SPRINGの排外主義的な改悪はどのように決定したか
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この記事を書いた理由
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今年6月~7月の都議選・参院選では候補者が選挙運動で排外主義を撒き散らして票を集めるという前代未聞の事態となった
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さらに、そうした排外主義は文科省の政策にも波及し始めている
この記事で理解できること
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JST-SPRING改悪を決定した委員会の検討過程
都議選(6月13日告示、同22日投開票)で一部政党の候補者による排外主義が広がっていた中、同月26日に文科省までもが排外主義的な政策を検討していると報道され、大学関係者を中心に衝撃が走りました。
経済的負担を理由に進学を断念するケースもある博士後期過程学生を支援するための制度である「次世代研究者挑戦的研究プログラム」(通称:SPRING)。そのSPRINGの生活費支給を日本人に限定して外国人や留学生を排除するという排外主義的な方針(以降「SPRING改悪」)が明らかになったのです。
*よくある質問に対する回答はJST-SPRING国籍要件反対アクション note「よくあるQ&A お答えします!」(2025年6月28日)参照
続く参院選(7月3日公示、同20日投開票)でも更なる排外主義が吹き荒れた中、学生を中心に全国各地でSPRING改悪に反対する緊急アクションが複数開催。

2025年7月2日 JST-SPRING 国籍要件反対アクション 池袋駅西口(撮影:犬飼淳)

2025年7月2日 JST-SPRING 国籍要件反対アクション 池袋駅西口(撮影:犬飼淳)
改悪反対のオンライン署名は短期間で2万筆(8月3日時点)を超える広がりを見せました。

2025年7月30日 オンライン署名 文科省提出時(提供:JST-SPRING 国籍要件反対アクション) *提出時の署名数は19300筆超
7月30日にはSPRING改悪を文科省が科学技術・学術審議会 人材委員会(以降「人材委員会」)で決定予定だったため、同時刻に文科省前で開催された緊急集会には多くの学生が参加。

先ほど、代表らが文科省内で19,300筆超の署名を人材政策課に提出。
文科省は反対の声に耳を傾けず、国会にも諮らないまま、差別排外主義を助長する方針決定を強行するな💢
筆者は現地には行けなかったものの、同時刻の人材委員会はweb経由で傍聴。もはや見慣れた光景になってしまったとはいえ、建物の外で行われている抗議集会とのあまりの温度差にはやはり驚きました。約2時間の人材委員会では、SPRING改悪に異論を唱えるどころか言及する委員が非常に少なかったため予定調和に進行し、SPRING改悪が決定されてしまったのです。とはいえ、ごく一部の委員は暗に懸念を示したり、代替案への言及もありました。
そこで今回のニュースレターでは、文字起こし抜粋を通して人材委員会での検討過程の実態をご紹介します。
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