【独自】人権侵害・虐待を引き起こしたESAT-J当日マニュアル

英語スピーキングテスト(ESAT-J)で都立高入試の公平性を破壊した東京都教育委員会。試験当日に続出したトラブルの背景が開示請求で新たに発覚。
犬飼淳 2025.11.19
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この記事を書いた理由

  • 英語スピーキングテスト(ESAT-J)の都立高入試 合否判定への活用は、入試の公平性を破壊するほど多くの問題を抱えている

  • しかし、東京都の公式発表であればたとえ不正確でも垂れ流す都庁記者クラブの害悪によって、その実態は未だに広く伝わっていない

この記事で理解できること

  • 開示文書(当日マニュアル、職員への通知)から読み取れる、試験当日にトラブルが多発した背景

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英語スピーキングテスト(以降「ESAT-J」)は都立校入試の公平性を粉々に破壊しただけでなく、もはや中学生への人権侵害・虐待の域に達している問題は3年近くにわたって繰り返しお伝えしてきました。

*ESAT-Jの前提知識が無い場合、theletter「高校入試の「公平性」を破壊するESAT-J 問題の全体像」(2022年11月30日)を適宜参照ください。同記事は1年目の状況に基づいていますが、4年目を迎えた現在も大半の問題は放置されたまま

この欠陥テストを強硬に進めているのが東京都教育委員会(以降「都教委」)。その中でも、グローバル人材育成部 国際教育企画課(以降「所管部門」)は、一連の入試破壊・人権侵害の実行犯に当たる組織です。

都教委は完全に倫理観のタガが外れていることに関連して、試験当日の運営は年を重ねる毎に改善するどころかむしろ悪化している面すらあります。現に昨年(2024年)11月24日に実施された3年目の試験では、人権侵害・虐待に相当する新たな事案が以下の通り複数発生。

  • 運営の不手際で試験開始が遅延した上に教室に鍵をかけて中学生を数時間も軟禁

  • 運営の不手際で試験が予定時刻に開始されず、何の説明も無いまま中学生を5時間も待機させた挙句、結局試験は当日に実施されず再試験扱い

  • 試験監督のミスで試験開始タイミングにバラツキが生じたにもかかわらず、すでにスタートボタンを押していた中学生は再試験扱いに。さらに、スタートボタンを押していなかった中学生は別室で改めて試験を受けたにもかかわらず、なぜか結局は再試験扱い

*詳細は末尾の参考資料「ESAT-J入試活用中止の緊急要請書」参照

さらに、会場責任者が報告内容を露骨に改ざんしてトラブルを隠蔽していた実態が、試験監督の内部告発で発覚。

  • 多発したタブレットの不具合数をゼロに書き換え

  • 特記事項にトラブルに当たる内容が記載されていた場合は、消しゴムで消す

*内部告発の詳細は上記動画の18分25秒~29分36秒で視聴可能

ここまでくると、試験当日に向けた教育や連絡内容に根本的な問題があることに加えて、トラブルは報告するのではなく隠蔽するという共通認識が関係者全体に浸透していることは確実。目前に迫る今年(2025年11月23日)の試験でも同じ過ちが繰り返されることが強く懸念されます。

そこで今回のニュースレターでは、筆者が開示請求で新たに入手した行政文書(当日マニュアル、運営協力職員への通知内容等)から垣間見えた背景について詳しくお伝えします。

本編の目次

  • 人権侵害・虐待に繋がった当日マニュアルの中身

  • 会場でトラブルが起きても都教委職員は傍観するだけだった背景

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