デマの時代に禍根を残す、Colabo対自民浅野文直市議 名誉毀損訴訟一審の不当判決

若年女性支援の活動を続けるColaboへの自民党・浅野文直川崎市議による事実無根のデマ攻撃の名誉毀損訴訟。一審判決(2025年11月13日 東京地裁)結果を判決文に基づいてお伝えします。
犬飼淳 2025.11.16
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*デマによる誹謗中傷が社会問題化する昨今、重要性が非常に高いと判断したため公開直後から無料読者にも全文を公開します

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この記事を書いた理由

  • Colaboに対する攻撃の本質は「Colabo側の税金を投入した事業の不正」ではなく、「デマの拡散によって収益をあげる誹謗中傷ビジネス」である

  • 日本では名誉毀損訴訟の賠償額が比較的少ないことを背景に、加害者側はたとえ敗訴しても賠償額以上にカンパ等で収益を得ており、もはや司法制度すらも毀損している。さらに一部の政治家はデマを選挙での集票にまで悪用している

この記事で理解できること

  • ある名誉毀損訴訟で将来に禍根を残す恐れがある不当判決が下ってしまったこと

  • その不当判決が、デマによる誹謗中傷が激化する現代日本にどのような悪影響を与える恐れがあるのか

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約3年前(2022年8月前後)に始まった、若年女性支援の活動を続けてきた一般社団法人Colabo(以降「原告」と記載する場合あり)に対する事実無根のデマ攻撃。関連訴訟は概ね1年~1年半で一審判決を迎えているため既に大勢が決していた中、例外的に2年半という異例の長期戦となっていた訴訟が11月13日に東京地裁でようやく一審判決を迎えました。原告が2023年4月に自民党 浅野文直 川崎市議(以降「被告」)を名誉毀損で訴えた損害賠償請求訴訟(以降「本訴訟」)です。

判決では他の関連訴訟と同様、Colaboに不正があったかのような情報発信は悪質なデマであることを多数認定。しかし、他の関連訴訟とは異なり不当判決と指摘せざるを得ない内容も残念ながら含まれていました。

*判決当日の原告による説明は上記YouTube動画で視聴可能

今回のニュースレターではそうした問題意識に基づいて、本訴訟の一審判決文の意味や今後想定される悪影響を整理していきます。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、8823文字あります。
  • 本訴訟の概要
  • 不当判決で懸念される悪影響
  • 不当判決の根本原因
  • 一貫性に疑問符が付く判決文

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