【参院選分析】選挙区(4〜6人区) における野党の獲得議席と得票率の変化

2019年と2022年の参議院選挙において、選挙区(4〜6人区)における野党の獲得議席数と得票率の変化を定量的に捉え、各選挙区(埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪)の状況を個別に検証します。
犬飼淳 2022.07.14
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こんにちは。犬飼淳です。

2022年7月10日、ついに参議院選挙の投開票日を迎え、与党圧勝という結果で終わりました。

比例代表の党派別得票率では、3ptも減少した立憲民主党を筆頭に野党は軒並み支持が低下。唯一の例外は福島みずほ党首が出馬時に得票率が上がる傾向のある社民党(+0.3pt)のみ。

立憲 :2019年15.8%、2022年12.8%
共産 :2019年9.0%、2022年6.8%
れいわ :2019年:4.6%、2022年4.4%
社民 :2019年:2.1%、2022年:2.4%
参院選 比例代表 党派別得票率


次に選挙区に目を向けると、1人区で野党は4勝28敗と大きく負け越し。候補者を一本化した2019年(10勝)、2016年(11勝)の戦績から大きく後退しました。しかも、野党候補の得票率を全て合計しても与党候補の得票率に大きく及ばない(=野党が候補者統一しても単純計算上は勝てない)選挙区が大半を占め、事態の深刻さをあらわしています。このように与党が楽に勝てる選挙区が増えたことで与党は激戦区(新潟、沖縄など)にリソースを集中投下することが可能になり、新潟では知名度も高い現職(立憲・森ゆうこ)が接戦(得票率6.8pt差)の末に自民党の新人に敗れています。

このように、あまりにも一方的な展開だった1人区に対して、複数の当選枠がある選挙区は与野党ともに複数候補者を擁立して状況が複雑な上、選挙区ごとの特殊条件も絡み合うため、考察の余地も高いように思います。

そこで今回のニュースレターでは、4人以上の当選枠がある選挙区(埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪)において、野党の獲得議席数 合計と得票率 合計が前回(2019年)と今回(2022年)でどのように変化したのかを着眼点に、選挙区ごとの状況を個別に検証してきます。具体的には選挙結果を定量的に振り返った上で、今後の展望(どうすれば野党候補が勝てるのか)を考えていきます。

野党の獲得議席数と得票率の変化を選挙区ごとにプロットした結果。得票率の変化は同程度でも獲得議席数で差がついたケースを複数確認できる。

野党の獲得議席数と得票率の変化を選挙区ごとにプロットした結果。得票率の変化は同程度でも獲得議席数で差がついたケースを複数確認できる。

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