【独自】公文書が存在しない国立大学法人法改正案の検討プロセス(2)
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この記事を書いた理由
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国立大学法人法改正案は日本の大学教育を崩壊させるほど問題だらけの上、従来の議論から大きく逸脱した法案内容の検討・意思決定プロセスが不明である
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立法事実を示す公文書が存在しないことが2023年12月上旬に参議院で発覚して大問題になったが、文科省は最後まで公文書を公開しないまま同月に法案は強行採決されてしまった
この記事でわかること
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2023年12月12日に盛山正仁文科大臣が国会で「速やかに作成する」と約束した立法事実を示す公文書を、文科省はいつ作成したのか
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その公文書には、立法事実の核心部分(合議体の必置対象拡大を決定したとされる2023年5月24日の高等教育局内打ち合わせの議事録)は含まれていたのか
*「合議体」を「運営方針会議」と記載する場合がありますが、意味は基本的に同じです
立法事実をめぐる経緯の振り返り
2023年12月に与党が強行に成立させた国立大学法人法改正案は、日本の大学教育を崩壊させるほどの問題点を多数抱える上に、立法事実はついに最後まで国会で示されませんでした
これまでの経緯を簡単に振り返ると、2023年12月上旬の参議院にて、運営方針会議の必置対象の拡大を決定したのは同年5月24日の所管部門(文科省 高等教育局 国立大学法人支援課)の打ち合わせと判明したものの、文科省は当日の議事録を「作成していない」と主張。改正案の立法事実を示す公文書が無いことを意味するため、大問題になりました。
文部科学省の認識に呆れています。
理事懇が開けません。
その後、「国会で説明する」という約束に基づいて、同年12月12日に委員長職権で参議院 文教科学委員会が強行開催されるも、与党・文科省はその約束を反故にする形で当日の公文書を示さず、自民党・盛山正仁文科大臣は「速やかに作成する」と答弁するにとどまりました。そして、そのまま同日中にいわゆる「悪政4党」(自民・公明・維新・国民)が数の力をもって強行採決に踏み切ったのです。
実は、筆者はその前月(2023年11月)から先行して立法事実に関する開示請求に着手しており、開示決定した文書の受け取りのため同年12月27日に文科省を訪問。担当職員(高等教育局 国立大学法人支援課 法規係 大谷かんな氏)に問題となっている議事録(2023年5月24日分)の作成進捗を確認するも、盛山文科大臣の「速やかに作成する」という答弁からすでに2週間以上が経過していたにもかかわらず、「まだ作成されていない」だけでなく「作成予定すらも未定」という信じがたい実態が明らかになりました。
*先行して実施していた開示請求の詳細は以下の第1報参照
そして、さらに4ヶ月が経過した今年(2024年)4月22日、紆余曲折を経て筆者はついに問題の公文書(全3枚)を文科省から独自入手するに至りました。
*筆者が確認した限り、この公文書はまだ一般には公開されていない模様
第2報となる今回のニュースレターでは、独自入手した公文書3枚に加えて、文科省の認識を個別確認した結果に基づいて、国立大学法人法改正の立法事実の実態をさらに深く検証します。
本編の目次
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公文書を独自入手するまでの紆余曲折
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完全に想定外だった公文書3枚の中身
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個別確認から見えてきた文科省の苦境
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