【訴訟報告】ESAT-J不開示決定の処分取消(5)「平均点変更は電話確認なので文書は無い」?
このニュースレターはフリー記者の犬飼が「大手メディアが報じない読み応えのある検証記事」を月に4本以上(目安)配信します。皆さんの生活に影響する政策や報道の複雑な問題点を、正しく理解できるように分かりやすく解説しています。
サポートメンバー登録によって運営されており、利害関係に縛られず取材・検証を日々行っており、総理大臣記者会見にも出席しております。サポートメンバー登録(月額600円〜、いつでも解約可)いただくと、以下の特典を得られます。
-
100本超の有料記事を過去配信も含めて全て購読できる
-
記者会見での質問内容をリクエストできる
-
今後扱ってほしいテーマをスレッドで要望できる
サポートメンバーのおかげで私は継続しての運営が可能になり、より多くの報じられることのない事実を検証することができます。応援いただける方はぜひご登録をお願いいたします。
*ニュースレターの重点テーマ、特に反響が大きかった過去のコンテンツは「概要」を参照ください
この記事を書いた理由
-
行政文書の開示請求は、国民の「知る権利」を守る重要な手段である。行政機関(官公庁、自治体 等)の情報公開の透明性が落ちた昨今、その重要性は一段と増している。しかし、不当な理由で不開示や黒塗りになる事例が後を絶たず、役人にとって不都合な情報は容易に隠蔽されている
-
不開示決定を覆す手段は「審査請求」と「処分取消訴訟」の2つがあるが、いずれも一般市民には敷居が高いため断念してしまう場合が多く、その知見は十分に共有されていない
-
本人訴訟(弁護士を立てずに原告自ら訴訟を進める方法)の知見も同様に十分に共有されていない
この記事でわかること
-
被告(東京都)は3回目の反論で、平均点改ざん疑惑については「平均点変更はベネッセから電話確認したので関連文書は一切存在しない」という驚愕の主張で逃げ切りを図っていること。不受験者の得点推定については、相変わらず趣旨が不明瞭な主張をしていること
-
ベネッセに責任転嫁する被告(東京都)に対抗する上で重要な意味を持つ、ベネッセに対する文書提出命令を裁判所が許可する可能性
-
本訴訟の重要な争点について、直近の都議会(2024年2月16日 文教委員会)で被告(東京都)が致命的な墓穴となる答弁をしたこと
英語スピーキングテスト(ESAT-J)の「平均点改ざん疑惑」と「不受験者の得点推定」に関する不当な不開示決定3件に対して、自らが原告として東京都教育委員会を訴えた処分取消訴訟(本人訴訟)の経過をお伝えします。
*「平均点改ざん疑惑」と「不受験者の得点推定」のそれぞれの経緯は、以下2本のニュースレターの冒頭部分を参照
訴訟の進捗状況
以下の通り訴訟は少しずつ進み、回を重ねる度に被告主張は一般常識から大きく乖離していっています。
2023年6月14日:取消処分訴訟 提起
*原告(筆者)が訴状を東京地裁に提出
同年9月14日:第1回期日(口頭弁論)
*提起から丸3ヶ月あったにもかかわらず被告(東京都)は反論が間に合わなかったため、訴状の基本的確認のみで終了
同年10月24日:第2回期日(口頭弁論)
*被告(東京都)が期日6日前(10月18日)に初めての反論(準備書面)を提出。原告(筆者)は再反論(準備書面)を2日後(10月20日)に提出した状態で期日を迎える
同年12月26日:第3回期日(口頭弁論)
*被告(東京都)が期日5日前(12月21日)に2回目の反論(準備書面)を提出。原告(筆者)は再反論(準備書面)を1日後(12月22日)に提出した状態で期日を迎える
2024年2月13日:第4回期日(口頭弁論)
*被告(東京都)が期日7日前(2月7日)に3回目の反論(準備書面)を提出。原告(筆者)は後述する理由のため、初めて再反論を直後に提出せずに期日を迎える
今回のニュースレターでは第4回期日の前後の出来事について、関係する書面の全文を掲載しながら報告します。
本編の目次
-
被告(東京都)の3回目反論 〜「平均点変更は電話確認なので文書は無い」?〜
-
第4回期日の最中に気付いた光明
-
第4回期日3日後の都議会答弁 〜被告が掘った新たな致命的墓穴〜
-
原告(筆者)の再反論
*続きはサポートメンバー限定で公開します。一定期間経過後も無料読者には公開されません。
*サポートメンバー登録(月額600円〜、解約はいつでも可)すると、今後も継続して発信予定のESAT-Jを含むすべての記事をいち早く読むことができます。さらに、過去の配信分も含めて有料コンテンツが全て閲覧できます。
*ニュースレターの重点テーマ、特に反響が大きかった過去のコンテンツは「概要」を参照ください