【独自】暇空茜氏に計2億円カンパした支持者は実在するのか
*事態の深刻さを踏まえ、冒頭(誹謗中傷ビジネスの構造的問題)は誰でも読めるように公開します。
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この記事を書いた理由
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Colaboに対する攻撃の本質は「Colabo側の税金を投入した事業の不正」ではなく、「デマの拡散によって収益をあげる誹謗中傷ビジネス」である
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日本では名誉毀損訴訟の賠償額が比較的少ないことを背景に、加害者側はたとえ敗訴しても賠償額以上にカンパ等で収益を得ており、もはや司法制度すらも毀損している
この記事で理解できること(冒頭)
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誹謗中傷ビジネスの構造的問題
この記事で理解できること(本編)
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暇空茜氏に計2億円のカンパをした支持者は実在するのか
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判決時の出来事から推測される、その人物像
4月17日、またしてもColabo全面勝訴・暇空敗訴となる判決が下りました。デマ(タコ部屋、生活保護受給等)を主な争点としてColabo側が暇空茜氏(本名:水原清晃)を名誉毀損で訴えた損害賠償請求のため、一連の訴訟の中で特に重要性が高い訴訟(以降「最重要訴訟」と記載する場合あり)です。今回の二審(東京高裁)判決では、一審(東京地裁)の判決(暇空茜氏の主張はことごとく完全否定されて220万円の支払命令、当該デマ記事の削除命令 等)がそのまま維持。その一審判決は昨年(2024年)7月時点で以下ニュースレターでポイントを整理済みのため、今回の判決について筆者から付け加えることは特にありません。
そもそもColaboと暇空茜氏の関連訴訟は、その全てにおいてColabo側が連戦連勝。Colabo関係者・支持者の勝訴数はすでに15件。残りの進行中の訴訟でもColabo側の勝訴が見込まれます。
*関連訴訟一覧はColabo記者会見資料(2025年4月18日)参照
要は、暇空茜氏らが拡散したColaboを攻撃する内容が荒唐無稽なデマであることは司法の場でも次々と認められている状況です。さらに、Colaboを始めとする複数の被害者(フローレンス駒崎弘樹氏 等)からの刑事告訴についても次々と起訴となっており、今後は刑事裁判でも暇空茜氏は裁かれる予定です。
ただ、これで万事解決かというとそうでもありません。暇空茜氏は訴訟対応で募ったカンパは計2億円以上(2025年4月1日時点)と公言。さらにYouTube(視聴回数に応じた広告収入、視聴者からの投げ銭)やnote(有料note販売)でも収益を獲得。日本の名誉毀損訴訟の賠償額は高くても200万円程度のため、いくら負けても収支はプラスになる計算なのです。むしろ、(たとえ意味不明な訴え内容であっても)訴訟を次から次に起こし、完敗後も(追加の証拠提出等は特に無いにもかかわらず)控訴・上告で裁判を長引かせて新たなカンパを喚起。こうした「誹謗中傷ビジネス」がビジネスモデルとして確立してしまっているのです。
最重要訴訟の判決翌日(4月18日)のColabo側の記者会見でも登壇者(仁藤夢乃代表、神原元弁護士、太田啓子弁護士等)からはこの観点の問題提起が相次ぎました。
*全53分の会見映像は上記YouTubeで公開中
以下、発言のごく一部を抜粋します。
神原元弁護士「こういうデマを流すこと自体が彼(暇空氏)の金儲けになっている。彼がハッキリとインターネットで言っていることですけど、『Colaboがいくら訴えても訴額以上をnoteとYouTubeで稼ぐ』と。どうもそういうシステムになっているようなんです。閲覧数などが多ければお金になると。こういう社会を我々は今後どうしていくべきなのかということについて大きな問題を抱えた事案であると思っています」

2022年9月13日 暇空茜氏 ポスト *神原弁護士が発言で言及した投稿。一連の訴訟でColabo側は証拠として提出しており、暇空氏の悪質性が裁判所に認定される理由にもなった
太田啓子弁護士「(今年3月にようやく刑事事件として起訴されたが)普通だったら萎縮して(誹謗中傷が)止まるかと思いきや、起訴されたこと自体をまた収益の道具にしているわけです。彼(暇空氏)の行動の特徴として、これだけの加害行為・不法行為をやっておきながら『自分は被害者である』と思っているんです。で、『自分は公金不正について調べて、あれこれやっただけなのに弁護士が並んで一般人に過ぎない自分を弾圧している』みたいな。そういう被害者ポジションに立ちたがる。そして、『みんな、俺を助けてくれ』と。で、愚かにも本当に多くのカンパが集まってしまうと。本当に信じているのか、真偽はどうあれ気に入らないことを叩くことにお金を出す形で加担したいメンタリティがすごく広がっていると申しますか。で、起訴されたのが3月26日なんですが、3月27日に(暇空氏はYouTubeで)『緊急ライブ』と起訴を報告するライブ配信をやったんです。それで、彼の収益の方法としては、口座へのカンパ、それからYouTubeの投げ銭(スーパーチャット)、裁判書類をブログのnoteで販売する。で、3月27日のライブ配信のスパチャをざっくり数えたら40万円位は集まっていたと思います。100人位から。で、(翌)28日の彼のツイートを見ると(スパチャとは別の口座への)カンパは500万円位増えたと。だから、話題にするとそういう風に(収益が)増える。で、これでは(今後の刑事裁判での)罰金刑とか執行猶予判決でも(デマ攻撃は)止まらないと思います。なので、本当に厳しい処罰を求めたいですし、これは彼だけの話ではないはずです。同調して(デマを)拡散したり、お金で応援する人がいるからこうなっている」
仁藤夢乃 Colabo代表「(一審に続いて二審でも暇空氏に)220万円の支払が命じられたのは名誉毀損訴訟としては高額とのことですが、その暇空はColaboと戦う名目で(計)2億円以上のカンパを集めたと公言していて、彼にとってその程度の賠償は何の痛手にもなりません。(中略)Colaboを攻撃すると注目されて儲かることを暇空の手口から他の加害者たちも学び、(先日敗訴が確定したエコーニュース江藤貴紀氏を始めとして)そうした無法者たちが同様の誹謗中傷動画を作ってカンパを数百万円から数千万円集めることも繰り返されています。なので私たちの被害回復には到底至っていない状況があります。暇空茜は刑事事件で起訴されても、むしろそのことを利用して更なる金儲けをしています。カンパは起訴後に500万円以上増えたと公言しています。で、民事裁判で敗訴して賠償が命じられたり刑事事件の被告になっても、それすらも金儲けの手段になっている。で、差別やデマを生み出して加害すればするほど儲かる。そういう仕組みがある。(今回の220万円の支払命令では)このミソジニーの収益化に歯止めをかける判決にはなっていないと考えております。デマや誹謗中傷の違法行為によって得た利益を回収して被害者に対する賠償額に上乗せするなど、加害者が利益を得られない対策をしなければ、このような被害は無くならないと考えています。デマや差別、ミソジニーの収益化に歯止めをかける議論や法整備が必要です」
こうした説明によって筆者も遅まきながら問題の深刻さをハッキリと認識したわけですが、正直に打ち明けると「暇空茜氏にカンパする支持者」の存在について筆者は当初は半信半疑でした。順を追って説明すると、暇空茜氏のColaboに関する情報発信が荒唐無稽なデマである点について筆者が言及し始めたのは2023年1月と比較的早かったです。ただ、荒唐無稽さを十分に理解していたからこそ、そうした人物に億単位のカンパが集まることはなかなか信じられませんでした。要は、あたかも支持者が多くいると見せかけるために暇空氏がカンパ金額を大幅に水増ししている可能性が高いと侮っていました。
しかし、最重要訴訟の一審(2024年7月18日)および二審(2025年4月17日)の判決に現地参加したところ、明らかに暇空茜氏の支持者(いわゆる「暇アノン」)と見られる人物たちを繰り返しこの目で目撃。その挙動を観察した結果、(計2億円という金額の真偽は依然として不明なものの)「暇空茜氏にカンパする支持者は実在する」と考えを改めるに至りました。

前後の言動等から判断して暇空氏の支持者と見られる複数名を初めてこの目で見れたこと。
本当に実在するのか半信半疑でしたが、行動を観察している中で腑に落ちるような発見も幾つかありました。
今回のニュースレター本編では、こうした裁判所での出来事をつらつらと共有したいと思います。
本編の目次
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一審判決時の出来事
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二審判決時の出来事
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支持者の規模感
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