【独自】インボイスの問題を大手メディアが報道できない本当の理由

インボイス報道を社内で潰された経験を持つ大手メディア記者にインタビュー。まるでドラマ「エルピス」のような報道現場の自己矛盾が見えてきました。
犬飼淳 2023.01.21
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この記事を書いた理由

  • インボイスは全ての国民が不利益を被る制度だと気付いていない国民がいまだに多数を占める

  • その最大の原因は、大手メディアが政府の不正確な主張(インボイスには妥当な導入根拠がある、益税は存在する、等)を伝書鳩のように垂れ流し続けていることにある

この記事で理解できること

  • 大手メディアが不正確な報道を続ける理由は何か

  • 大手メディア記者が明かす「正確なインボイス報道が潰されたプロセス」

  • 逆に言えば、どのように働きかければ大手メディアは実態に基づいた報道をしやすくなるのか

*今回はインボイス報道を例に深掘りするが、他のあらゆるテーマ(感染症対策、英語スピーキングテスト等)にも共通する内容であり、対応方法も応用可能と考えられる

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政府が2023年10月からの開始を目指すインボイス制度。

不利益を一切被らない国民は誰一人として存在せず、(一般国民としては)百害あって一利なしの制度と断言できるため、「STOP!インボイス」 を始め、多くの当事者がインボイス中止を求めてきました。

*被害の全体像は以下ニュースレターを参照ください。

しかし、昨年12月に発表された税制改正大綱では中止どころか延期すらせず、予定通りに開始する前提の内容となってしまいました。しかも、表向きの「負担軽減策」は盛り込まれているものの、その実態は負担の軽減ですらありません。

*負担軽減策の実態は以下ニュースレターを参照ください。

このように刻々と事態が悪化している要因の一つは、いわゆる大手メディアによるインボイスの正確な報道があまりにも少なく、いまだに多くの国民が問題の深刻さに気づいていないことです。

残念ながら大手メディアは今現在も以下のような報道姿勢を繰り返しています。

  • インボイスの問題をほとんど報じない

  • もし報じたとしても、政府・財務省・国是庁の不正確な主張を垂れ流しており、国民が問題を正しく理解することを妨げる

  • もし正確に報じたとしても、タイミングが遅い(税制改正大綱発表後、等)

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とはいえ、圧倒的少数派ではあるもの大手メディア内部で問題を報道しようと戦っている記者がいることも事実です。筆者は昨年だけで8本のインボイス関連のニュースレターを配信する中で、ある当事者(A氏)と繋がり、インボイスの問題を大手メディアが報道できない理由について詳しく話を聞くことに成功しました。

A氏について

・大手メディア(新聞 もしくは テレビ局)に勤務する記者
・インボイスの問題の深刻さに早くから気付き、詳しく報道するために取材や社内交渉を進めたが、最終的には社内事情のために報道を断念
A氏の紹介

A氏が報道を断念した経緯を筆者がインタビュー形式で確認したところ、まさにテレビドラマ「エルピス」で描かれた世界が現実の報道現場で今も起きていると改めて気付かされる結果となりました。

部下の意欲的な提案に対して、もっともらしい理由をつけて理不尽に却下する幹部。

「報道はフェアであるべき」と言いつつ、むしろ全くフェアでない状況に加担している矛盾。

とにかく政府決定を最優先する姿勢。

このような実態が次々と浮かび上がりました。そこで今回のニュースレターでは、A氏が打ち明けてくれた「インボイスの問題を大手メディアが報道できない理由」と、逆説的に見えてきた「どうすれば大手メディアは報道しやすいのか」を詳しくお伝えします。ただし、本業を抱えながら反対運動に時間を割いてきた方々にはショッキングな内容を含む点はご注意下さい。

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