【独自】横浜市教委 傍聴妨害の新事実(5) ~第三者検証を隠蔽に悪用したカラクリ~

傍聴ブロックによる教員性加害事件の隠蔽はまだ続いていることを、横浜市教育委員会への開示請求結果に基づいて指摘します。
犬飼淳 2024.12.14
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この記事を書いた理由

  • 横浜市教育委員会の耳を疑うような不祥事の隠蔽が次々と発覚している。この状況を招いた背景を踏まえるとこれらはまだまだ氷山の一角であり、隠蔽されたままの不祥事が他にも多数存在することが強く疑われる

  • さらに、同委員会は存在を認めた不祥事については第三者検証を通して自らの責任を矮小化することを常套手段としてきたため、第三者検証結果も鵜呑みにはできない

この記事で理解できること

  • 第三者検証による不祥事隠蔽を可能にした具体的な手口

  • 傍聴妨害の第三者検証を担当した弁護士3名が受け取った報酬総額および内訳

***

悪質な不祥事と隠蔽を繰り返してきた横浜市教育委員会(以降「市教委」と省略する場合あり)の中でも、特に衝撃的な不祥事と言える傍聴妨害。教員による性加害事件の公判で一般傍聴を防ぐために職員を動員して傍聴席を埋め尽くした、まさに前代未聞の不祥事です。

前回の第4報では、傍聴妨害開始の「主犯格」と判明した前田崇司氏が、その事実を隠したまま現在も昭和女子大学附属昭和小学校で校長として勤務している衝撃的実態について詳しくお伝えしました。筆者のコンタクトに対する前田崇司氏の反応で特に興味深かったのは、第三者検証の報告書を引用して「傍聴妨害は隠蔽目的ではない」という趣旨の主張をしてきたことです。

*詳細は以下の第4報参照

*同氏は本件について現勤務先すらも欺いた疑いが生じているため、学校法人昭和女子大学としての認識(教員の児童への性加害の隠蔽に深く関与した人物と分かった上で校長を任せ続けているのか 等)を広報部に別途確認済み。結果は改めて続報として近日中に配信予定

確かに検証チーム(弁護士3名)による第三者検証の報告書(以降「報告書」と省略する場合あり)では、傍聴妨害の目的は「隠蔽ではなく被害者の二次被害防止」と認定されています。しかし、その結論を導くために本来確認すべき以下のような重要事項はことごとく「記憶が無い」「記録が無い」等の甘い理由であえて有耶無耶にすることで強引に導いたに過ぎません。

  • 4年の空白を空けて傍聴妨害が突如再開した理由

  • 公判では個人情報が秘匿されると確認できたも傍聴妨害が続いた理由

  • 傍聴妨害がむしろ二次被害拡大に繋がっていた矛盾

  • 傍聴妨害に疑問を感じた係長の提言が活かされなかった理由。また、その係長が提言直後の人事異動で飛ばされた経緯

さらに、7月26日の報告書公表時の記者レクで登壇した検証チーム(竹森裕子弁護士、伊東克宏弁護士)の振る舞いは、以下の通り非常に不自然でした。

  • 無理筋な擁護で市教委の責任矮小化を繰り返す(根拠は一切示せないにもかかわらず「隠蔽目的ではない!」とムキになって強弁、傍聴妨害開始の経緯は「4年も前のことで本人は『記憶が無い』とのことなので明らかにしなかった」と堂々と認める 等)

  • 市教委の責任に直結する質問を中心に、論点のすり替えで回答から逃げる場面が15回を超えた *記者の疲弊や質疑時間の浪費を狙ったと判断せざるを得ない

*問題の記者レク映像は下記YouTubeで視聴可

要は、表向きは「第三者」の立ち位置を取りつつ、実際は市教委と一体になって隠蔽に加担したと判断せざるを得ない振る舞いでした。このニュースレターを継続的に購読している方はご存知の通り、これは市教委の「お家芸」です。第三者検証を悪用して自らの責任を矮小化することを常套手段としており、そのノウハウやスキームが長年にわたって蓄積されていると考えられます。

そこで今回のニュースレターでは、市教委の第三者検証を悪用した隠蔽のカラクリに焦点を当てます。具体的には、好都合な結論を導くための手口、弁護士までもが隠蔽に協力した背景などを本件の開示請求結果に基づいて明らかにします。

本編の目次

  • 第三者検証を悪用した隠蔽の手口

  • 検証チームの弁護士が受け取った報酬は妥当なのか

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