「私たち消費者は消費税を支払っていない」 判決と法律に基づいて益税の誤解を解く

「消費者が納めた消費税を免税事業者が横取りして納税しないのはズルい」「消費税は預り金である」という益税をめぐる主張。これらが完全な誤りであることを1990年の判決および国の主張にもとづいて明らかにします。
犬飼淳 2022.10.21
読者限定

*今回のニュースレターは公共性が非常に高いと判断したため、無料読者にも本編を公開します

***

このニュースレターでは、様々なしがらみによって大手メディアが事実を報道しにくいテーマを中心に、しがらみのないフリーランスである犬飼淳が事実に基づいてお伝えしていきます。大手メディアの報道に疑問がある方は以下のボタンからニュースレターにご登録頂くと次回以降も見逃さずにチェックできます。

*ニュースレターの重点テーマ、特に反響が大きかった過去のコンテンツはリンク を参照ください

***

この記事を書いた理由

  • インボイスには妥当な導入根拠があると誤解している国民が一定数存在する

  • その原因として、「消費税は消費者が支払っている」「消費税は預かり金である」「だから、現状の免税事業者は本来納めるべき消費税を納めていない(=益税が存在する)」等の大きな誤解がある

この記事で理解できること

  • 消費税を支払っているのは誰(消費者 or 事業者)なのか

  • 消費税は預かり金なのか

  • 益税は存在するのか

***

突然ですが、こちらのレシートをご覧ください。

これは私がカフェで350円のコーヒーを購入した際のレシートです。その350円の内訳には、消費税10%に相当する31円が含まれていると書かれています。

このレシートを受け取ったら誰もが「自分は350円のコーヒーを買った際に消費税31円も支払った」と考えるでしょう。

しかし、これは大変な誤解です。

さらに正確に言えば、消費者がそのように誤解するように仕向けられた壮大な嘘です。

そして、皮肉なことにそれが嘘であることは国が30年以上前の裁判で自ら認めています

しかし、これらの誤解や嘘に基づいた「消費者が納めた消費税を免税事業者が横取りして納税しないのはズルい」という考え方を、インボイス導入の意義として多くの人が信じてしまっています。そこで今回のニュースレターでは、これらの益税をめぐる主張が完全な誤りであることを裁判の判例や法律の条文に則って解き明かしていきます。

*仕入税額控除などの基本的知識が無い場合は、インボイスの知識ゼロの方を対象に開催された勉強会リポートをあわせて参照ください

*公共性が非常に高いと判断したため、無料読者にも全文を公開します。メールアドレス登録のみで無料で全て読めるので、お気軽にご登録ください。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、6713文字あります。
  • 消費税の誤解
  • 判決結果
  • 疑問・反論への回答

すでに登録された方はこちら

提携媒体・コラボ実績

読者限定
Colabo対暇空茜 名誉毀損訴訟 一審判決の成果と課題
サポートメンバー限定
【都知事選2024】「共産党と連携したから蓮舫氏は支持を失った」は本当...
サポートメンバー限定
【独自】都知事選出馬要請は小池氏の自作自演(3)~疑惑の本丸・東京都の...
サポートメンバー限定
【独自】都知事選出馬要請は小池氏の自作自演(2)〜行動記録から重要な外...
読者限定
【文字起こし】学費値上げ 東京大学総長対話2024年6月21日
サポートメンバー限定
【独自】隠された神宮外苑再開発(6)重要書類の原本紛失を3ヶ月遅れで報...
サポートメンバー限定
【都知事選2024】テレビによるネガティブ・キャンペーンの記録(蓮舫氏...
サポートメンバー限定
【独自】東大は政治に影響を与える教室使用はNGなのか?(1)