【信号無視話法】党首討論会 2021年10月18日

衆議院選挙を控え、日本記者クラブ主催で実施された9党のトップによる党首討論会。選択的夫婦別姓、政権交代後の閣外協力などの質疑の信号無視話法を検証。
犬飼淳
2021.10.24
誰でも

*国政選挙の投票判断に関係する情報のため、公共性を鑑みて全体に公開します。

こんにちは。犬飼淳です。

2021年10月18日、日本記者クラブ主催で約2時間にわたって党首討論会が開催されました。前半の第1部は党首同士の討論(各党首が質問相手を1名指名して質問 × 9党首 × 2周 = 計18問)、後半の第2部は日本記者クラブ企画委員4名からの代表質問。放送時間が限られているテレビ番組と違い、2時間という長時間を確保できたこともあり、かなり具体的な質疑が多かったように感じます。

そこで、今回のニュースレターでは、いくつかのテーマを抜粋して、質疑内容を検証していきます。具体的には信号機のように3色(青はOK、黄は注意、赤はダメ)で直感的に視覚化します。

約2時間の全編は以下のYoutubeで視聴できます。本ニュースレターにおける映像の時間表記は以下動画に基づきます。

youtu.be

配色ルール

この配色ルールに従って、回答内容を色分けしていきます。

©︎2021 Jun Inukai
©︎2021 Jun Inukai
***

第1部 党首同士の討論

選択的夫婦別姓

映像 9分20秒頃~

©︎2021 Jun Inukai
©︎2021 Jun Inukai

選択的夫婦別姓実現に向けた立憲・枝野代表の質問。

四半世紀以上も事態を止めているのは「政治」の問題であるにもかかわらず、自民・岸田総理は「理解が進まない国民」の問題にすり替えており、実質的な回答内容は「問題にしっかり向き合って議論することが重要」というゼロ回答でした。

政権交代後の政権運営

映像 12分5秒頃~

©︎2021 Jun Inukai
©︎2021 Jun Inukai

東京8区の一悶着(れいわ・山本太郎氏は立憲幹部と合意の上で出馬を表明するも、立憲内部で調整がなされていなかったことが原因で、最終的に山本氏が小選挙区からの出馬を断念)に象徴されるように「野党共闘」は掛け声ばかりで実態を伴っているのかは怪しいのが実態です。その点を突いた公明・山口代表の質問でしたが、立憲・枝野代表は「政権そのものは単独政権を担う」と明言。この回答は野党支持者の間でも物議を醸しました。

回答を受けた公明・山口代表の「選挙協力をしながら立憲単独の政権というのは極めて不安定」というコメントは非常に的確だと思います。

消費税減税

映像 14分10秒頃~

©︎2021 Jun Inukai
©︎2021 Jun Inukai

自公政権は「社会保障の財源」であることを理由に消費税減税の提案を拒否しながら、実際は病床削減への補助金という形で「社会保障を削るための財源」として消費税を使った事実を突きつけ、改めて消費税の5%への引き下げを共産・志位委員長は質問。

しかし、それでも自民・岸田総理は減税できない言い訳を繰り返すばかりでした。

国債発行

映像45分20秒頃~

©︎2021 Jun Inukai
©︎2021 Jun Inukai

財源としての国債発行に関連して、れいわ・山本太郎代表は2点(国債=政府の借金=将来世代の借金だと考えている? 国債発行の限度額は?)を質問するも、自民・岸田総理は分配の重要性、国債発行の是非などを述べ続け、質問には一言も回答しませんでした。

回答後に山本代表も「答えになってません」と一蹴。

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第2部 日本記者クラブからの代表質問

限定的な閣外協力

映像1時間39分45秒頃~

©︎2021 Jun Inukai
©︎2021 Jun Inukai
©︎2021 Jun Inukai
©︎2021 Jun Inukai

「限定的な閣外協力」の真意を、共産、れいわ、社民がそれぞれ回答。

選択的夫婦別姓、LGBT法案

映像1時間55分0秒頃~

©︎2021 Jun Inukai
©︎2021 Jun Inukai

選択的夫婦別姓、LGBT法案に賛成するかを問われ、他8党首は揃って挙手する中、自民・岸田総理だけが挙手しなかった(=反対した)写真が大きく報道されたことで注目を集めた場面。

しかも、「反対理由」を問われた自民・岸田総理は、「検討ポイント」にすり替えており、質問にほとんど回答していません。

©︎2021 Jun Inukai
©︎2021 Jun Inukai

続いて、連立政権を組む公明・山口代表にも自民党を説得できない理由を質問。

しかし、山口代表も自民党内の賛否の変化、公明から自民への要望などにすり替え、質問には一言も回答しませんでした。

***

本編は以上になります。

衆議院の投開票(10月31日)まで1週間となりました。投票先を選ぶ上での参考になれば幸いです。

この党首討論会を見ただけでも、以下のことが分かると思います。

  • 選択的夫婦別姓、LGBT法案を進めたいと考えている人は自民党以外に投票すべき。自民党を説得できない理由を問われて、まともに回答できない公明党も避けるべき。
  • 野党共闘(立憲・共産・社民・れいわ)による政権交代を期待して投票しても、野党第一党(立憲)の党首が選挙前から「単独政権を担う」と明言している以上、その期待は裏切られる可能性が高い。(そもそも立憲単独で政権を担えるだけの議席を今回の衆議院選挙で獲得できる可能性は低く、立憲が今回の衆議院選挙で政権交代を本気で目指しているのか大変疑わしい

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。

2021年10月24日 犬飼淳

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P.S.

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