条件を付した上で、えー、貸付料と、土地、算定しているものでございますので、えー、モリカケのような問題とは異なるものでございます。
【フリーランス 横田記者】
根拠を・・。文書による説明は・・。
【山中竹春市長】
情報公開は鑑定書の方を公開してございますので、そちらを、あのー、拝見して頂ければ、あー、分かるかと。
*不動産 鑑定評価書の問題については井上さくら市議が9/19付ブログで詳しく解説している
【フリーランス 横田記者】
それで市民は納得するとお考えなんですか?
【山中竹春市長】
あのー、我々としては、透明性を保ったプロセスで客観的に、いー、出した試算額だと、おー、出しているとふうに横浜市としても、妥当な試算額を出していると設定していると確認を、私の方で確認させて頂きました。
【フリーランス 横田記者】
影の市長と言われている菅さん由来の市の幹部の説明を鵜呑みにしてるんじゃないですか?そこにメスを入れるのが、市長がやるべきでは?
【山中竹春市長】
いや、あのー、ですので、今回、えー、私が就任して、えー、間もない時期にこのような問題をお聞きしました。で、既に、審議会を、おー、が、答申もあり、私の就任前ですけども、こういった価格を決定して、えー、進められてきたところでございますが、あー、今、申し上げた、おっしゃって頂いたことを感じたからこそ、おー、私は市民の疑問の声に応えるために、いー、第三者の調査を依頼して、えー、本日発表をさせて頂いておりますし、その結果、先ほども議論ございました建物、そして、えー、すでに鑑定書を通じて情報公開している土地の価格。これらの決定に関して、極めて、プロセスに関して瑕疵はないということを確認したところでございます。
【フリーランス 横田記者】
最後に、あの、前提条件が変わってるんじゃないですか?
IRやめたんだから市の税金をアップしないといけないと。だから従来のような考えでは、えー、成り立たないんじゃないですか? 売却も含めて、えー、より高く売れるような方法を考えるのが新市長の役割なのでは?
【山中竹春市長】
あの、そういったご意見があることは参考に・・、あの、あることを参考に、受け付け・・、あの・・、そういった・・、はい。
(次の質問者が挙手を始める)
【司会者】
毎日新聞 ヒグチさん。
【毎日新聞 ヒグチ記者】
毎日新聞のヒグチです。
何点か伺いたいんですけども、まず、あの、今回の確認作業にあたって、費用はいくらかかったのか。
【山中竹春市長】
(質問が聞き取れなかった様子で)ん?何?何?
(市長と記者の間にはアクリル板があるため、記者の声が小さい場合は市長は声が聞き取りにくい状況にある)
【毎日新聞 ヒグチ記者】
費用はいくらかかったのか。
【山中竹春市長】
費用は、えーと、130万と、おー、と聞いております。
【毎日新聞 ヒグチ記者】
これはそれぞれの、えーと、委託先というか、検証作業の委託先に、合計130万円?
【山中竹春市長】
合計130万ですね。はい。X社、Y社、合計で。
【毎日新聞 ヒグチ記者】
それともう1点、あのー、今回、市長が妥当性があると判断した日付と、判断にあたっては、担当局長なり担当副市長なりと協議があったのか。その点をお伺いします。
【山中竹春市長】
まず、決裁、契約を締結した日については、あー、今日となります。で、えー、内容に関しましては、えー、ここ数日間、あー、かなり多くの時間を割きまして、えー、私の方で確認をしてきたところであります。
【毎日新聞 ヒグチ記者】
すいません。あのー、私の質問が悪かったのかもしれませんが、その、市長が妥当性があるというふうに確認して、契約をすると判断をしたのはいつだったんですか。
【山中竹春市長】
最終的には、あー、昨日でございます。
【毎日新聞 ヒグチ記者】
もう1点、先ほど伺った点ですが、その判断にあたって、えー、副市長なり幹部の方々と協議はあったのかどうか。
【山中竹春市長】
担当部局を含めて協議を固めてきたところで、えー、協議というか、説明を受け、えー、私の方でも、おー、確認をし、いー、様々な、あー、方々と、おー、協議を進めて、おー、確認のプロセスを、行って・・、行いました。
【毎日新聞 ヒグチ記者】
最後に、あのー、今回の妥当性の評価を見ると、歴史的価値というものが、そもそもそういった鑑定評価には盛り込まないんだということで、裏を返せば、歴史的価値について考慮されてないということなのかなと思いますが、歴史的価値、建物の歴史的価値について、えー、考えられてないということなんだと思いますが、そこの部分を判断するのが政治家たる市長だと思うんですけど。今回、歴史的価値を考慮しないということでも妥当性はあるとお考えになったのでしょうか?
【山中竹春市長】
まずですね、あのー、歴史的建造物の場合の取り扱いなんですが、えー、その土地の有する潜在的な収益力、例えば京都のみんなが知っているような○○とか、多分そういうところで、えー、まあ、経済価値を、おー、まあ、認めるのであれば話は別だというような、あー、評価を頂いております。で、えー、今回、私も申し上げましたけども、市民として、この建物の、えー、あのー、価格、建物の価値に加味されないことがとても残念だったと思います。しかしながら、えー、今回、3つのグループが、えー、提案をされてまして、で、えー、保護加工を提案しているグループも・・、おー、提案・・、というものが採択されまして・・。えー、全部更地にして、あのー、利用条件に合う形で全部建物をつくりかえるという提案もあったんですけども、おー、我々としては、歴史的文化的価値を認識した上で、そういった価値の方向性になって良かったなと思っているところでございます。
【毎日新聞 ヒグチ記者】
ありがとうございます。
【司会者】
フリーランス、犬飼さん。
【フリーランス 犬飼】
犬飼と申します。よろしくお願いします。
えーっとですね、9月24日に、あの、市長は「本契約を一旦停止して市民と対話を図ってほしい」という趣旨の署名を受け取ったと思います。署名数は本日時点で5000名を超えているかと思います。
あの、本契約の前に市民との対話を図ってほしい。これ、決して難しい要求ではなかったと思うんですけども、もうこの要望に応じるつもりは無いということでよろしいでしょうか?
【山中竹春市長】
ま、その、あれですかね、判断にあたって、えー、私が意見を聞く場を、おー、設けて、えー、欲しいという、あのー、えー、ですがー、あのー、まあ、評価の観点に関してはですね、えーとー、まあ、どこの鑑定士がですねー、この資格にもとづいて、えー、まあ、判断している、そのー、鑑定にもとづいて判断している、しておりまして、えー、まあ、どういったですね、鑑定評価が行われたのかっていうことをですね、まず検討することがですね、そのことを明らかにして開示することこそが、説明になるというふうに、いー、考えておりました。
【フリーランス 犬飼】
関連して、いいですか。
えーと、市長は、あのー、選挙時ですね、あのー、「市民に誠実、データに正直な市政の実現」というキャッチフレーズ、掲げられたと思います。
今のご説明、誠実ですか?
(周りの記者から失笑が漏れる)
【山中竹春市長】
あのー、誠実かどうかは、(苦笑しながら)市民の方に判断いただければと思うんですが、あのー、本来であれば、このまま立ち止まらずに、いー、契約まで向かい、説明が行われなかった可能性があるところを、改めて第三者の調査を行い、その時間をかけて、その結果を確認し、いー、評価の妥当性を報告している。まあ、これが私の、今の進め方でございます。
【フリーランス 犬飼】
はい。ありがとうございます。関連して、もう1点いいですか。
あのーですね、今月ですね、都市整備局の方が、あのー、三井不動産とかDeNAとか開発事業者が出した提案書を公開していると思います。ただ、その中身の半分以上が黒塗りで、いわゆる海苔弁状態でした。えー、どのような提案内容だったのか、価格が妥当なのか全く判断できない状態です。えー、また選挙時の公約になるんですけども、まあ、「行政データのオープンデータ化と透明性の担保」。あの、100個くらいあった公約に入っていたと思うんですけども、これも公約を満たしているとお考えですか?
【山中竹春市長】
そちらの黒塗りに関してはですね、あのー、色々な守秘義務上のものも含まれると思いますので、改めて、えー、担当部局の方で、えー、方に、確認をいたしまして、出せるものに関しては、あー、オープンにしていきたいと考えております。ただ、守秘義務上、ノウハウ上、出せないものもあるので、それに関しては、ご了承頂きたいんですけども、今ご指摘頂いた点に関しては、あの、担当部局の方に確認をして参りたいと思います。
【フリーランス 犬飼】
ありがとうございます! 守秘義務に抵触しない限りは、公開して頂くというふうに理解しました!
【山中竹春市長】
(遮るように)市のルールもありますので、照らし合わせて、そして守秘義務。様々な点に関して、それに抵触しないと判断できたものに関しては見直すように指示を致します。
【フリーランス 犬飼】
はい。ありがとうございます。以上です。
【司会】
朝日新聞のタケイさん。
【朝日新聞 タケイ記者】
朝日新聞のタケイです。あのー、定期借地のことについて伺います。
【山中竹春市長】
(質問が聞き取れなかった様子で)ん?何?
【朝日新聞 タケイ記者】
(少し声を大きくして)定期借地のことについて伺いたいんですが。70年以上にわたって契約を結ぶわけなんですけども、まあ、あのー、一つの事業者との間で、あのー、協定を結んでいる、いて、事業が適確に進められるように担保はされていると思うんですけども、まあ、社会情勢とかも変わりますし、今回コロナで当面の事業ですら、えー、どうなるか分からないということも事業者側にはあると思います。で、あのー、まあ、今後、その、提案された内容がきちんと履行されるのかどうかっていうことを、まあ、きちんとチェックできるような、そういった体制みたいなものが必要ではないかと思うんですが、そのあたりは市長はどういうふうにお考えでしょうか。
【山中竹春市長】
70年以上先ですと、かなり長期に渡りますので、いまタケイさんがおっしゃったようなですね、見直しという体制、見直せるような体制というのは必要だと思ってますし、まあ、そのような体制を、おー、設けてまいります。
【朝日新聞 タケイ記者】
その辺りは具体的に何か、そのー、○○ということを考えてらっしゃる?
【山中竹春市長】
あのー、はい。今後何年かおきにですね、また確認等も踏まえて見直せるような、あー、体制を検討してまいります。ありがとうございます。
【司会】
(他に旧市庁舎に関する質問者がいないのか確認する意味で)よろしいですかー?
(1名挙手したため)読売新聞。
【読売新聞 タナベ記者】
読売新聞 タナベと申します。1点だけ確認までに教えて頂きたいんですけども、あのー、今回のですね、判断の、えー、もとになった報告というのは、あのー、中間報告だと思いまして、10月の下旬に正式な最終報告が出されると聞いています。最終報告になった場合に、今お示し頂いた内容に加えて、どういった要素が盛り込まれるのか教えてください。
【山中竹春市長】
えーとですね、中間報告という形で、えー、報告を頂いておりますが、ほぼ最終版に相当する内容でございます。まあ、あのー、納入物として提示する以上は先方の方も、あのー、決まったフォーマット、内容があるかと思うんですが、中身の本質的なことに関しては、ほぼ全て今回の提出版に盛り込まれる、盛り込まれていると、承知をしております。
【読売新聞 タナベ記者】
ありがとうございます。
【司会】
(他に旧市庁舎に関する質問者がいないのか確認する意味で)よろしいですかー?
え、それでは、一般質問に移ります。幹事社さん、お願いします。
(この後、約24分間にわたって旧市庁舎売却以外の一般質問の質疑応答が続く。就任1ヶ月を経過しての所感、横浜市大への不当圧力、等について質問がなされたが、文字起こしは割愛する)
文字起こし(終盤の質疑)
(一般質問の質疑応答が約24分間ほど続き、会見開始から約1時間40分が経過)
(司会を務める女性の近くに座る男性職員が自らの腕時計を指差して口頭で何らかの指示を出す)
【司会】
すいません。かなり時間を経過しておりますので、あと2社、1問ずつでお願いしまーす。では、サキシル西谷さん。
【サキシル 西谷記者】
Webニュースのサキシルの西谷ですが、えー、前回お伺いしたNIHでの役職名について確認されると伺ったんですが、いかがでしょうか。確認の方は。
* 前回の9月17日 記者会見における経歴詐称疑惑に関連したNIH役職名に関する質疑の詳細は、筆者のニュースレターを参照ください
【山中竹春市長】
えーとですね、あのー、前回も申し上げた通りなんですが、期間に関して2002年7月から2004年6月まで、えー、在外研究としてNIHに在籍をしておりました。で、えーとー、NIH時代の上司に在籍、在職の期間を確認を致しまして、期間に相違はございませんでしたね。それで、えーとー、NIHの方から、あのー、許可の書類が出て、えーまー、ビザを取得して、えー、まー、そういった・・、ということで、そういった書類に関して、えー、問い合わせをしているところでございます。
【サキシル 西谷記者】
ということは役職については、結局どうだったのか。
【山中竹春市長】
えーっと、あのー、うーん、(苦笑しながら)先ほど申し上げて、前回も申し上げた通りなんですけど、あのー、リサーチするフェロー、リサーチ目的のフェローとして、えー、一般的な用語として、リサーチフェローを使った。
【サキシル 西谷記者】
これまでの山中さんのご説明に・・・。
【司会】
(質問を遮って)すいません! 1問・・。
【サキシル 西谷記者】
(司会に対して)まだ途中です。まだ質問の途中です。これまでの山中さんのご説明から、えー、一般的な研究者、研究員を表す用語として、リサーチフェローと名乗りましたというふうにこれまでご説明頂いてたんですが、ということは、あの、NIHが固有に定めている、えー、組織の内部の一つの役職名である、博士号の取得を条件としているリサーチフェロー。こちらには山中さんは該当してなかったということでよろしいんでしょうか。
【山中竹春市長】
あのー、前回申し上げた通りなんですが、あー、研究員を示す一般的な用語であるリサーチ目的のフェローとして、えー、リサーチフェローやリサーチャーとの言葉を使ってまいりました。
【サキシル 西谷記者】
つまり、NIHの役職ではなかったということでよろしい?そのように理解・・。
【山中竹春市長】
すでに申し上げた通りでございます。
【サキシル 西谷記者】
えーと、じゃあ、「はい」か「いいえ」で答えて頂きたいんですけども、
【司会】
(質問を遮って)次!
(山中市長は食い下がる西谷記者の声を無視して、他に挙手していた記者を自らの右手で指し示して「どうぞ」と質問を促し、次の質問に移ろうとする)
【サキシル 西谷記者】
(次の質問に移ろうとする山中市長に対して)すいません!まだ途中なんですけど。
【司会】
同じ質問と回答が繰り返されていると思いますので、あの、次の質問、次の方に移らせて頂きたいと思うんですけども。
【山中竹春市長】
(挙手をしていた他の記者がいることを司会者に伝えるように)さっき、ヒグチさんが挙げてる。
【サキシル 西谷記者】
なるほど。「はい」か「いいえ」で答えて頂きたかったんですけども。
【司会】
でも、ずっと同じ回答で・・、あ、質問と回答なので。えー、次の方に、最後の質問に移らせて頂きます。
(先ほど挙手をしていた別の記者が質問に入るべきか迷った様子で挙手していなかったため、その記者に対して強い命令口調で)手を挙げて!!
(司会者に強く促されて、その記者は挙手をする)
【司会】
(記者が挙手したことを確認した上で)はい! 神奈川新聞、ミキさん。
【神奈川新聞 ミキ記者】
(名乗らずに質問を開始)はい、あのー、すいません、質問させてください。緊急事態宣言解除に伴って、市立学校が10月の4日から通常登校に原則戻るという方針を先ほど示されました。あの、児童生徒から学校再開の声がある一方で、その、ご本人、子供ご本人やご家族が感染をして、感染をして、あの、回復したものの、回復したものの嫌がらせやイジメなどを不安する声もあるということです。まあ、保護者からは、やはり、そのー、まだ、あのー、感染に、まあ、不安を、おー、まあ、感じる声もあがっていると聞いていて、オンライン授業の継続を求める声もSNSなどでもあります。まあ、通常登校の再開、学校の再開にあたって子供たちや保護者に向けて、何かメッセージがあれば、まあ、市長も一人の父親だということで、ぜひお願いをします。
【山中竹春市長】
子供たち。えー、日々ですね、えー、不安な、あのー、日々を過ごしていると思います。あの、いろいろ教育の、おー、授業のあり方に関しても、いろいろな、あのー、変化が多いところで、えー、またご負担をおかけしております。まあ、市としては教育機会の安定的な供給が大変重要だと考えておりますので、えー、まあ、教育機会を逸しないように引き続きですね、あのー、努力して、また、保護者の皆様に早く情報をお伝えすることによって、えー、混乱のないように努めてまいりたいと考えてます。
【司会】
はい。えー、以上で、定例会見を終了いたします。
【サキシル 西谷記者】
すいません!まだ質問あるんですが。
(このタイミングで、横浜市映像の生中継映像の音声が突然、無音となる。さらに、カメラは背景に置かれている横浜市のロゴにクローズアップされ、会見上の様子すらも視聴者には見えなくなる。筆者は現地参加していたため、文字起こしは続ける)
【司会】
すいません。先ほど、あのー、2社、1問ずつということで、あのー、お話いたしましたので、本日は以上で終了と・・。
【サキシル 西谷記者】
まだ質問が・・、他にも質問したい方いると思うんですけど。
【司会】
すいません。先ほど、あのー、もう、時間も結構経過しているということで、お願いさせて頂きました。こちらから。
(西谷記者の抗議を完全に無視して、同席していた市の職員は素早く席から立ち上がり、山中市長に退出を促し、山中市長もすぐに応じて出口に向かって歩き始める)
【サキシル 西谷記者】
時間というのは何時から何時というのは決まっているのでしょうか!
【司会】
すいません。以上で、今日は終了しまーす。
(山中市長、司会者、同席した職員らは、西谷記者を見ることすらせず完全に無視したまま、足早に会見室から退出する)
抜粋した文字起こしは以上です。
今回、記者会見に初めて現地参加したことで分かった気づきなどについては、後日改めてニュースレターを書く予定です。
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2021年10月1日 犬飼淳
参考:当日の会見室の様子
©︎2021 Jun Inukai
冒頭の読み上げでワクチン接種率を説明する山中市長。
前々回、前回の会見では市長は着席した状態での会見だったが、今回は資料説明があったためか終始立った状態で会見を行った。
参加した記者には紙の配布資料が配られ、該当ページの内容が両脇のディスプレイに表示される。
市長の前にはアクリル板があるため、記者の声が小さい場合やこもっている場合は市長は聞き取りづらい状況。
©︎2021 Jun Inukai
配布資料「旧市庁舎街区・活用事業について」説明の冒頭場面。
最初に会見目的は「旧市庁舎の売却価格の算定の妥当性を確認し、結果を市民の皆様と共有すること」と宣言され、その前提で構成された全29ページに及ぶ資料をこれから約44分間もかけて山中市長は一方的に読み上げていく。
©︎2021 Jun Inukai
配布資料「旧市庁舎街区・活用事業について」説明の終盤場面。
約44分間にわたった説明(資料の一方的な読み上げ)は、「価格算定のプロセスに不備は認められなかった」という結論に帰着する。
参考:関連動画
終盤 約5分間のノーカット映像。横浜市公式 記録と筆者が現地撮影した映像(司会者が質問妨害する様子を含む)を左右に並べて可視化。
参考:関連するニュースレター
前回の9月17日 記者会見における経歴詐称疑惑(NIH役職名)に関する質疑の詳細
前々回の8月30日 記者会見の文字起こし全文(前後編に分けて公開)
P.S.
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