【文字起こし】れいわ新選組 山本太郎 選挙区発表記者会見 2022年5月20日

れいわ新選組 山本太郎代表が遂に参議院選挙の出馬選挙区を初表明した会見の内容を文字起こしします。
犬飼淳 2022.05.20
誰でも

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こんにちは。犬飼淳です。

2022年5月20日、れいわ新選組 山本太郎代表が記者会見を開き、ついに参議院選挙で自らが出馬する選挙区を明かし、以下2点を発表しました。

  • 山本太郎代表は「東京選挙区」から出馬

  • よだかれん氏(先月に東京選挙区の候補者として発表済み)は全国比例の候補者にまわる

今回のニュースレターでは、約1時間に及んだ会見のうち、東京選挙区出馬の判断理由や経緯などが明らかになった前半 約22分間のやり取りを文字起こしします。

*後半 約40分間を含む全編の文字起こしはれいわ新選組が公開しており、全文を把握したい場合は参照ください。

*筆者が撮影した360度カメラによる広角映像(記者席を含む参加者全員の挙動を捉えたノーカット映像)は下記Youtubeで公開中


表記の注意事項

  • 発言者名は【】で囲んで記載する

  • 筆者が重要と判断した箇所は太字で記載する

  • 用語解説や背景知識が必要な場合は * で補足説明する

  • 現地の様子は適宜( )で補足説明する

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文字起こし

(開始30分前から報道陣の入室が許され、記者・カメラマンが続々と準備を進める。用意された72席(12席×6列)のうち、6割程度は埋まるほど大勢の記者が詰めかけた。特に前方2列は空席がほとんど無いほど記者がビッシリと着席)

会見開始10分前の様子。この時点で座席の半分程度は埋まり、会見開始時には6割程度まで増えた。(360度カメラによる広角撮影 犬飼淳)

会見開始10分前の様子。この時点で座席の半分程度は埋まり、会見開始時には6割程度まで増えた。(360度カメラによる広角撮影 犬飼淳)

(開始予定時刻の13時0分を数分過ぎて、山本太郎代表が入室。着席後すぐに会見が始まる)

【高井崇志 幹事長】はい。それではお待たせしました。山本太郎の不定例記者会見を始めたいと思います。代表からよろしくお願いします。

会見開始直後の様子。iPadを開いて着席する山本代表(中央)と司会の高井幹事長(右手) (撮影 犬飼淳)

会見開始直後の様子。iPadを開いて着席する山本代表(中央)と司会の高井幹事長(右手) (撮影 犬飼淳)


【山本太郎 代表】お忙しいところ足を運んで頂いて、ありがとうございます。今日の不定例会見の内容は山本太郎がどこから出るのかということでお話させて頂きます。れいわ新選組 山本太郎、今回の参議院選挙、6月22日からの参議院選挙、選挙区から出ることを事前に皆さんにお伝えしていました。選挙区、どこになるかってことなんですけど、東京です。東京から出ます。

(記者からは驚きの声、一報を連絡するためのタイピング音が一斉に響き渡る)

【山本太郎 代表】つまり、何かと言いますと、差し替えです。候補者の差し替え。もともと皆さんに事前にお伝えしていたのは、東京選挙区からは、依田花蓮(よだかれん)という話でお伝えしていましたが、差し替えで、山本太郎が東京から出させて頂くということになります。ここで依田花蓮さんにも来て頂きたいと思います。(後方で待機していた本人に向かって)依田さん。いいですか?

(スタッフが山本代表の左手に椅子を1つ追加。後方から移動した依田花蓮氏、記者席に向かって深く一礼してから着席する)

【山本太郎 代表】皆さんには東京選挙区ということでご案内しておりましたが、依田花蓮は全国比例ということで今回の参議院選挙に立候補予定者として登録させて頂くことになりました。もともと依田さんと私との間では、東京がいつまでも空いているままではマズイので、依田さんがまずはエントリーして頂いて、後ほどそこを入れ替わってほしいという話をしておりました。これは依田さんに対して非常に大変な思いをさせてしまったということですね。その間、東京選挙区の候補者としての動きがほとんどとれない。最終的には全国比例にまわるということですから、比例としての候補者としての動きもできない。かなり苦しまれたと思うんですけど、そのことに対して。お詫び申し上げたいと思います。

(山本代表、隣に座る依田氏に着席したまま頭を下げる。依田氏は笑顔で会釈しながら応じる。)

遅れて入室した よだかれん氏の隣で、経緯を説明する山本代表(撮影 犬飼淳)

遅れて入室した よだかれん氏の隣で、経緯を説明する山本代表(撮影 犬飼淳)

【山本太郎 代表】ありがとうございます。依田さんから全国比例の候補者として意気込みと言いますか、皆さんにメッセージをよろしくお願いします。

(依田氏、笑顔で隣の山本代表からハンドマイクを受け取り、喋り始める。)

【依田花蓮】(笑顔で元気に)皆さん、こんにちは! 東京選挙区からということで、皆さんの前でお話をさせて頂きましたが、今日改めて全国比例ということで報告させて頂くことになりました。私のことを東京選挙区から出ると思って、応援する・・と、言って下さった皆さんには・・、

(依田氏、冒頭は元気に話し始めたが、「東京選挙区から出ると思って応援」のくだりから明らかに涙声になる)

【依田花蓮】あの・・、このことをずっと言えなくて、本当に申し訳ありませんでした。(記者席に向かって着席したまま頭を下げながら)メディアの皆さんにも本当に申し訳ありませんでした。 (大きく息を吐いて、3秒ほど沈黙) 今日、太郎さんからこの場に同席させて頂けることになって、ものすごくホッとしています。これから・・、全国の皆さんに、改めて れいわ新選組の平仮名5文字「よだかれん」、知って頂いて、ご注目いただけるように、(再び笑顔で元気に)存分に! I’m free! という形で飛び出していきたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。(隣の山本代表に向き直って)今日はこのような貴重な場を設けて頂いて、ありがとうございます。

【山本太郎 代表】とんでもないです。ありがとうございます。ちょっと依田花蓮は出遅れる形になりましたけども、しばらくの間、山本太郎と一緒にジョイントしながら街宣もお付き合い頂こうと思います。というわけで依田さん、すいません。(隣の依田氏に着席したまま頭を下げながら)ありがとうございます。わざわざ。はい。依田花蓮でした。

(依田氏、隣の山本代表に笑顔で会釈しながら席を立ち、退室する)

(この後に始まる質疑応答に依田氏は同席しなかったため、依田氏本人に記者が質問することは不可能な状況となる)

【山本太郎 代表】では、私、山本太郎が東京選挙区から出ることはまずお伝えさせて頂いたんですけども、皆さんから質問頂いた方がいいですかね。どうでしょう。先にそのような形で進めていった方が皆さんも記事とか書きやすいですよね。じゃあ、そうしましょうか。どなたか、あれば。手を挙げて頂ければマイクを渡します。

(会見開始からわずか4分で質疑応答が始まり、記者たちは不意をつかれたのか手が挙がらない。筆者は360度カメラによる撮影がしやすい位置を優先したため、通常は指名されにくい最後方に座っていたが、真っ先に挙手したため幸運にも最初に指名される)

【高井崇志 幹事長】(1人だけ挙手していた犬飼を指差しながら)はい。では、お名前と会社名もお願いします。

【フリー 犬飼淳】フリーランスの犬飼と申します。よろしくお願いします。1点だけ確認させて下さい。今の説明だと、最初から山本代表は東京選挙区から出る予定であったと。依田花蓮さんにもそのように説明したと私は認識しました。しかし、4月、衆議院議員辞職を伝えた記者会見では「既にれいわから選挙区に候補者を立てたところには山本代表は出ない」と明言されたと私は記憶しています。それは、嘘というと言い過ぎかもしれませんけども、何か考えが変わったということなんでしょうか?

【山本太郎 代表】嘘ではありません。もちろん私自身が東京選挙区から出る可能性というのはあったわけですね。もちろんそれ以外にも東京選挙区、東京っては各党が候補者を出す大きな選挙区ですよね、ここにおいて一定の知名度がある方、そういう方に私自身もこれまでお話させて頂きました。そういうこともありました。なので山本が確定ということでの東京選挙区というつもりでお話をしていたわけではないです。で、「差し替えについてあるか」というような質問、おそらく当時、フリーの畠山さんから、フリーの方ほど鋭い質問されるんですね。というお話がありましたけども、「これは無い」と一蹴した覚えはございません。「今のところ、そのような考えだ」と前置きをしているはずです。

*筆者注 約1ヶ月前(4月15日)の衆議院議員辞職を表明した会見で山本代表は、フリーランス畠山理仁記者からの候補者差し替えを問う質問に対して、「差し替えは今のところ検討してません。で、差し替えなきゃいけない理由っていうのは今のところないので。今のところはそういう状態です。」と回答している。確かに「今のところ」という前置きがなされており、筆者が今回の質問中に「明言された」と断定したのは、やや不正確であった。問題の4月15日 会見の全文はれいわ新選組 公式の文字起こしを参照ください。

【山本太郎 代表】私自身が東京選挙区以外にも可能性のある部分、自分自身の選挙区について、当然いろいろとリサーチはしました。で、今回の選挙に関しては一か八かというような戦いをする状況ではないという結論に至ったというわけですね。頭の中では当然、東京という選挙区はあるわけです。で、一方でその他にも可能性があるところのリサーチは行ってきました。で、最終的に東京選挙区というところに落ち着いた。これは3000サンプルを超える調査を行った結果ですね。これは間違いなく当選のラインに絡んでこれる状況であろうと。調査の結果として私たちとしては、私自身が東京選挙区に立つということですね。もともと自分の頭の中にあったものをエビデンスをもとに決めていくという作業で落ち着いたということでございます。一方で、この東京選挙区を空けたままではマズいわけですね。やはり。全ての政党が候補者を出す選挙区において、誰も立ってませんという状態はマズい状態です。そういった意味でも花蓮さんに、最終的には全国比例になる可能性が非常に高いけども東京選挙区でエントリーしてもらえないかという話をさせて頂いた。で、花蓮さんにはそれをご快諾頂いたという流れです。

【フリー 犬飼淳】ありがとうございます。よく分かりました。1点だけ。先ほど依田花蓮さん、泣かれていたように、涙ぐんでいたように見えるんですけども、本当に代表としては依田花蓮さんはこの決定に納得して頂いている認識ということでよろしいでしょうか。

【山本太郎 代表】涙ぐんだ意味をおそらく捉え違いをされているんだろうと思います。本来ならば全国比例として様々な活動をやっていけるところを東京選挙区ということで発表している分、東京選挙区としても大々的には出来ないし、全国比例にも大々的には出来ないというところで、ご本人が苦しまれたんだろうと。支援者とのやり取りの中で苦しまれたというところがあると思います。そこで、今日このような発表で、その苦しみから解放されると。事前にはお話はさせて頂いてたんですけども、実際に東京選挙区の候補者として最終的には全国比例にまわるという立場になった時に、実際には苦しい思いをされたということだと思います。

(一気に大勢の記者が挙手し始める。高井幹事長は最前列の記者を指名)

【フリー 畠山理仁】フリーランスライター畠山理仁と申します。以前、記者会見で「隠し球ありますよ」と自信たっぷりにお答えになったんですけども、その方はいつ発表されるんでしょうか。

【山本太郎 代表】何人かそういう方がいらっしゃいます。その交渉が座礁した方もいらっしゃいますし。今も継続されている方もいらっしゃいます。

【フリー 畠山理仁】わかりました。それからもう1問。サンプルで調査して、山本代表は東京選挙区ということですけれど、他の選挙区、複数人区には立てる予定だとおっしゃってましたけども、他の選挙区、例えば神奈川、千葉ですとか、そこに立てる予定はあるんでしょうか。

【山本太郎 代表】先ほどの話ですね。隠し球あるとか、それ以外の人も含めてですけど。調整中ではあります。最終的にどうなるかは分からない。で、いつもそうですけど、どれぐらいの規模で立てるのかということを、最小ではお伝えしません。最大規模でこれくらい、私たちが望んでいるのはそれぐらいだというところから現実に落とし込んでいく作業なので。そういうことです。

【フリー 畠山理仁】立てないところもあり得ると。

【山本太郎 代表】当然です。

(再び大勢の記者が挙手。高井幹事長は再び最前列の記者を指名)

【ニコニコ 七尾】ニコニコ 七尾です。2つ質問がございます。1点目が3000サンプル調査されたと仰られましたけども、差し支えなければ大体いつ頃調査されたのかという点と、やはり東京選挙区、山本太郎の、れいわの最大の武器はマニフェストだと思うんですけども、今回のマニフェストはいつ頃公表される予定なのか。この2点をお願いします。

【山本太郎 代表】民間の調査会社で調査した結果ですね、内容に関しては公職選挙法に抵触しちゃうんです。細かい話をお伝えすると。なので調査をやりましたということと、その結果によって、この東京選挙区ということを確定させました。これ以外はなかなか言えないところかと思います。でも今の時点で楽勝で一議席とれるという状況ではございません。ここからが勝負だろうと。やはり有力な候補者であったり、知名度の高い方々も出られてますので。これは気を抜いた瞬間にとられてしまうという認識。だから、ゼロからスタートの気持ちでやるしかない。もう1つ、マニフェストはいつ頃にという話ですけども、これは6月の初めぐらいには出せたら良いなと思ってます。何かしら大幅に私たちの本質的な部分が変わるものではないので。例えば消費税廃止とか、他にも給付金とか。他にも社会保険料の国負担を増やすとか。一人一人の生活底上げが難しい状況にあるのを支えていくことを大々的にやるという路線は全く変わっていません。

【朝日新聞 小手川太朗】朝日新聞の小手川と申します。東京選挙区を選んだ理由を具体的に教えて頂きたいんですけども。神奈川選挙区についても魅力的だとおっしゃってましたけども、どうして東京なのかを具体的にというのと。初当選の時はだいたい66万票くらい獲られていたと思うんですけど、今回どれくらいとれそうか。もしくは目標があれば教えてください。

【山本太郎 代表】そうですね。初当選の時は66万票を超える票を頂きましたけども、前回、私が挑戦した参議院選挙の得票と、今回の票をなかなか示すことが難しいと思います。状況が違うので。候補の数や顔触れがですね。そもそも比較すること自体が現実的ではないということが一点です。なので、どれぐらいの票が獲れるかは蓋開けてみないと分からない。目標は当選ラインに乗るということ。今の状況であるならば、それは可能であると判断した上で私は挑戦しています。で、なぜ東京選挙区なのかということです。先ほどお話しましたが、私が議員辞職をする段階において、東京も選択肢の一つですね。これは以前、私が東京で選挙に挑み続けてきたという過去もありますし。何より私の政治的人生の足元になっている部分ですね。やはりここを外すことはまずあり得ないということです。必ず選択肢としては東京があるだろうということで進んできたのが私自身の気持ちですね。それ以外の選挙区も様々なリサーチとかいうことは、これまでやってきました。全てを鑑みた上でやはり東京だろうと落ち着いたということです。

【朝日新聞 小手川太朗】もう一問、お伺いさせて下さい。改めてなんですけども、衆院選の当選からわずか約半年で衆議院議員を辞められて鞍替えということで、衆院選で投票した有権者への裏切りにならないのかということと、他党からの批判も出ていますけども、その点について伺います。

【山本太郎 代表】まず、他党から批判される理由が全く分かりません。これまでそれぞれの政党において鞍替えというものは、普通にされてきたはずです。で、参議院から衆議院への鞍替えは許されて、参議院から衆議院への鞍替えが許されない理由ってなんですか?

*筆者注 後半は「衆議院から参議院への鞍替えが許されない理由」の言い間違いと思われる

【山本太郎 代表】(鋭い目付きで記者席を見渡しながら)合理的に説明できる方、いらっしゃいます? おそらく総理大臣になるためという理由をつける人いると思いますけど、これは法的にも参議院からでも総理大臣にはなれますね。で、本人の気持ちが総理大臣になりたいので、参議院から衆議院へという鞍替え。これが許される理由はなんなんですか?だって、本人の総理になりたいっていう願望でしょ? それ。自分の利益のためですよね。ひいては国のためとか言うのかもしれませんが。で、これ、任期中の議員辞職の鞍替え事例ですね。

(山本代表、隣に用意したディスプレイにスライドを投影しながら説明し始める)

【山本太郎 代表】で、衆議院を任期途中に辞職して参議院に鞍替えした議員の例。私みたいな例ですね。これは過去には3例ほどある。これ、選挙制度が変わってからです。

(ディスプレイには 平成19年長浜博行氏、平成22年河上みつえ氏、令和元年三浦清氏の3例が表示される)

(記者たちはディスプレイに投影された事例をスマホやカメラで一斉に撮影し始める)

【山本太郎 代表】3例ほど、例があるという事実関係。で、逆に参議院議員の任期途中に辞職して衆議院に鞍替えした例。これだけあるんですよ。

(ディスプレイには計29もの事例を整理したスライド2枚が順に投影される)

朝日新聞 小手川太朗記者からの議員辞職による鞍替えへの批判を問う質問に対して、過去の鞍替え事例を投影しながら険しい表情で反論する山本代表(撮影 犬飼淳)

朝日新聞 小手川太朗記者からの議員辞職による鞍替えへの批判を問う質問に対して、過去の鞍替え事例を投影しながら険しい表情で反論する山本代表(撮影 犬飼淳)

【山本太郎 代表】参議院議員を辞職して衆議院に鞍替えした例はこれだけあるんですよ。どうして他党が、れいわ新選組に限って、山本太郎に限って批判するんですか? 理由が分からない。このことについて政治的に利用して批判するために聞いているとしか思えませんね。

(山本代表は質問者の朝日新聞 小手川太朗記者を真っ直ぐ見て問いかけるが、本人は問いかけに一切反応できず、終始うつむきながら話を聞いている)

【山本太郎 代表】で、例えば議員本人が辞職することに関して、鞍替えについて先ほど言いました。自分が総理大臣になるつもりで鞍替えすることが許されるの? 自分の利益のためでしょ。結局は自分が総理になりたいっていう願望でしょ。じゃあ、私がどうして衆議院から参議院に鞍替えするのか。この選挙が終わった後には3年間、空白期間が出来てしまうということが一点ですよね。権力、暴走するでしょ。でも衆議院の立場で、それはブレーキをかけたり、大きな声で警鐘を鳴らしたりすることは可能ですよ。でも、それが可能では無いという現実があったということです。それ何かといったら今年の2月です。今年の2月の予算委員会。予算委員会で私たちに15分の発言の機会を立憲民主党が自党の質問時間を削って、くれたわけですよ。15分。それ潰したの誰ですか? 自民党と公明党ですよ。考えて頂きたいんですけど、国会って何ですかって言ったら、言論の府ですよ。そりゃそうですよね。誰しもが、有権者からの信託を受けて、その議席を貰っているわけですから。それに関して15分の質問時間を予算委員会で頂けるということだったのに、それを潰しにかかってきたのが自民、公明でしょ。発言の機会、飛ばされたじゃないですか。言論の府において、もう既に言論封殺は行われているってことです。国会内において、最大の会派、最大の権力側が、一番最小の会派に対して、15分の発言さえも潰すということが実際に行われているってことは何かって言ったら、参議院選挙の後の3年間の国政選挙が無い期間の暴走を心配してますが、すでに暴走は始まってるんですよ。そう考えた時に、3年の空白期間をいかにブレーキをかけるか、警鐘を鳴らすか、と言った時に、今のこの力で潰されている衆議院の中から抗うには限界があるだろうと。だからこそバッジを外して参議院に挑み、議席を獲得し、実際に参議院で予算委員会や代表質問や法案提出権などを手に入れるということを、自分達のビジョンとして、最大の空白期間の中で、暴走させないために、これは拡大するしかないという結論に至って辞職をしたってことです。(ディスプレイに投影した辞職例を指差しながら)おそらく、それぞれに理由はあるでしょう。衆から参、参から衆の鞍替えに対して。でも、どうして私たち山本太郎に対しては他党から批判されなきゃいけないんですか? (はっきりと質問者の朝日新聞 小手川太朗記者を見据えながら)おかしくない? そういう話なんです。で、もう一点頂きました。頂いたご質問、れいわ新選組に対して、私自身が衆議院を辞職しましたと。辞職に対して有権者への裏切りではないかというご質問ですけど、私自身はそれには当たらないと考えています。理由は私自身、山本太郎が選挙区で勝ち上がったという選挙ではなかったからです。これは「れいわ」という政党名。平仮名3文字で「れいわ」という比例の票を頂いたおかげで私は議席を獲得し、衆議院に送り込んで頂いたという経緯だからです。おそらく、政治に詳しくない人はそこを突っ込むでしょう。ただ、突っ込みたい人もそこを突っ込むでしょう。でも、私は選挙区で山本太郎と書いて頂いたわけではなく、比例で「れいわ」と書いて頂いた党の議席というものを、次の者に譲った。櫛渕万里ですね。今、国会議員やってる櫛渕万里に議席を譲り、で、れいわとしては議席を減らさずに今回の挑戦をすることになった。それ以上でも以下でもない。そう思ってます。一方で、いまご指摘があったような思いを持っている人もいるかもしれない。あなたに議員になってもらいたかった。「山本太郎」とは書かなかったけど、「れいわ」と書いたんだよ。あなたを送るためにね。いらっしゃるでしょう。で、私の今回の辞任をし、東京選挙区から出るということに対しても、ご納得頂けない方も一定いらっしゃるかもしれない。そういう方に対しては真摯にお詫びを申し上げて、できる限りご理解頂けるように直接来て頂いた時にはご説明したいというふうに思ってます。

***

ここまでで会見開始から約22分経過。質疑は残り40分ほど続き、参議院選挙を見据えた様々な内容が質問されるが、参院選での東京選挙区出馬を決めた経緯の主要説明はここまででおおむね済んでいるため、文字起こしは以上とする。

これ以降の質疑で新たに分かった主な内容は以下の通り

  • 今夏参院選の獲得議席数は最大8、最小3を見込んでいる

  • 神奈川選挙区からの候補者擁立は現時点では未定。もし擁立する場合は来週(5月23日週)までには発表する

  • 兵庫選挙区からの候補者擁立は調査の結果、難しいと判断。

  • 特定枠をよだかれん氏に使う予定はない。特定枠はまだ名前が挙がっていない別の候補者に使う予定で調整中。

  • 東京選挙区からの出馬は、5月14日~15日頃の調査結果を踏まえて最終決定した

会見終了後の報道陣向け写真撮影の一幕。各方向の記者に向かって、順番にポーズをとって撮影に応じる山本代表(撮影 犬飼淳)

会見終了後の報道陣向け写真撮影の一幕。各方向の記者に向かって、順番にポーズをとって撮影に応じる山本代表(撮影 犬飼淳)

今回のニュースレターは以上です。

2022年5月20日 犬飼淳

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