【独自】学級閉鎖を減らすために基準を変更した横浜市(2)

学級閉鎖や休校を極力避けるために判断基準を変更した横浜市。根拠となった調査データの矛盾点について、2022年4月21日の横浜市長記者会見で再び筆者自ら問い質しました。
犬飼淳 2022.04.21
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*今回の内容は横浜市に限らず他自治体にも波及する恐れがあり、日本全国の子育て世代、教職員、学生にとって他人事ではないため、公開直後から無料読者にも全文を公開します。

こんにちは。犬飼淳です。

横浜市は 2022年1月下旬から2月上旬にかけて、市立学校の休校や学級閉鎖を避けるために判断基準を変更しました。基準変更の結果、学級閉鎖は1割程度に激減した一方、肝心の児童や教職員の感染者数は高止まりしたままです。基準変更の根拠について山中竹春市長は「救急搬送が困難な事例を調査した結果、学校や保育園の休校・休園によって、子育て中の医療従事者が出勤できないことが主な原因であると判明したから」と2月4日の会見で説明しました。しかし、実際は「休校・休園」を理由に回答した病院はむしろ少数派であり、基準変更の根拠として全く成立していませんでした。

つまり、横浜市は曖昧な根拠で学級閉鎖の基準を変更し、見かけ上の数字(学級閉鎖・休校)は改善させた一方、市立学校に通う児童・保護者・教職員を高い感染リスクに晒し続けています。

*これまでの経緯、4月7日の記者会見で筆者が自ら市長にこの問題を問い質した結果は、前回のニュースレターを参照ください。

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今回のニュースレターでは、新たに入手した救急搬送困難事例の調査データによって明らかになった、山中竹春市長による恣意的な資料作成の詳細をお伝えします。

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続きは、6383文字あります。
  • 報道発表資料
  • 救急搬送困難事例の調査資料
  • 報道発表資料の恣意的な作成の問題点
  • 根本原因:市長の権限では実現不可能な公約
  • 4月21日 記者会見の質疑
  • 参考:関連ニュースレター

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