初の著書「インボイスは廃止一択」出版のお知らせ

今年5月20日発売予定の初めての著書について告知します。
犬飼淳 2024.04.19
誰でも

突然のお知らせですが、来月(5月20日)に初めての著書が出版されます。

タイトルは「インボイスは廃止一択」。約2年間にわたって制度の問題点を広く、深く報じ続けてきた自らの経験に基づき、インボイスは廃止一択である理由をあらゆる角度から指摘する内容です。

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出版が1年遅れた経緯

すでに制度開始から半年以上が経過した中、「なぜ、このタイミングなのか?」と疑問に思われた方もいると思うので、経緯をご紹介します。

実は、本書の出版は当初の目論見より1 年近く遅れています。当初は、当然ながら何としても昨年(2023年)10月1日の制度開始よりに問題点を指摘した書籍を出版したいと考え、同年4月頃から多くの出版社に打診を続けたものの、遂に実現しないまま制度開始を迎えてしまいました。

なぜかと言えば、「自らも書き手にインボイス登録を依頼する立場になるため、制度を否定するテーマは扱いにくい」という理由で多くの出版社が尻込みしたからです。結局、筆者としては本書の内容の大半を昨年(2023年)5月までに執筆済みだったものの、出版社が見つからないために1年ほど塩漬けになってしまいました。

最終的にはリスク覚悟で出版して頂ける出版社(皓星社)と今年(2024年)1月にようやく巡り会えたものの、インボイス制度はすでに開始した。そのため、すでに実害を被り始めた方々にとって本書の内容は今さら感があるかもしれません。しかし、逆に言えば制度開始前にここまで具体的に問題点が指摘され尽くしていたにもかかわらず、政府も大手メディアも黙殺した事実を本書が証明しているという見方もできます。

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インボイス関連書籍の状況

2024年4月現在、インボイスがタイトルに含まれる書籍は他にも多数あります。しかし、以下の検索結果で表紙をざっと見れば分かる通り、それらは全てインボイス制度の継続を前提としたハウツー本です。そして、政府が主張する偽りの導入根拠(「複数税率下での適切課税にインボイスは必要」「免税事業者には益税があるので税の公平性のためにインボイスは必要」など)が概ね肯定的に論じられています。

「インボイス 本」でgoogle検索した結果画面(2024年4月17日時点)

「インボイス 本」でgoogle検索した結果画面(2024年4月17日時点)

このような状況では、最近になってインボイス制度に関心や疑問を抱き、せっかく本で調べようと思い立った層に対して、制度の実態が正しく伝わりません。それどころか「インボイス制度自体は面倒臭いけど、妥当な導入根拠があるならば従うしかないか・・」という誤解に基づいた諦めがさらに広がってしまいます。

そこで、本書はこうしたハウツー本とは一線を画し、インボイス制度は一刻も早く廃止すべき欠陥品であることを包み隠さず指摘しています。本書が書店でいわゆる「平積み」や「面陳列」のように来店客の目にとまりやすい形で販売されれば、インボイスの実態が広く知られるきっかけになることでしょう。

*平積み:場所を通常の棚から台などに移して、表紙が見えるように上に積み上げて陳列すること

*面陳列:場所は棚のままだが、背表紙ではなく表紙が見えるように向きを変えてスペースを広くとって陳列すること

昨年10月にインボイス制度開始が強行されたことによって、インボイス廃止のハードルがさらに一段高くなったことは残念ながら事実です。しかし、本書をきっかけに再びSTOP!インボイスの機運が高まれば、将来的なインボイス廃止の実現に繋がる可能性があります。

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注意点

ただ、本書には他にも様々なハードルが課されています。

確実視される大手メディアの黙殺

本書では、百害あって一利なしの制度であるインボイスを止められなかった背景にも様々な角度から具体的に言及しています。その筆頭格は大手メディアです。

*この「大手メディア」は、テレビであれば在京キー局と在阪準キー局、新聞であれば全国紙(読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、日経新聞)とブロック紙(中日新聞、北海道新聞、西日本新聞 等)を指すイメージ。要は、ローカル局や地方紙にはまともな報道は僅かにあったが、大手メディアは最後までまともな報道がほぼ皆無だったため

いわゆる「絵になるイベント」を除いて現場に現れない一方、政府が主張する偽りの導入根拠だけはご丁寧に垂れ流し。挙句の果てには当事者は声優など一部の業界であると矮小化する報道まで行い、誰もが当事者であるという実態に一般市民が気付くことを妨害。こうした大手メディアの「報道」とはかけ離れた「市民運動の妨害」は、もはや後世のために記録として残すべきレベルであると筆者の目には映りました。従って、本書ではこうした悪質な妨害行為に加担した面々について、所属組織・役職・氏名を具体的に記載しています。

必然的に本書は、インボイス反対運動以上大手メディアから徹底的に黙殺されることが確実視されます。

出版社の企業規模と関連した、書籍入手の難しさ

本書の出版社である皓星社(こうせいしゃ)は1979年創業で45年の歴史があるものの、従業員は代表取締役を含めて全7名。そのうち専任の営業担当は1名。少数精鋭で魅力ある本を出版し続けているものの、営業に割けるリソースは限定的です。

そして、昨今の出版不況も関連して、本書の初版部数は2000部の予定です。出版社による営業目的の利用(200部と仮定)を差し引くと、消費者向けに流通するのは1800部。1店舗あたりの仕入数をざっくり5冊と仮定すると、本書が売場に並ぶのは360店(=1800 ÷ 5)程度でしょうか。

何が言いたいかというと・・、以下3つのいずれかに当てはまった書店を除いて、本書はほとんど流通しないことが見込まれます。

  • 大規模店

  • 1名の営業担当を中心とする営業努力が実った書店

  • インボイスや消費税への問題意識がもともと強い書店

統計によると日本の書店数は8478店 (2022年時点の坪あり店舗数)。従って、本書が置かれるのは単純計算で約24店(=8478÷360)に1店の割合です。発売日(5月20日)以降にフラッと立ち寄った書店で本書を探しても、見つかる確率は極めて低いです。

ちなみに、昨今の出版不況によって新刊の増刷が無いことも多いそうです。初めての書籍出版となる筆者には参考となる過去の売上実績が無いため、出版社や書店は増刷や仕入の判断をさらに慎重に行うでしょう。あまり考えたくありませんが・・、序盤の売れ行きが伸び悩んだ場合の最悪のシナリオとしては、初版(2000部)のみで販売終了の恐れもあります・・。

本書を読みたいと思っても、自ら能動的に動かないと入手すら難しいのです。

***

インボイス廃止を実現するためのお願い

ここまで説明した前提を踏まえて、以下のいずれかに当てはまる場合は、これ以降に時系列で整理したお願いにご協力頂けると幸いです。

  • 純粋に本書を読みたいと思った!

  • インボイス廃止を実現したい!

本日(4月19日)〜5月2日頃 本書を予約

<最寄りの書店や応援している書店がある場合>

最寄りの書店や応援している書店で本書を予約するようにお願いします。細かな予約方法は書店によって異なるので、各書店にご確認ください。4月17日時点で業界団体への登録などは完了しているため、以下の書籍情報を伝えれば予約可能です。

タイトル:インボイスは廃止一択 消費税の噓がよくわかる本
著者:犬飼淳
出版社:皓星社
発売日:2024年5月20日
ISBN:978-4-7744-0827-9

メインタイトル(インボイスは廃止一択)と発売日だけでも十分に特定可能と思いますが、念のためISBNも控えて頂ければさらに確実です。万が一、それでも書店員が本書を特定できない場合は、版元ドットコムに書店向けの注文情報がまとまっているので、スマホ等に表示して書店員にお見せ下さい。

販売価格は2200円です。近年は紙の価格も上がっているそうで・・、販売価格も釣られて上がっている点は何卒ご理解下さい。

*消費者が書店に支払う金額の合計が2200円という意味です。内税や外税は考え方自体が不正確に思うので、そうした表記は避けています

書店の立場になって考えると、早い段階で本書の需要の大きさを確認できれば、多めの仕入をするという判断もしやすいでしょう。その結果、「平積み」「面陳列」を通して来店客に問題意識が広がる可能性は高まります。従って、予約(≒書店に対する本書需要のアピール)は今後2週間(4月19日〜5月2日頃)以内に速やかに行って頂けると幸いです。

当然ながら5月3日以降も予約可能ですが、印刷・物流などのリードタイムを考慮するとゴールデンウィークに本格突入する前に予約した方が確実に入手できるはずです。

<最寄りに書店がない場合>

海外在住であったり、国内在住であっても身近に書店がない場合は、各ECサイトでも予約可能です。楽天Amazonなど主要なサイトでは既に取り扱いを開始しています。

ただ、インボイス廃止の実現に繋げたいという意思をお持ちの方は、やむを得ない事情がある場合を除いて、先ほど案内した通り「平積み」「面陳列」の可能性を少しでも引き上げるため書店予約を優先するようにお願いします。

5月20日以降

<本書を購入・購読した場合>

5月20日の発売日以降にめでたく本書を入手して読み終えたら、やって欲しいことが2つあります。

  • ハッシュタグ #インボイスは廃止一択 をつけて、本書の率直な感想をSNSで発信する

  • 本書の率直な感想を口コミで広める

大手メディアの完全黙殺が確実視される中、1点目(SNS)は非常に重要です。肯定的な意見も否定的な意見も率直に共有して頂けると幸いです。また、書名自体が「インボイスは廃止一択」という強烈な意思表示を兼ねるので、ハッシュタグをつけた書評レビューが自然とSNSデモに発展していく可能性もあると考えています。

一方、SNSをやらない方も相当数いるので、2点目(口コミ)もあわせて重要です。身近にインボイス制度について不満は感じているけれども、制度の問題点には気付いていなそうな方がいたら、ぜひ本書をご紹介ください。もしくは、人に薦めるのは心理的ハードルが高いという場合は、カバーを外した状態で電車やカフェで読むだけでも周知に繋がるように思います。なんといってもタイトルが強烈なので・・。

<本書を購入できなかった場合>

書籍にお金をかける余裕がなく本書を購入することは難しい場合であっても、インボイス廃止に向けてできることがあります。最寄りの図書館に本書を取り扱ってもらうように要望(リクエスト)するのです。

*細かな手続き方法は図書館によって異なるので、各図書館にご確認下さい

同様の要望が多ければ取り扱いの可能性は高まり、出費を最低限に抑えながら本書を読めます。貸出回数が多ければ図書館で目立つ場所に置かれて、より多くの一般市民に問題意識が広がるでしょう。

***

本の中身

最後に、本書の中身を章ごとに簡単に紹介します。

第1章 2023年10月、密かに始まった増税

インボイスの本質は「弱い立場への税の押し付け合い」であること、全ての国民に悪影響が連鎖することを始め、大前提となる知識を図解中心に紹介

第2章 増税を強いられる業界は無限大

農業、物流、建設など様々な業界への悪影響を、2022年11月〜2023年3月の超党派議連ヒアリングでの当事者の生々しい声を中心に紹介

第3章 サラリーマンの経費精算は大混乱、経理も疲弊

悪影響はフリーランスだけでなく会社員にも及ぶこと、特に経理部門が深刻な悪影響を受けることをアンケート調査などに基づいて紹介

第4章 導入根拠も益税も真っ赤な噓

インボイスにまともな導入根拠は存在せず単なる増税であることを国会質疑、首相会見、裁判所判例など多数のエビデンスに基づいて立証

第5章 増税の強力なサポーターたち

本来の役割を放棄してインボイス増税を後押しした大手メディアとフリーランス協会の裏切り行為の数々を多数のエビデンス(関係者証言など)に基づいて告発

第6章 ことごとく的外れな政府の対策

6年後に無くなる負担軽減策、不公正な取引排除を黙認する公正取引委員会などの実態を、省庁の個別レクに自ら同席した経験に基づいて紹介

第7章 制度開始直前の1ヶ月半におきた奇跡と失望

オンライン署名の国内最多記録を大幅に更新する54万筆を集めたことを始め、怒涛の展開となった2023年8月後半〜9月の出来事を時系列で振り返り

第8章 予想された通りの制度開始後の混乱

制度開始に繰り返し指摘された問題が、制度開始後1ヶ月で次々と現実になったことをアンケート調査などに基づいて紹介

2年前から継続的に本ニュースレターの読者だった方は気付いたかもしれませんが、1章〜6章は2022年4月〜2023年5月に本ニュースレターやSNSで指摘済みの論点を再編集・加筆しています。完全書き下ろしと言えるのは7章以降。特に7章は、STOP!インボイスから新たに様々な情報提供を受けたこともあり、当時何が起きていたのかを客観的に俯瞰でき、本書の見どころと言える内容に仕上がったと自負しています。当初目指していた制度開始前の出版は叶わなかったものの、この7章を追加できたことは出版が1年近く遅れたことによる思わぬ利点となりました。

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ちなみに本書の売上の一部はSTOP!インボイス(正式名称:インボイス制度を考えるフリーランスの会)に寄付する契約になっています。以下ポストの通り、活動が長期化する中でSTOP!インボイスは活動費の問題に直面しているからです。

STOP!インボイス
@STOPINVOICE
【寄付ご協力のお願い】先日の新宿での署名集めでは、今後も必要となるであろう音響機材を購入しました。CUBE STREET…
2024/04/10 16:41
159Retweet 292Likes

つまり、本書を購入することは、2つの意味でインボイス廃止の実現に繋がるということです。

  • 書店に対して本書の需要の大きさが伝わり、「平積み」「面陳列」など来店客の目にとまりやすい形で販売される可能性がある。その結果、インボイスの実態に気付いていない層に問題意識が広がる

  • 売上の一部がダイレクトにSTOP!インボイスの活動費になるため、より充実したイベントや調査の実施に貢献できる。その結果、世論喚起の可能性も高まる

つきましては、本書の書店での購入(事前予約)を改めてご検討頂けると幸いです。

2024年4月19日 犬飼淳

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2024年4月25日追記

表紙カバーと帯文が確定したので表側の表紙だけ公開します。

表紙カバー(帯文ありバージョン)

表紙カバー(帯文ありバージョン)

実は、裏表紙では外税表記を逆手にとって消費税の誤解をインパクトのある方法で指摘しています。その点は、ぜひ発売後に本書を手にとってご確認ください。

・政策や報道の問題点を検証
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