NHK「菅首相がG7の議論を主導した」は本当か? 海外メディア報道で検証
こんにちは。犬飼淳です。
2021年6月13日に放送されたNHK ニュース7の内容が物議を醸しています。
イギリスで開催されたG7において「菅首相が途上国へのワクチン普及の議論を主導した」と現地入りした記者が伝え、さらには「菅首相 議論を主導」というテロップまで画面に大きく表示したのです。
*実際の画面テロップや報道内容はリテラ記事を参照
英語が喋れない菅首相が各国首脳との談笑の輪に全く入れずに孤立している姿は既に写真や動画で広く拡散されていたため、NHK報道の信憑性を疑う声が続出しました。
しかも、よりによって議題は途上国へのワクチン提供。
アメリカやイギリスのような自国製のワクチンは無く、ワクチン普及は途上国並みに遅れ、首相は英語が全く喋れないのにどうやって議論を主導するのでしょうか?
そこで今回のニュースレターでは海外メディアの報道内容に着目して、このNHK報道の真偽を検証します。具体的には、BBC、CNN、アルジャジーラの3社がG7の途上国へのワクチン提供決定について報じた記事に各国首脳の名前が登場した回数を数えます。

結果は、上記の棒グラフのようになりました。
議長国であるイギリスのジョンソン首相が計11回とダントツ首位であり、途上国へのワクチン10億回分の提供を決定した発表や議論を主導した様子などについて頻繁に登場しています。
2位はアメリカのバイデン大統領で5回。自国のファイザー製ワクチン5億回分供与の発表を始めとして、度々登場しています。
3位はフランスのマクロン大統領で2回。ワクチンの公平な分配に関する発言などが取り上げられています。
そして、日本の菅首相は0回。途上国のワクチン提供決定という議題において、NHKの報道では議論を主導しことになっていますが、海外メディアの報道では菅首相は存在すらしていません。
*念のため、3社以外の海外メディアの報道も確認しましたが、途上国へのワクチン提供決定を伝える記事において、Yoshihide Sugaの名前を見つけることはできませんでした。
この事実が指し示すことは、議長であるジョンソン首相が議論を主導しつつ、バイデン大統領がファイザー製ワクチンの提供で具体的な役割を果たし、マクロン大統領は要所の発言で存在感を示したのが現実ということではないでしょうか。
ここまで読んだ方から「ただ名前が登場すれば良いわけではない!」というツッコミが来ることを想定して、海外メディア3社の報道においてG7首脳の名前が具体的にどのように登場したのかを記事本文と筆者の拙訳を交えて紹介していきたいと思います。
提携媒体
コラボ実績
提携媒体・コラボ実績
