役人の隠蔽(7)公然の事実「首相会見の質問事前提出」を嘘で隠す官邸と記者クラブ
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この記事を書いた理由
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行政文書の開示請求は、国民の「知る権利」を守る重要な手段である。行政機関(官公庁、自治体 等)の情報公開の透明性が落ちた昨今、その重要性は一段と増している
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しかし、あり得ない理由で開示請求を妨害する事例が後を絶たず、役人にとって不都合な情報は容易に隠蔽されている
この記事で理解できること
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官邸報道室が「首相会見で事前提出された質問」を存在しないと主張した経緯
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首相会見の質問事前提出に対する内閣記者会の認識
「役人の隠蔽」に焦点を当てたシリーズ企画の第7回として、首相会見の質問事前提出を取り上げます。
周知の通り、同会見で岸田文雄総理は前任者(菅義偉氏、安倍晋三氏)と同様、事前に用意した原稿を読み上げるだけで回答を済ませる姿が目立ちます。誰がどう見ても、質問が事前提出されていないと不可能な芸当です。首相会見の中継を観たことがある国民にとっては、記者クラブ(内閣記者会)の質問事前提出はもはや公然の事実と言える状況です。
現に、筆者は第2次安倍政権時代の総理番経験者から証言を得て、内閣記者会が粛々と「業務」として質問を取りまとめて質問内容の事前調整すら行っていた実態がすでに明らかになっています。
*質問事前提出プロセスの詳細は2023年1月3日に配信済みの以下ニュースレター参照
筆者のように質問を事前提出していないフリーランスが指名されることはゼロではありませんが、極めて稀。昨年8月から継続的に同会見に参加する筆者の場合、計8回の参加で指名は昨年10月の僅か1回。
一方、内閣記者会常勤幹事社19社は指名の大半を占めますが、一般国民の感覚と乖離した権力者目線で表面的な質問が非常に多いです。そのため首相会見は形骸化し、国民の知る権利を侵害し続けています。多くの国民が「劇団記者クラブ」「台本ありきの茶番会見」等と揶揄するのも無理はありません。
*指名の偏りの定量的検証は、2022年12月16日に配信済みの以下ニュースレター参照
こうした状況を改善するため思案した結果、いわゆる「台本」の存在を浮き彫りにできれば官邸と内閣記者会の癒着もさらに明らかになると考え、筆者は今年7月に開示請求を実施。具体的には、内閣記者会が「事前に提出した質問内容」と「会見での質問内容」を比較して、ほぼ100%一致することを証明できれば、少なくとも質問に関しては事実上の「台本」の存在を証明できると考えたのです。
ところが、完全に予想外の決定が下ります。官邸報道室は、首相会見前に事前提出された質問を「不存在」を理由に不開示決定。どう考えても「存在」する内容を堂々と「不存在」と主張したため、この決定には目を疑いました。
*筆者同様に不開示決定を疑問視する反応の数々は、上記ツイートのリプライや引用RT参照
その後、不存在と主張する理由を官邸報道室に確認した結果、今回の不開示決定の異常性はさらに浮き彫りに。また、質問を事前提出した側である内閣記者会の認識も確認した結果、国会答弁との整合性を完全無視してまで官邸報道室の嘘に加担する姿勢も鮮明になりました。
今回のニュースレターでは、大胆な嘘をついてまで「首相会見の質問事前提出」という周知の事実から逃げる官邸報道室と内閣記者会の実態を詳しくお伝えします。
本編の目次
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開示請求の経緯
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ひたすら説明から逃げる官邸報道室
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官邸の嘘に加担する内閣記者会
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官邸の嘘を証明する総理の国会答弁
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