【参院選2022】候補者の失言・問題行為(選挙区編)
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こんにちは。犬飼淳です。
参議院選挙の投開票が約10日後の7月10日に迫りました。候補者の「良いところ」についてはすでに2回に分けてお伝えしました。
そこで今回のニュースレターでは、一転して「悪いところ」に目を向けたいと思います。具体的には、候補者の過去の失言、問題行為を2回(今回:選挙区、次回:全国比例)に分けて、伝えします。
*投票時に1枚目の用紙に記入するのが「選挙区」。住民票がある都道府県ごとに投票できる候補者は異なる。ご自分の都道府県で誰が立候補しているのかは NHK特設サイト等で確認可
注意事項
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過去の国会議員任期中に発言・質問・政策提案がほとんど無いことは「問題行為」とまでは言い切れないため除外します
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当選見込みが高い議員を中心に紹介します。つまり、一部政党(参政党、NHK党 など)の候補者は基本的に除外します
*総務省の都道府県番号順に記載。同一選挙区の場合は候補者名の五十音順
宮城選挙区・桜井充(自民党)
「与党に行かないと仕事ができない」
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2016年参議院選挙で「野党統一候補」として宮城選挙区で当選。しかし、わずか4年後の2020年5月15日、自民党会派に入会。同日、野党統一会派は退会。
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宮城県民は野党統一候補として投票したのだから与党側に寝返るならば議員辞職するのが筋であるとして、多くの批判が巻き起こった。
*当日の流れは毎日新聞記事参照
*巻き起こった批判の例は以下ツイート参照
桜井充参院議員、自民会派へ 「与党に行かないと仕事できない」 - 毎日新聞 mainichi.jp/articles/20200… 桜井充参院議員、自民会派へ 「与党に行かないと仕事できない」 立憲民主、国民民主などの野党統一会派に所属する桜井充参院議員(宮城選挙区)は15日、国会内で自民党の世耕弘成参院幹事長 mainichi.jp
「再来年の参院選は視界不良」
「与党会派入りでも仕事はできそうにない」
共産党支援で当選して自民党入り 桜井充の「変節」に地元からすさまじい怒り #桜井充 #週刊文春 #文春オンライン
埼玉選挙区・関口昌一(自民党)
政党助成金を約525万円貯め込み
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文通費が問題になっていた2021年11月、文通費よりも規模の大きい政党助成金を貯め込んでいる議員をしんぶん赤旗が調査したことで発覚。政党助成金を使い残すことで「基金」として貯め込んだ議員が自民・維新を中心に多数いることが判明し、関口昌一氏は約525万円も貯め込んでいた
*貯め込みが発覚した議員の一覧など詳細はしんぶん赤旗記事参照
東京選挙区・海老澤由紀(維新)
居住地偽装
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2019年から大阪市議を務めるも、実際は「東京の東雲に住んでいる」ことを本人も認めており、今夏の参院選に東京選挙区から出馬するにあたっては「東京で子育て」と維新の広報誌でも堂々と主張。地方自治法127条(議員の失職及び資格決定)に照らせば、大阪市議の被選挙権をそもそも満たしておらず、失職に値する
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さらに、現在(6月30日時点)も大阪市議の身分は保持したたま、参院選の選挙活動を東京選挙区で続けている
*詳細は週刊現代記事参照
*7月4日追記
神奈川選挙区・浅尾慶一郎(自民党)
事務所スタッフへの給与未払いによって労働審判の真っ最中
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2017年から浅尾氏の事務所スタッフとして勤務した女性に対して、資金繰りを理由に2021年11月に一方的に解雇を通告。元スタッフが解雇理由証明書の発行を求めても応じないまま解雇する。
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さらに、元スタッフが未払いだった2ヶ月分給与の説明を求めると「勤務時間を虚偽申告していた」と浅尾氏は主張したため、2022年5月に労働審判を申し立て。
*詳細はデイリー新潮記事参照
神奈川選挙区・三原じゅん子(自民党)
「日本が建国以来大切にしてきた価値観、八紘一宇(はっこういちう)であります」
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「八紘一宇」は第二次世界対戦前の日本でアジア侵略を正当化するためのスローガンとして用いられた言葉。初めて公式に用いたのは、「皇国の国是は八紘を一宇とする肇国の大精神に基づく」とした1940年の近衛内閣
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もともとは1903年に仏教運動家 田中智学が日本書紀の記述を「全世界を一軒の家にする」と解釈した際の造語
*詳細はハフポスト記事参照
*この発言をめぐる本人の主張は 三原じゅん子氏ブログ参照
福井選挙区・山崎正昭(自民党)
国会本会議の半分近くを欠席
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2020〜2022年の国会(第201回〜208回)で本会議 計111回のうち約40%にあたる45回を欠席
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山崎正昭氏は現在80歳ではあるが、健康問題などを公にしたことはない。ちなみに参議院議員の任期は衆議院(4年間)よりも長い6年間。
*欠席の内訳は下記ツイート 参照。ツイート主の斉木武志氏は福井選挙区の対立候補ではあるが、参議院議事課が確認済みの数字として公表。
静岡選挙区・山崎真之輔(無所属) *国民民主党推薦
3児の父親をアピールしながら不倫した上に虚偽説明
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2021年秋の衆院選前哨戦と位置付けられた参院補選 静岡選挙区で当選を果たすも直後にフライデーが過去の不倫疑惑を報道
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当初は「相手から脅迫を受けて警察に相談している」と不倫自体を否定していたが、フライデー記事の公表からわずか5日後の11月10日に一転して、国会内で記者団に対して不倫を認めて謝罪
*詳細はフライデー記事(2021年11月5日)参照 および5日後の謝罪報道参照
京都選挙区・福山哲郎(立憲民主党)
「もう離党されたので、私が言及する必要はありますか?」
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質問は「すぐに記者会見で自らの考えを伝えたかったが、福山幹事長に止められた」という本多氏の主張の事実確認であり、幹事長として当然 説明責任を果たすべき内容であったが、福山氏は上記の逆質問で返し、回答を拒んだ
*会見のやり取りは立憲民主党Youtubeで公開中(動画の27分46秒〜28分43秒)
*本多平直氏の辞職に繋がった「14歳と性交」発言が本当にあったのかについては筆者のニュースレター参照
大阪選挙区・浅田均(維新)
政党助成金を450万円貯め込み
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文通費が問題になっていた2021年11月、文通費よりも規模の大きい政党助成金を貯め込んでいる議員をしんぶん赤旗が調査したことで発覚。政党助成金を使い残すことで「基金」として貯め込んだ議員が自民・維新を中心に多数いることが判明した。
*貯め込みが発覚した議員の一覧など詳細はしんぶん赤旗記事参照
大阪選挙区・石田敏高(立憲民主党)
有料画像をポスターに不正利用
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今回の選挙戦真っ最中の2022年6月24日、「大阪独自の政党ポスターです。いい感じでしょ?」というコメントともに「大阪復活」などのキャッチコピーを掲げた立憲民主党のポスター画像を公開。しかし、使用されている写真には「Adobe Stock」のウォーターマーク(権利を明らかにするための透かし文字)が残っており、有料画像を無断使用した疑いが持たれている。石田氏は問題のツイートを削除し、4日後の6月28日に「デザイン段階のものをあげてました」と釈明
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そもそもアドビ社は利用規約で画像の政治利用は不可としているため、ライセンス契約を結んだとしても立憲民主党のポスターに有料画像を使用することは不可
*詳細はビジネスジャーナル記事参照
大阪選挙区・高木かおり(維新)
複数のマネーロンダリング(文通費を自団体に寄付、政党交付金で借金返済など)
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文通費を自らが代表を務める政治資金管理団体「福保会」に寄付した上で大半を政治団体「政佳会」に寄付
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政治資金収支報告書からは政党交付金を借金返済に当てた、人件費を二重計上した、等の不正も発覚
*詳細は アジアプレス・インターナショナル記事参照
大阪選挙区・松川るい(自民党)
「高齢者は歩かないから」
*当時の映像は下記ツイート参照
*詳細はNHK記事参照
*本人の弁明はブログ参照
兵庫選挙区・片山大介(維新)
公示日に女性専用車両に乗車
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参院選公示日の2022年6月22日9:45に「明石駅から姫路駅まで電車移動です!」というコメントと共に女性専用車両で吊り革を掴む本人の写真をツイート *女性専用車両の実施時間は首都圏ではラッシュアワーに限定するのが一般的だが、関西圏では始発から終電までの終日にわたって実施するため、片山氏が女性専用車両として運用されている車両にあえて乗り込んだことは明白
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批判を受けて片山氏は当該ツイートを削除
*問題の写真を含む詳細はリンク先参照
岡山選挙区・小野田紀美(自民党)
バリアフリー化対応は分かるけども、これは議員特権になりませんか?
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直前の2019年7月の参議院選挙でれいわ新選組から重度障がいを持つ議員が2名(木村英子、舩後靖彦)誕生。その介護費用を参議院が負担することを報じたニュースに対して上記のツイートを行った
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さらに「文通費が月100万円支給されます。みんなこのお金を使って、私設秘書さんとか、事務員さんとか、政策サポートとか、事務所開設の諸経費とか、要は自分が公務を行うサポートもそろているとおもっております。」と続けてツイート。完全に文通費(公的文書の発送費や交通費などのために支給される経費)の解釈を誤っており、これまで不正利用していた疑いすらも持たれ、2日後の8月2日に「事実確認をせぬ一部表記で誤解を招いた」とツイートで謝罪に追い込まれた。
*詳細は女性自身記事参照
*問題のツイート3点は以下参照
福岡選挙区・大家敏志(自民党)
国会 本会議中に野党議員に暴行
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2018年12月7日 参議院本会議の与野党協議の際、立憲民主党議員を小突いた上、議長に「早く判断しろよ! いいかげんにしろ!」と暴言を吐き、理事を辞任させられる。血走った目でヤクザのように恫喝する、常軌を逸した言動はテレビでも放映され問題視された
*映像は以下ツイート 参照
*詳細は記事参照
宮崎選挙区・松下新平(自民党)
中国系企業が秘書給与を肩代わり(政治資金規制法違反の疑い)
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2021年12月、週間文春が疑惑を報道。中国系企業の女性を「外交顧問 兼 外交秘書」にし、名刺や議員会館 通行証をあたえてパーティー券販売にも関与させていた。松下事務所は当該女性を「無償ボランティア」と説明したが、実質的な秘書業務の代行であり、中国系企業が秘書給与を肩代わりする形になっており、政治資金規正法違反の疑いが持たれた
*詳細は週刊文春記事参照
今回のニュースレターは以上になります。
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2022年6月30日 犬飼淳
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