【独自】Colabo対自民党川崎市議 名誉毀損訴訟が一審だけで2年半も要した理由
*本件の悪質さを踏まえ、冒頭(被告の悪質性など)は誰でも読めるように公開します。
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この記事を書いた理由
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Colaboに対する攻撃の本質は「Colabo側の税金を投入した事業の不正」ではなく、「デマの拡散によって収益をあげる誹謗中傷ビジネス」である
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日本では名誉毀損訴訟の賠償額が比較的少ないことを背景に、加害者側はたとえ敗訴しても賠償額以上にカンパ等で収益を得ており、もはや司法制度すらも毀損している。さらに一部の政治家はデマを選挙での集票にまで悪用している
この記事で理解できること(冒頭)
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自民党 浅野文直 川崎市議の悪質性
この記事で理解できること(本編)
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双方(Colabo、浅野市議)のほぼ全ての提出書面に基づく、一審の経緯
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一審だけで異例の2年半を要した理由
約3年前(2022年8月前後)に始まった、若年女性支援の活動を続けてきた一般社団法人Colabo(以降「原告」と記載する場合あり)に対する事実無根のデマ攻撃。この問題をめぐっては関連訴訟の数が多過ぎるため、約3年に渡って継続的に取り扱ってきた筆者も全ての訴訟をチェックできているわけではありませんが、かねてより非常に注目していた重要な訴訟が数日後についに東京地裁で判決を迎えます。原告が2023年4月に自民党 浅野文直 川崎市議(以降「被告」)を名誉毀損で訴えた損害賠償請求訴訟(以降「本訴訟」)の一審判決です。
被告の悪質性
筆者が本訴訟に注目していた理由は、水原清晃氏(ハンドルネーム:暇空茜)やエコーニュース江藤貴紀氏など民間人が相手だった他の関連訴訟とは一味異なる悪質さが本訴訟には以下の通り多々あるからです。
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被告は現職政治家という一定の信頼がある立場で情報発信していたため、一般人や匿名アカウントと異なり一般市民が発信内容を信じる可能性はより高く、名誉毀損の度合いも大きい
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被告は2023年4月の統一地方選(川崎市議選)の選挙活動(ポスター、街頭演説等)でも原告へのデマ攻撃を繰り返した。昨今深刻化している荒唐無稽なデマによる選挙での集票の先駆けとも言える
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原告への名誉毀損を通じて被告はX(旧twitter)フォロワー数やYouTubeチャンネル登録者数を伸ばし、国政選挙への挑戦やカンパの呼びかけまで行なっている。つまり、原告に対するデマ攻撃を自らの国政進出の足掛かりとする狙いがあったことが疑われる
▼川崎市議選の選挙活動に関する言動の例
選挙カーに「Colabo疑惑追及中!」と大きく表記。
「不正と闘う」「Colabo疑惑追及中!」と大きく書かれたチラシを配布。
▼国政進出に関する言動の例
2023年2月19日 被告YouTube投稿動画 *本スクリーンショットを原告は証拠(甲45号証)として裁判所に提出
被告は一連の原告へのデマ攻撃で19本の動画を投稿しており、最後の19本目で「Colabo調査の中で気が付いた大きな利権構造」とやらに「対峙するために、国政への挑戦を決意しました」と宣言。
*ただし、その後すでに2回の国政選挙(2024年10月衆院選、2025年7月参院選)が行われたものの被告の国政挑戦は実現せず
他の関連訴訟とは一線を画す、異例の長期化
Colaboへのデマ攻撃をめぐる関連訴訟において、名誉毀損訴訟は概ね1年~1年半で一審判決を迎えています。そのため約1年前(2024年10月)の報告集会の時点で大半の訴訟はすでに一審判決もしくは二審判決まで完了。複数の判決を通して裁判所も本件の異常性を確実に学習し、Colaboに不正があったかのような情報発信は悪質なデマであることを多数認定するだけでなく、その動機(逆恨み、女性差別)まで認定するなど判決文は着実に進化していました。
*当時の報告会は上記YouTubeで視聴可 *判決文進化の詳細はtheLetter「Colaboへの誹謗中傷ビジネス 判決文の進化」(2024年10月5日)参照
要は、Colaboへの一連のデマ攻撃に対する司法判断は約1年前(2024年10月)の時点ですでに大勢が決していたわけです。
その一方で本訴訟は例外的に提訴から一審判決まで2年半という異例の長期戦となりました。ここまで長期化したのは、現職政治家でありながら被告の主張があまりにも荒唐無稽で裁判にも非協力的だったことが挙げられます。
そこで今回のニュースレターでは、Colaboから情報提供して頂いた双方のほぼ全ての提出書面(訴状、原告準備書面6点、被告準備書面11点、証拠約80点等)に基づき、本訴訟の争点や長期化の原因について、スライド12枚を用いて可能な限り直感的・視覚的に整理していきます。
©️2025 Jun Inukai *詳細は本編で説明
©️2025 Jun Inukai *詳細は本編で説明
本編の目次
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原告の提訴内容 ~被告の動画19本によって社会的評価は確実に低下~
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一審だけで異例の2年半と長期化した経緯 ~被告は名誉毀損訴訟の立証構造を理解していない?~
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被告主張の具体例 ~荒唐無稽な主張や責任転嫁を連発~
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被告の本人尋問が実現しなかった理由
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判決を目前に控えたColabo仁藤夢乃代表のコメント
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