違法行為を犯してまでイジメ隠蔽した教育長が退職金満額400万円超を受け取り無罪放免
*今回のニュースレターでは子供の自死の問題を取り上げます。自死の具体的状況には言及しませんが、非常に辛い内容が多いため無理のない範囲でご購読下さい。
*緊急性・公共性が高いと判断したため、公開直後から無料読者にも全文を公開します。いじめ自死の組織的隠蔽で複数の違法行為を犯した鯉渕信也教育長を山中竹春市長は一切処罰せず、このままでは3月末(残り約1週間)に満額の退職金を受け取って定年退職を迎える見込みのため。
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この記事を書いた理由
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これまでにも組織的ないじめ隠蔽を繰り返してきた横浜市教育委員会は、2020年に自死した中学2年生のいじめにおいては鯉渕信也教育長が複数の違法行為を働いてまで丸4年も隠蔽した
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しかし、山中竹春市長は鯉渕信也教育長を一切処罰せず、3月末(約1週間後)に満額の退職金(409万4600円)を支払って定年退職させる見込みである。この状況を許せば、今後も横浜市教育委員会は同様の隠蔽を繰り返し、教訓は全く活かされずに今後救えた可能性がある子供たちの命までも危険に晒す恐れがある
この記事で理解できること
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隠蔽が行われた全ての期間において教育委員会のトップを務めた鯉渕信也教育長は自らの違法行為を自覚しているのか
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隠蔽が行われた大半の期間において横浜市のトップを務めた山中竹春市長は自らの責任を自覚しているのか
事前に警鐘は鳴らされていたにもかかわらず、2021年8月に市政に徹底的に無関心・無責任な市長が誕生してしまったことを契機に、横浜市役所が異次元の無法地帯に成り下がった実態については、これまで継続的にお伝えしてきました。
また、職員と関わった経験のある方ならば察しがつくかと思いますが、どの自治体においても教育委員会は特に閉鎖性や隠蔽体質が強い傾向にあります。原因は様々あるとは思いますが、筆者が想像するに他組織との人事交流が基本的に無い(あったとしても非常に稀)ことが大きく影響しているように思います。いったん教育委員会に配属されれば、定年退職まで教育委員会もしくは学校現場の中での人事異動の繰り返し。さらに、保護者・生徒からのクレームが多くて学校現場の業務が務まらなかった教員が内向きの仕事が多い教育委員会に異動するケースもあり、一般常識や倫理観に欠ける人材が自然と集まってしまう傾向もあります。
何が言いたいかと言うと、「横浜市」と「教育委員会」の最悪の掛け合わせである横浜市教育委員会の隠蔽体質や倫理観の欠如は、筆者がこれまでに職員と直接接したことがある15以上の自治体・中央官庁の中で間違いなく最悪レベルということです。
全くの別件ですが、英語スピーキングテスト(ESAT-J)による都立校入試制度の破壊に関心がある方に向けて説明すると、「あの都教委よりも倫理観の底が抜けた教育委員会が存在する」と言えば、横浜市教育委員会の異常性が伝わるでしょうか。
約2年前(2022年4月~9月)、筆者は横浜市立小学校で発生した2件のいじめ隠蔽について保護者および生徒から直接の情報提供を内々に受けて、市長記者会見などを通して継続的に横浜市教育委員会を追及した経験があります。その過程で、まさに息を吐くように組織的な嘘を繰り返し、自らの立場を守ることだけに100%注力する一方、被害を受けた保護者・生徒の声はいかなる姑息な手段を用いてでも揉み消そうとする姿勢に唖然としました。
▼筆者が情報提供を受けた1件目の詳細
2020年度に旭区の横浜市立小学校で発生した教師による児童いじめを1年以上も組織的に隠蔽。被害者の証言に基づいて隠蔽の実態を具体的に指摘しても、教育委員会および市長は新たな嘘をついてまで責任を回避し、問題を泥沼化させる
▼筆者が情報提供を受けた2件目の詳細
2016~2018年度に磯子区の横浜市立小学校で発生した、小学2年生時点の被害児童に希死念慮が現れたほどのいじめを長年にわたって組織的に矮小化・隠蔽。
これら2件を通して横浜市教育委員会の常軌を逸した隠蔽体質を肌身で感じた筆者は、「今回の2件はまさに氷山の一角で、揉み消されたイジメは他にも山ほどあるのでは?」という疑念を抱いていました。そして、この疑念は想像をはるかに上回る形で今月に的中しました。
今年3月8日、第三者委員会と遺族代理人が相次いで記者会見を行い、横浜市立中学校に通っていた当時2年生の女子生徒が丸4年前(2020年3月)にいじめを苦に自死していたことが初めて公に発覚。同日に第三者委員会が公表した「重大事態の調査結果について(v中学校)【公表版】」には、「教育委員会の組織的隠蔽」と表現せざるを得ない内容が多数記載。横浜市の内情を知らない方に向けて補足すると、残念ながら横浜市では第三者委員会の調査ですら形骸化しており教育委員会に不都合な内容は記載しない傾向にあります。その横浜市の第三者委員会ですらここまで明確に隠蔽を認めたことが、本件の悪質さを物語っています。以下、記載の一部を要約して抜粋します。
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自死の前年(2019年)に被害児童・保護者は担任と面談した際に同級生からのいじめを相談している(P3、5、14~16)
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被害児童が生前に残したノート(遺書)には、自殺の原因は同級生のいじめと書かれていた(P9~10)
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こうした状況を踏まえて、当初は中学校側の報告書では「いじめ」について記載していたにもかかわらず、教育委員会が「いじめ」の表記は全て削除するように指導した(P22~23)
誰がどう見ても、「組織的な隠蔽」そのものです。事実関係を時系列で整理すると、一連の隠蔽において教育委員会のトップである鯉渕信也教育長が複数の違法行為を犯したことも明白。さらに、直近10年で自死した横浜市立学校の生徒は41名もいたという新事実まで発覚。しかし、いじめが原因とされたのは今回の1名のみで、いじめが強く疑われる他の事案はことごとく全て闇に葬られていました。それにもかかわらず、鯉渕信也教育長は一切の処分を受けないまま今月末に定年退職を迎え、退職金満額(409万4600円)を受け取る見込みです。
*特別職である鯉渕信也教育長の今回の退職金は直近の任期3年分(2期目)をもとに算出された金額。1期目の退職金は3年前に別途受け取り済み
そもそも定年まで僅か3週間というタイミングで本件を突然公表したこと自体、事件の重大な責任者である鯉渕信也教育長が議会で追及される機会を減らす狙いがあったことが疑われます。
こうした異常な状況の中、3月22日(問題が発覚した記者会見の14日後)の横浜市会 予算第一・予算第二特別委員会連合審査会(総合審査)で井上さくら市議(無所属)はこの問題について鯉渕信也教育長および山中竹春市長に対して約32分にわたって質問。耳を疑うような両者の認識が次々と明らかになりました。
とはいえ30分超の映像を視聴する余裕が無い方も多いかと思います。そこで、前置きが長くなりましたが、今回のニュースレターではこの質疑全文の文字起こしを通して、本件の異常性をお伝えします。
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- 教育長が犯した不法行為の数々
- 「直近10年で41名の生徒が自死」という衝撃的実態
- 事件以降に自死した23名の生徒を救えた可能性を隠蔽で潰す
- 同じ学校で2人の生徒が相次いで自死した事案も隠蔽
- あと1週間の定年退職までに鯉渕教育長を罷免できるか
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