コロナをインフル扱いする黒岩 神奈川県知事の異様さ
こんにちは。犬飼淳です。
新型コロナウイルス対応をめぐっては都道府県の裁量が大きく、各知事の判断にも注目が集まっています。
特に、今年8月に国が全数把握を見直す動きを見せた際、知事ごとの考え方の違いが浮き彫りになりました。厳しいコロナ対策で一定の成果を収めてきた県(丸山達也 島根県知事、平井伸治 鳥取県知事、仁坂由伸 和歌山県知事 等)は全数把握の継続を早々に宣言した一方、全数把握の見直しを歓迎する県もありました。
その筆頭が、黒岩祐治 神奈川県知事です。
8月24日、全症例把握や特別扱いを止めるべきとツイートで明言。
岸田総理が全数把握を止め、患者届け出をハイリスク者に限定できるように発言されました。一歩前進ですが、まだ特別扱いですね。
2日後の8月26日、国の方針では発生届を要さない患者が医療費公費負担を受けられること、宿泊療養施設に入れることをなぜか問題視。
発生届けをしないでいいとされた患者も、医療費公費負担が受けられたり、宿泊療養施設に入れるとのこと。個人が特定されないにも関わらず、どうやってやるの?
採用しようのない仕組みでした。
完全に棄民政策と受け取れる考え方のため、神奈川県民を中心に不満の声が噴出しました。
メディアは、黒岩知事の発言を報じるときは、その意味の解説もつけて頂けないですかね、、、注意して見ないとそのおかしさにすぐには気づかないことがあります。他の知事と異次元のおかしな発想にとらわれていると思います
>黒岩知事「矛盾解決されるまで対応見送る」
逆に言うと、公費負担が前提となったサービスを切りたいってことですよね。本当に県民のサービス切りたいのですね
発生届がなくなれば、県は陽性者を把握しなくなるから、それに伴う感染症対策の支出がなくなると思ってたんだ。
なんなんだこの知事💢
さらに、黒岩知事はこうしたコロナ軽視の考え方を定例記者会見でも度々 明言しています。
現場からの声を受けてみると、もうそれほどの感染症ではなくなっている、オミクロンに関して。BA5も含めて。ということは、インフルエンザのような形で受けとめればいいのではないのか。(中略)インフルエンザのことを考えてみれば、われわれはどう向き合えばいいか分かります。インフルエンザの発生患者がきょう何人だと毎日発表するわけではない。インフルエンザが発生しただけで、隔離したりとか、外出自粛を強制するとかそういったことはないです。インフルエンザだったならば、お一人お一人症状が出たら、じっとされている。そして医療機関にかかるとかいうこと、そして通常の医療の中で対応していくことが、インフルエンザのようなものということです。今そっちの方に行かなければいけないと思っています。ただ、今いきなり急角度を切ると、2類であるがゆえに行政がさまざまな形でやっている。その分、皆さんは無料で全部受けているわけです。これを通常の医療ということに変えていくと、いわゆる皆さんの保険によって支払っていただくという形になってくる。普通の病気ですから、インフルエンザのときもそうです。予防注射にしても、治療薬にしても、治療にしても、自分で払っていただく。健康保険を使って払っていただく。そういう形になっていく。
我々が一番最初に求めていたのは、すごくシンプルなのです。全数把握、全症例把握を全世代やめて、全部をプル型サービス、自分が、具合が悪いと思ったときには、自分からコロナ119番まで電話していただくという形を徹底していこうと、非常にシンプル。だから我々としてみれば、これを総理が決断をしてくれて発表してくださるのが一番ベスト。我々が考えているものが一番やはり合理的。
こうした発言を読み解くと、黒岩知事は一貫してコロナはインフルと同様に扱うべき(2類から5類への引き下げ、全数把握の全世代にわたる取りやめ、治療費は患者が負担、等)と考えていることがハッキリと分かります。
*5類引き下げをめぐる議論についての筆者の考えは集英社オンラインに寄稿した記事を参照ください
ここまで明確にコロナを風邪やインフルと同等と明言している知事は他にいません。強いて言えば、吉村洋文 大阪府知事も全数把握は取りやめるべきという考えを表明していますが、棄民政策を隠そうともしない黒岩知事の発言の異様さは明らかに際立っています。しかも、黒岩知事は自らの考えを「一番ベスト」「一番合理的」「すごくシンプル」と繰り返し自画自賛しており、いったいその自信はどこから来るのか不思議で仕方がありません。
本来であれば定例記者会見の場で、多くの県民が抱いている疑問にもとづいて黒岩知事を追及すべきです
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このような棄民政策を推進する理由は何なのか
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「我々が考えているものが一番合理的」とまで断言する根拠は何なのか
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コロナを軽視する判断を繰り返した結果、感染の実態把握が困難なほど神奈川県の統計が崩壊した責任をどのように捉えているのか
しかし、会見の質疑を確認した限り、質問の権利を持つ神奈川県政記者クラブはコロナ対策に関する質問はしているものの「知事のお考え」を拝聴する姿勢に終始しており、知事の政策に問題意識を感じる神奈川県民としては物足りなさを感じる内容でした。
そこで、自ら会見で質問できないかと考え、会見の主催者である神奈川県政記者クラブに会見への参加を申し込みました。
しかし、会見で黒岩知事に自ら質問することは叶いませんでした。
記者クラブの抵抗によって会見への参加を拒否されたからです。
その顛末は、同時配信したこちらのニュースレターをお読み下さい。
2022年10月14日 犬飼淳
2022年12月10日追記
自らがコロナに感染した黒岩知事は病院で確定診断を受けて治療薬も服用したことを堂々とツイート。コロナをインフルエンザ扱いし、全世代にわたって全数把握をやめようとする黒岩知事の政策によって医療にアクセスできなかった神奈川県民を中心に批判が殺到した。
一週間前に5回目のワクチンを打ったばかり。でもやはりキツイです。ワクチン打ってなかったらと思うと、打ってて良かったと思います。
コロナ治療薬を使えるというのは良かったです。
15日まで自宅療養。リモートワークしながら、静養に努めます。
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