【独自】インボイス個人情報漏洩を放置する国税庁の見解

今年2月3日のインボイス超党派議連ヒアリングで技術者が告発した、事業者公表サイトの個人情報漏洩問題。筆者の開示請求の結果、国税庁は告発から1ヶ月以上が経過しても実質的に何も改善対応はしておらず、今後も対応する意思は無いと判明。開示請求と国税庁職員への聞き取りに基づいて、詳細をリポートします。
犬飼淳 2023.03.26
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この記事を書いた理由

  • インボイス制度の問題の一つである氏名を含む個人情報の全件ダウンロードによる本名バレ・居場所バレ。今年2月3日の超党派議連ヒアリングでは、国税庁の情報セキュリティがザル過ぎて今現在も解決していない衝撃的実態を解説映像を交えて技術者が告発し、再び注目を集めていた

  • 2月3日に技術者は問題点、原因、改善策まで全て説明したにもかかわらず、出席した国税庁職員は内容を理解できないフリに終始。本当に改善対応がなされるのか不安が大きい状況だったため、筆者はその後の対応について国税庁へ開示請求。結果、不安は的中した

この記事で理解できること

  • 2月3日の超党派議連ヒアリングで技術者が指摘した問題点について、国税庁は本当に改善を検討したのか

  • 一体どのような見解にもとづいて、事業者公表サイトの個人情報漏洩問題を国税庁は放置し続けているのか

***

インボイス制度の問題の一つとして注目を集めていた、氏名を含む個人情報の全件ダウンロードに関連した本名バレ・居場所バレ問題は、昨年9月に与党議員の要望後に国税庁が迅速に対応して解決したとされていました。しかし、実際は国税庁の対応がザル過ぎて解決していないことが発覚。今年2月3日の超党派議連ヒアリングで、技術者が解説映像を交えて問題点、原因、改善策を詳細に説明しました。

【問題点】インボイス発行事業者の氏名を含む個人情報の全件ダウンロードは今現在も簡単なプログラム利用によって実質的に可能。従って、従来から懸念されていた本名バレ・居場所バレ問題も未解決のまま。


【原因】初歩的なセキュリティ対策(データベース暗号化、データベースのイントラネット格納、外部ネットワークとの間にファイアウォール設置、等)を怠っており、国税庁の情報セキュリティは「ザル」同然のため


【改善策】事業者公表サイトの全件ダウンロードの停止(登録番号の有効性確認は1件ずつの番号検索機能でも可能であり、全件ダウンロード機能のメリットが何一つ存在しないため。このままでは「なりすまし」事業者も現れかねない)
技術者 指摘内容の筆者要約(2023年2月3日 インボイス超党派議連ヒアリング)


当日に参加した多くの国会議員も状況の深刻さを初めて認識し、衝撃が走りました。

*筆者を含む当日参加者の所感は以下の各ツイート参照

犬飼淳
@jun21101016
本日最大のハイライト。個人情報問題の重大告発。

全件ダウンロードが今も可能であると実演映像で技術者が解説。

「はっきり言って、国税庁の情報セキュリティはザル。民間企業であれば、これだけで懲戒処分に相当する大失態」

22分35秒〜
youtu.be/i-lWfLhB9nY?t=…
2023/02/03 23:29
419Retweet 394Likes
STOP!インボイス
@STOPINVOICE
本日の「インボイス 問題検討・超党派議員連盟によるヒアリング」の個人情報の部分に関する指摘あったパートです。

実際にデータが復元される様子が動画で紹介されています。正直、かなりの衝撃がありました。ぜひご覧ください。

youtube.com/live/4JHCEFbEW…
【権利団体・農家・個人情報問題編】 インボイス 問題検討・超党派議員連盟によるヒアリング 【権利団体・農家・個人情報問題編】インボイス問題検討・超党派議員連盟によるヒアリング日時:2月3日(金)12:00〜13 www.youtube.com
2023/02/03 17:50
296Retweet 336Likes
田村貴昭
@TAMURATAKAAKI
インボイス問題検討・超党派議員連盟
本日は、日本俳優連合、技術者、農家を招き、第3回目の会合を行いました。
登録業者の情報漏洩の可能性や免税事業者の排除、煩雑な事務などの問題が浮き彫りに。私自身、認識を新たにしました。
やっぱりこの制度は実施してはなりません。#STOPインボイス
2023/02/03 15:31
95Retweet 175Likes

この問題点の詳細、当日の文字起こしはヒアリング2日後(2月5日)に配信済みの以下ニュースレターを参照ください。

ここまで具体的に問題点、原因、改善策を技術者が説明し、国税庁から改善対応の言質もとったわけですが、当日に同ヒアリングに現地参加した筆者は一抹の不安を覚えていました。上記の文字起こしからも明らかな通り、国税庁職員はあたかも内容を理解できない素振りを見せ、従来の決定事項の回答に終始していたからです。

そこで、約束通りに本当に改善対応を検討したのか確認するため、筆者は2月13日付で国税庁に本件の対応に関する一切の文書を開示請求。約1ヶ月後の3月13日、無事に開示決定されたものの、開示されたのはA4文書たった1枚

3月22日に筆者が国税庁で開示文書を受け取った際には、インボイスの主管部門(軽減税率・インボイス制度対応室)の職員に本件の認識を詳しく聞き取る機会に恵まれ、状況はさらにハッキリと分かりました。

率直に言って・・、

一連の確認の結果、 2月3日に指摘を受けてから1ヶ月以上も国税庁は本質的な改善対応は一切していませんでした。

さらに言えば、今後も改善を検討する意思もありません

そもそも、国税庁は未だに問題の本質を理解していません(もしくは理解できないフリをしている)。

今回のニュースレターでは、「開示された行政文書」と「国税庁職員への個別の聞き取り」によって明らかになった、想像の斜め上をいく悲惨な実態をお伝えします。

目次

  • 国税庁への開示請求。対応する気はあるのか

  • 「改善はしない」開示文書1枚で分かる国税庁の不見識

  • 逆に犯罪を助長する文言を追加する国税庁の愚策

  • 国税庁担当者への個別聞き取りで明らかになった、問題を放置する理由

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