インボイス個人情報問題の国税庁対応はザル。今も氏名を含む全件データは取得可能(2)
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この記事を書いた理由
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インボイス制度の問題の一つとして注目を集めていた氏名を含む個人情報の全件ダウンロードは、昨年9月に与党議員の要望後に国税庁が迅速に対応して解決したとされていた
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しかし、実際はその対応がザル過ぎて解決していないという衝撃的な実態が判明した
この記事で理解できること
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インボイス発行事業者の氏名を含む個人情報の全件ダウンロードは今現在も実質的に可能
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国税庁の情報セキュリティはザル。民間企業であれば一発で懲戒処分になるレベル
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これらの告発に対する国税庁の認識
昨年9月に大きな注目を集めたインボイスの個人情報流出問題。与党議員(赤松健氏、山田太郎氏)の要望後に国税庁が迅速に対応して解決したとされていました。しかし、簡単なプログラムを利用するだけで今現在も個人情報(氏名、事務所所在地、屋号など)を含む全件データのダウンロードは可能という衝撃的な情報提供が今年1月に筆者に寄せられました。
第1報(これまでの詳しい経緯、個人情報を全件取得できる仕組み、根本原因)は前回ニュースレターを参照ください。
そして、2月3日に国会(衆議院第二議員会館)で開催されたインボイス問題 超党派議連 公開ヒアリングでは、この問題を検証した技術者本人が実態を詳細に告発。国税庁の情報セキュリティのザルっぷりに議員にも衝撃が走りました。
約1時間半に及んだ公開ヒアリングのノーカット映像はこちらで公開しています。
<映像の主な内容>
2分1秒〜 日本俳優連合ヒアリング
池水通洋 専務理事が映像作品の2次使用料の分配、芸名で活動する俳優の本名バレなどの問題を説明。
22分35秒〜 個人情報問題の重大告発
技術者の小沼努氏が個人情報の全件ダウンロードが今現在も可能であることを実演映像を交えて説明。
40分16秒〜 農家ヒアリング
山梨県の農家が「インボイスに登録しなければ道の駅に出荷できなくなる」等の圧力をすでに受けている実態などを説明。
56分38秒〜 質疑応答
上記3件を踏まえて参加者と官僚(財務省 主税局税制第二課 企画調整室長 染谷浩史、国税庁 課税部軽減税率・インボイス制度対応室長 福田あづさ、公正取引委員会 経済取引局 取引企画課長 堀内悟 )が質疑
今回のニュースレターでは、個人情報問題の重大告発の関連部分に絞って、その衝撃的な実態を文字起こしを中心に伝えます。また、筆者は昨年6月からこの問題を繰り返し指摘し、今回の告発内容も事前に情報提供を受けて詳細に把握しているため、読者の理解を助けるための参考情報を適宜補足していきます。
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