1年後に迫るインボイス2割特例・8割控除終了の意味

1年後(2026年10月)に廃止されるインボイスの負担軽減措置(2割特例)と経過措置(8割控除)について、現状を改めて整理します。
犬飼淳 2025.10.04
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この記事を書いた理由

  • インボイスの負担軽減措置や経過措置の終了が近付いているが、その深刻さは十分に伝わっていない

  • そもそも2割特例と8割控除を混同している方も多く、制度周知も不十分である

この記事で理解できること

  • 2割特例と8割控除は一見すると同じ制度を指すように見えるが、実際は全くの別物であること

  • 約1年後に迫る2割特例と8割控除の終了は何を意味するのか

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10月1日に東京・永田町の議員会館前でSTOP!インボイスがインボイス廃止を求めるデモを開催。事前の予報通り雨だったにもかかわらず100名前後が現地参加し、この問題への関心の高さを改めて可視化しました。平日の日中でありながら、主催者がこの日(2025年10月1日)を選んだのは理由があります。インボイス導入から丸2年ということに加え、負担軽減措置(以降「2割特例」)と経過措置(以降「8割控除」)の終了まで1年の節目だったからです。そのため、各業界の当事者としてスピーチした方々の多くは2割特例と8割控除終了への不安も次々と口にしました。

*当日の様子は上記YouTubeで視聴可能

しかしながら、この深刻さがまだまだ世間に広く伝わっていないように思います。それどころか2割と8割を足すと10割になることもあり、「2割特例と8割控除は同じ制度を意味し、それを別の言い方で表現しているだけ」と勘違いしている方も多く見受けられます。大変残念ながら、インボイス反対を主張する政治家や、問題を伝えるべきメディア関係者にもそうした方が多々いることを筆者はこの目で見てきました。

そこで今回のニュースレターでは、2割特例と8割控除の違い、終了による悪影響の大きさを直感的に理解できるように可能な限り易しく整理します。

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続きは、6625文字あります。
  • 2割特例と8割控除による消費税率の推移
  • 現在もすでに深刻な実態
  • 今後さらに深刻化するカラクリ
  • インボイス廃止に向けて市民ができること

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