Colaboへの誹謗中傷ビジネス 判決文の進化

若年女性支援の活動を続ける団体「Colabo」への暇空茜氏らによる事実無根のデマに対する名誉毀損訴訟。判決を重ねることで着実に裁判所の理解が進んだ過程を、判決文に基づいて整理します。
犬飼淳 2024.10.05
読者限定

*公共性が非常に高いと判断したため、公開直後から無料読者にも全文を公開します

***

このニュースレターはフリー記者の犬飼が「大手メディアが報じない読み応えのある検証記事」を月に4本以上(目安)配信します。皆さんの生活に影響する政策や報道の複雑な問題点を、視覚的に理解できるように工夫したスライドを中心に解説しています。

サポートメンバー登録によって運営されており、利害関係に縛られず取材・検証を日々行っており、総理大臣記者会見にも出席しております。サポートメンバー登録(月額600円〜、いつでも解約可)いただくと、以下の特典を得られます。

  • 100本超の有料記事を過去配信も含めて全て購読できる

  • 記者会見での質問内容をリクエストできる

  • 今後扱ってほしいテーマをスレッドで要望できる

サポートメンバーのおかげで私は継続しての運営が可能になり、より多くの報じられることのない事実を検証することができます。応援いただける方はぜひご登録をお願いいたします。

*ニュースレターの重点テーマ、特に反響が大きかった過去のコンテンツは「概要」を参照ください

***

この記事を書いた理由

  • Colaboをめぐる問題の本質は「Colabo側の税金を投入した事業の不正」ではなく、「デマの拡散によって収益をあげる誹謗中傷ビジネス」である

  • 日本では名誉毀損訴訟の賠償額が比較的少ないことを背景に、加害者側はたとえ敗訴しても賠償額以上にカンパ等で収益を得ており、もはや司法制度すらも毀損している

この記事で理解できること

  • Colabo関連訴訟において、主に3つの観点(デマの真偽、誹謗中傷の動機、誹謗中傷への反撃の妥当性)で裁判所の判決が着実に進化していること

***

若年女性支援の活動を続けてきたものの、直近2年間ほどは事実無根のデマによる誹謗中傷で深刻な被害を受けている一般社団法人Colabo。多数の関連訴訟を抱える中、直近数ヶ月で非常に重要な判決が立て続けに下りました。

Colabo関連事件 暇空茜 黒星表(2024年10月2日時点)

Colabo関連事件 暇空茜 黒星表(2024年10月2日時点)

こうした判決を受けて、Colaboおよび弁護団は10月2日に一連の訴訟の進捗に関する報告記者会見を開催。

*報告記者会見の様子は上記映像で視聴可

記者会見では一連の訴訟を通じて誹謗中傷ビジネスの悪質さ・深刻さに対する裁判官側の理解が着実に深まっている点についても詳しく説明されました。具体的には、以下のような判決が次々と下っているのです。

  • 名誉毀損としては異例の高額賠償を認める判決

  • Colabo側が被告として訴えられた裁判でありながら、逆に原告の暇空茜氏側のデマを11点も認定する異例の判決

  • 暇空茜氏による誹謗中傷の動機に女性差別意識があることを認める画期的判決

そこで今回のニュースレターでは、一連の誹謗中傷ビジネスに対する判決文の進化の過程を整理していきます。

*公共性が非常に高いと判断したため、公開直後から無料読者にも全文を公開します。メールアドレス登録のみで無料で全て読めるので、お気軽にご登録ください。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、6176文字あります。
  • 誹謗中傷の動機は女性支援の妨害と認定(2024年2月5日判決)
  • タコ部屋はデマ、誹謗中傷の動機は自らが好む漫画やアニメへの批判と認定(2024年7月18日判決)
  • 「暇アノン」は侮辱ではないと認定(2024年9月18日判決)
  • 名誉毀損としては異例の高額賠償を認定(2024年9月24日判決)
  • 11件のデマ、動機は女性差別であることを認定(2024年9月26日判決)

すでに登録された方はこちら

提携媒体・コラボ実績

サポートメンバー限定
【衆院選2024】若者心理を悪用した白票キャンペーンの記録
読者限定
国立大学法人法改正案を逸脱した、財界の京都大学私物化
サポートメンバー限定
【独自】横浜市教委 傍聴妨害の新事実(3)  ~報告書から消された重大...
読者限定
Colabo対エコーニュース 名誉毀損訴訟 一審判決の成果と課題
サポートメンバー限定
東京大学の学費値上げは本当に必要?(2) 財務分析
読者限定
東京大学の学費値上げは本当に必要?(1)
サポートメンバー限定
【独自】なぜ横浜市教委は不祥事の隠蔽が多発するのか?(2)
読者限定
TBS「報道特集」が死んだ日 「連れ去り勝ち」捏造のために番組構成が破...