【独自】神宮外苑樹木伐採開始の意思決定プロセス
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この記事を書いた理由
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神宮外苑再開発をめぐって、2024年10月28日についに樹木の伐採・移植が開始してしまった
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問題点を指摘し続けた日本イコモスへの回答を拒んだまま、あえて衆院選に重ねて事業者が工事を開始した事実が示す通り、事業者の伐採計画には多くの問題があり、自治体(東京都、新宿区等)の認可プロセスの正当性にも疑問符が付いている
この記事で理解できること
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開示文書100枚が示す、10月25日に認可された樹木伐採の意思決定プロセス
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認可された申請の中身(なかなか認可されなかった初回案よりも認可された今回案の方が伐採本数・移植本数・伐採面積が軒並み増加していること 等)
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初回(2023年2月28日)と今回(2024年10月21日)の申請の変更点(伐採本数増加を目立たなくするために事業者が行なった小細工 等)
3つの観点(環境破壊、景観破壊、スポーツ文化破壊)で多大な被害を及ぼす上、東京都や事業者の進め方にも多くの問題を抱える神宮外苑再開発。
本ニュースレターでは1年半にわたって10回以上にわたって継続的に取り上げてきましたが、先月ついに大きな動きがありました。10月28日に樹木の伐採・移植がついに開始してしまったのです。
*当日の抜粋映像は以下YouTubeで視聴可
しかも、日本イコモスが数年間にわたって継続的に指摘してきた伐採・移植の杜撰さについて、ついに事業者は回答すらしないまま工事開始を強行した上、あえて衆議院選挙(10月27日投開票)と重ねる日程を選択。事業者の伐採・移植計画には今もなお多くの問題が残されたままであり、自治体(東京都、新宿区等)の認可プロセスの正当性にも改めて疑問符が付きました。
また、この伐採開始をめぐっては奇妙な出来事も起きました。新宿区が10月25日(金)夕方に伐採を認可した直後、同日夜に神宮外苑(建国記念文庫の森周辺)に事業者の工事車両が続々と集結。投光器も並び、誰がどう見ても同日夜に伐採が開始される雰囲気に。しかし、なぜか同日に伐採は開始されないまま事業者は撤収し、土日を挟んで3日後の10月28日(月)からの開始となったのです。
*細かな経緯はロッシェル・カップ氏のポスト参照
そこで筆者は、認可および伐採開始をめぐる不可解な経緯の詳細を明らかにするため、伐採開始初日(10月28日)にすぐさま新宿区に以下の内容を開示請求。
2024年10月25日に認可した神宮外苑の樹木伐採申請に関する以下3点の文書又は電磁的記録
(1)同年10月21日の申請から認可までの意思決定プロセス(申請書一式を含む)
(2)10月25日夜に事業者が神宮外苑に集まったが伐採を開始しなかった経緯
(3)伐採開始が10月28日に決定した経緯
幸い開示決定期限の延長は無く、14日後(11月11日)に以下の通り一部の開示が決定。
2024年11月11日 公文書部分開示決定通知書
しかし、残念ながら肝心の工事開始をめぐる不可解な経緯(請求内容(2)(3))については、「着手時期は事業者判断のため新宿区としては把握しておらず、対象文書は不存在」という不可解な理屈で不開示決定。
*現実的に考えて認可を出した新宿区が工事初日を把握していないとは考えにくく、文書交付時に担当職員(新宿区 都市計画部 建築指導課 黒田由香 主査)も「文書は存在しない」という説明だったため、確かに文書は無いのかもしれないが実際には把握している可能性が高い。ちなみに後述の開示文書38枚目に週単位の移植・伐採工程表はあり
ただ、申請から認可までの意思決定プロセス(請求内容(1))については、計100枚の文書が開示され、本日(11月13日)入手しました。これまで神宮外苑再開発をめぐる開示文書は「海苔弁」レベルで完全に黒塗りされてしまうことが多かったですが、幸いなことに今回は印影以外は一切黒塗りされず、100枚分が全て開示。認可された申請内容の中身、初回(2023年2月28日)の申請と今回(2024年10月21日)の申請の変更点などが全て明らかになりました。今回のニュースレターでは、この開示文書100枚を取り急ぎ共有します。
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