【独自】横浜市立小学校 新たな教師いじめ隠蔽発覚

これまで筆者が追及してきた旭区の横浜市立小学校 教師いじめ隠蔽とは別の横浜市立小学校(磯子区の滝頭小学校)でも類似の教師いじめ隠蔽が発覚。被害児童・保護者から筆者への直接の情報提供にもとづいて、事件の詳細をお伝えします。
犬飼淳 2022.06.08
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こんにちは。犬飼淳です。

直近3回の横浜市長記者会見(4月21日、5月11日、5月24日)にて、私は旭区の横浜市立小学校の教師いじめを市が組織的に矮小化・隠蔽した問題に大半の質疑時間を費やしてきました。

*旭区の件の詳細については配信済みのニュースレターを参照ください。

そんな中、衝撃的な情報が筆者のもとに寄せられました。

「別の横浜市立小学校(磯子区の滝頭小学校)でも同様に教師いじめの隠蔽が行われている」

早速、被害にあった児童(現在、 中学1年生 女児)と保護者に直接会い、多数の確証を見せて頂きながら事情を伺いました。今回のニュースレターでは、滝頭小学校(磯子区)における教師いじめ隠蔽を中心に詳細をお伝えします。

*転校先の青木小学校(神奈川区)における担任教師の猥褻行為については、横浜市いじめ問題専門委員会委員の弁護士も関与している疑いがあり、当初はあえて伏せましたが、6月23日に問題の一部を追記しました。前日22日の市長記者会見でこの件の追及も始めたため。

*今回の記載内容は、被害児童本人と保護者からの情報提供に基づいています。いじめが始まった時期からすでに6年以上が経過して大半の関係教師は異動・退職していることもあり、学校側への確認は行っていません。ただし、事実と判断できるだけの確証が多数あるため、それらにもとづいてお伝えします。

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経緯

まず、これまでの経緯をスライド2枚に時系列に並べて整理しました。今回お伝えすべきポイントを凝縮したので、まずはこの2枚をじっくりとお読みください。

  • 1枚目は滝頭小学校(磯子区)入学から始まる2016年度〜2018年度(1年生〜3年生)の出来事

  • 2枚目は青木小学校(神奈川区)への転校を余儀なくされた2019年度以降(4年生〜)の出来事

  • 右側の「確証」列の丸数字は、本ニュースレター末尾に掲載した確証となる参考資料と対応

  • 赤字は教師の児童に対するイジメ、学校・横浜市による隠蔽に関連する出来事

©️2022 Jun Inukai

©️2022 Jun Inukai

あまりにも衝撃的な出来事ばかりなので、これらが事実なのか にわかには信じがたいと思います。しかし、本ニュースレター末尾に掲載した確証を見て頂ければ、これらが信憑性の高い話であることはご理解頂けるはずです。

強いて言えば、3行目(1年生時の2016年度、児童支援専任教諭が被害児童1名だけに教科書やノートを机にしまうように1年間にわたって指示して、授業参加を実質的に妨害)だけは、「確証」列が空欄であることが示す通り、明確な確証と呼べるものはありません。被害児童や保護者からの口頭による説明のみです。しかし、逆に言えば、それ以外の出来事については事実と判断できるだけの確証(病院の診断書、隠蔽してきた学校や横浜市による調査報告書ですら事実と認定、開示請求結果、児童直筆の連絡帳、教室の写真、など)が揃っています

また、根本的な疑問として、なぜ被害児童1人だけが同級生だけでなく教師からもターゲットにされたのかは誰もが疑問に思うでしょう。保護者の意見としては、入学前の経緯が影響しているのではないかとのことでした。

もともと この小学校は荒れていることで有名で保護者は進学させることに不安があり、当初は横浜国立大学附属横浜小学校への進学を希望していた。しかし、抽選に漏れて やむなく磯子区の小学校に入学。 そうした経緯を教員側も知っていたのでターゲットにされた可能性はある。
被害児童保護者

*横浜国大附属小の入学試験には抽選が含まれる

©️2022 Jun Inukai

©️2022 Jun Inukai

「加害児童が被害児童に二度と暴力を振るわないように約束させる」

何度も大怪我を負い、PTSDまで発症した被害児童としては当然のこの要望に対して、ついに磯子区の小学校は最後まで応えませんでした。安全を確保できない状態で登校を再開できるはずもなく、やむなく4年生進級時の2019年4月に被害児童は同じ横浜市内の青木小学校(神奈川区)に転校。自宅から離れた地区の学校への通学は4年生には負担が大きいため、同年8月には家族全員で転校先の小学校がある区に転居。これまでの心理的・身体的負担に加えて、経済的負担を治療費以外でも負うことになります。

そして、2019年5月から横浜市いじめ問題専門委員会が「いじめ防止対策推進法 重大事態の調査」を開始し、2022年6月現在も継続しています。この調査の最大の問題は、対象が2019年2月の暴力事件に限定されており、一連の問題の根本原因である「教師によるイジメ」が調査対象に入っていないことです。経緯を見れば分かる通り、この点を被害児童 保護者は関係者(教育委員会、林文子 前市長、山中竹春 現市長)に繰り返し要望していますが、現在に至るまで拒否され続けています。

この要望を断る理由として、教育委員会(主に南部学校教育事務所 新庄広 指導主事。現在は横浜市立大鳥中学校 校長)は「教員いじめは重大事態の範囲外」「校長から教員いじめの報告があがってこない」等と述べていますが、直近の旭区の小学校の一件で垣間見えた教育委員会の隠蔽体質と瓜二つです。

旭区の件も当初は「教師いじめを処分する規定が無い」等の理由で横浜市教育委員会は対応を拒んでいましたが、2021年7月の文春オンライン記事がきっかけで世間の注目を集めたことで対応が一変。直後の同年9月に第三者委員会を慌てて立ち上げ、今年3月に「生徒をいじめた教師」が懲戒免職処分を受けています。*詳細は当時の報道を参照

つまり、「教師いじめを調査・処罰できない」のではなく、横浜市 教育委員会は常に「不祥事を矮小化・隠蔽する」ことを最優先に動いているだけと言えます。

*ただし、この旭区の件についても「調査対象期間が第三者委員会調査の開始前に限定されており、それ以降も続く学校側の対応の問題が考慮されない」「不祥事を矮小化・隠蔽するために教育委員会と第三者委員会が実際は一体的に動いている」等の問題は今も続いている。詳細は配信済みの筆者ニュースレター 参照

2020年度に教員いじめが始まった旭区の一件を踏まえ、それより4年も前の2016年度から教員いじめに苦しんでいた本件の被害児童 保護者は次のように訴えています。

学校側は「学校はしっかり対応している」と現在の調査主体(横浜市いじめ問題専門委員会)に伝え、横浜市いじめ問題専門委員会も学校を高く評価しているが、教育委員会の御用聞き委員会に過ぎない。学校は保護者の目が届かない閉鎖的空間だから、きちんと第三者が調査しないと子供に何が起きたいたのか真実がわからない。私は二度と娘のように教員いじめで苦しむ子供が出ないように調査してほしいとお願いしたのにも関わらず、旭区で同じく教員いじめで子供が学校に行けなくなったことを知って悲しい。ちゃんと教員いじめを隠蔽することなく真摯に受け止めていたら、こんなにも悲しく、苦しむ家族を生み出すことはなかったのではないかと横浜市教育委員会にも横浜市長にも憤りを覚えます。
被害児童 保護者

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関係者

本件の関係者を整理します。(一部の情報はモザイク処理)

©️2022 Jun Inukai

©️2022 Jun Inukai

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確証

経緯のスライド2枚にて丸数字で示した確証を一覧で整理しました。

©️2022 Jun Inukai

©️2022 Jun Inukai

これら確証21点の実物を掲載しながら、さらに詳しく実態を説明していきます。

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*本件は完全独自の取材に基づいており、不安定なフリーランスの立場である筆者が活動を続けるため、続き(確証19点の実物、詳細説明)は有料購読者のみに公開します。通常と異なり、一定期間経過後も無料購読者には公開しません。(無料読者と有料読者の提供価値の違いは、リンク 参照)

*続きには非常にセンシティブな内容(診断書、暴行の詳細を含む調査報告書、児童直筆のノート、など)が含まれるため、ご注意ください。

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