【横浜市長選2025】メディアによる選挙隠し・争点隠しの記録

報道しないことで市政に徹底的に無関心・無責任な横浜市長の再選に貢献した記者クラブ(横浜市政記者会)の働きを定量的に検証します。
犬飼淳 2025.08.12
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この記事を書いた理由

  • 山中竹春氏は1期目の4年間に一貫して市民の声を徹底的に無視して市民の財産を犠牲にして民間企業を優遇する典型的な利権政治を続け、一般市民にとっては最も害が大きい候補だったが、今月の横浜市長選で再選を果たした

  • この悲劇を招いた最大の要因は、市の公式発表であればたとえ不正確でも垂れ流す大手メディア(横浜市政記者会)が市政の惨状を覆い隠し、市民の「知る権利」を侵害し続けているからである

この記事で理解できること

  • 大手メディアによる前回(2021年)と今回(2025年)の横浜市長選 報道の「」と「」の両面による比較結果

  • 大手メディアが争点だけでなく選挙そのものを隠したことで、組織票で固めた現職の再選に貢献した実態

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先週(8月3日)に投開票を迎えた横浜市長選の投票率は41.64%という低投票率の結果、政党(自民・立憲・公明)の組織票で固めた現職の再選という結果に終わりました。前回(2021年)の投票率は49.05%でしたから、実に7.41pt大幅ダウンです。

この投票率低下の要因として、告示日(7月20日)が参院選投開票日と重なったため初日の選挙運動に制約があったことを挙げる声も聞かれます。しかし、わずか4年前のことをよく思い出して下さい。すでに記憶が薄れている方も多いでしょうが、前回はただでさえコロナ禍だった上に2週間の選挙期間(2021年8月8日~21日)の全日程において神奈川県下は緊急事態宣言(2021年8月2日~9月30日)の真っ只中。つまり、選挙運動の制約は前回の方が圧倒的に大きかったのです。

それにもかかわらず投票率が大きく下がった最大の要因は大手メディアによる徹底的な選挙隠し・争点隠しでしょう。

*根拠は後述の通り

ところが、筆者が選挙後1週間の間に折を見て交流のある大手メディア記者 複数名にこうした本質について話を振ったところ、意外な反応が返ってきました。ほぼ全員が口を揃えて「前回のカジノのように明確な争点が無かったから今回はトーンダウンしただけ」と堂々と主張したのです。もはや自分をそのように騙すしかない面もあるでしょうが、仮に本気で言っていたのであれば大変な認識誤りです。

今後2年に限っても、以下の通り重大な争点は多々あったのですから。

  • 現職が続投した場合、年間342件(毎日1件以上!)という高頻度で虫・プラ片などの深刻な異物混入が続く中学校給食のデリバリー弁当が来年(2026年)4月から選択制ではなく全員強制に切り替わる。関連して、時代錯誤で失敗必至の巨大弁当工場の建設計画も継続。つまり、「今後も一部の議員・企業の利権のために不味くて不衛生な弁当を横浜市立中学校の全生徒に食べさせ続けるのか」という重大な争点があった

  • 開幕が再来年(2027年)に迫る横浜花博は、ただでさえ博覧会を大義名分に税金を湯水の如く浪費する点で大阪万博と同じ問題構造を抱える。現職が続投した場合、大阪万博とは比較にならないほど深刻な環境破壊を含む現行計画が継続。つまり、「大阪万博を超える環境破壊・税金浪費の横浜花博をこのまま認めるのか」という重大な争点があった *横浜花博の開催は国の決定のため市長が交代しても中止にはできないが、計画の見直しは可能

  • 事業化が来年(2026年)に迫る山下埠頭再開発では、市が公表した計画にスポーツベッティングが含まれ、賭博で稼ぐ市の姿勢は全く改まっていない。さらに、現職は1期目の就任直後から賭博反対の姿勢に疑問符が付く言動(就任翌月に推進した張本人の平原副市長を留任、就任約1年後にカジノ誘致総括の答弁すらも拒否 等)を繰り返している。つまり、一般的には前回で解決したと見なされている「賭博に絶対反対と断言できる市になれるのか」という重大な争点は今回も継続して存在していた

  • そもそも現職は1期目の4年間に一貫して、本質的な質問・指摘に対しては菅義偉元総理や斎藤元彦兵庫県知事を彷彿とさせるほど日本語が全く通じない意味不明な回答に終始し、市議会・記者会見を空転・形骸化させた張本人。「自分が何を言っているのかすらも理解できない様子の現職を続投させ、 他自治体とは一線を隠した市政の無法地帯化を許し続けるのか」という重大な争点があった

本来、こうした問題点を日頃から報じるのが横浜市役所に破格の好条件で執務室を与えられて常駐する横浜市政記者会の役割。しかし、直近4年間の会見記録や各社報道を見れば明らかな通り、そもそも報道に関心すら無く、市の公式発表であればたとえ不正確でも垂れ流す記者が残念ながら9割程度を占めるのが実態。市政の惨状を覆い隠して市民の「知る権利」を侵害し続けた点で、もはや「何もしない方がマシ」と言わざるを得ないほど一般市民にとってはただの害悪に成り下がっています。

さらに、日頃の姿勢からある程度は覚悟していたとはいえ、今回の選挙期間中の横浜市政記者会の報道放棄による選挙隠し・争点隠しはもともと低かった期待値をさらに下回るものでした。そこで今回のニュースレターでは、その惨状を定量的に検証していきます。具体的には、前回(2021年)と今回(2025年)の横浜市長選 報道を「」と「」の両面で掘り下げ、組織票で固めた現職の再選に大きく貢献した実態を浮き彫りにします。

©️2025 Jun Inukai *詳細は本編で説明

©️2025 Jun Inukai *詳細は本編で説明

©️2025 Jun Inukai *詳細は本編で説明

©️2025 Jun Inukai *詳細は本編で説明

本編の目次

  • 情勢報道の有無

  • 報道の量

  • 報道の質

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