【横浜市長選挙2021】田中康夫候補 街頭演説 文字起こし(2021年8月14日 横浜駅西口)1/3

横浜市長選挙に向けたニュースレターの7回目。田中康夫候補が2021年8月14日夜に横浜駅西口で行った約55分間の街頭演説の文字起こしを3回に分けて、お届けします。
犬飼淳
2021.08.15
誰でも

こんにちは。犬飼淳です。

8人の候補者が立候補し、8月22日の投開票まで1週間となった横浜市長選挙について7回目のニュースレターをお送りします。

今回は田中康夫候補を初めて取り上げます。

具体的には、2021年8月14日18:30から横浜駅西口の高島屋前で行われた約55分間の街頭演説(辻説法)の全文を文字起こしします。ボリュームが多いため、3回に分けて配信する予定です。

今回は、冒頭の約16分間の内容をお届けします。中学校の完全給食導入、偽りの「待機児童」解消、18区ごとの独自予算計上、などに焦点が当たっています。

*演説の全編はYoutubeで視聴可能

<表記の注意事項>

  • 太字は筆者が重要と判断した箇所
  • * 斜体文字 は用語や背景知識の補足説明
  • ( )は現場の様子の補足説明

文字起こし

お待たせ致しました。

私はこの横浜の街を皆様と一緒により良く、本当に名実共にですね日本の他の皆様が憧れる、そして住んで良かったと思える街にするべく立候補をしました田中康夫でございます。どうぞよろしくお願い致します。

(田中氏、聴衆に向かって深く一礼する)

(聴衆からの拍手に対して)ありがとうございます。今日は雨模様の中をですね、多くの皆さんに動員をしたわけでもないのに、何か色んな各地からですね、湧いてきたという感じでございます。

(聴衆と本人の間を指で示して)距離がございます。私もマスクをしておりますし、喋り終えた後、皆さんともう1枚、チラシをお持ち頂く時にはマスクをしますが、他の場所でも少し耳の不自由な方の中には口元が見えた方が良いとおっしゃる方もおりまして、皆さんにお許しを頂いて、7月8日の会見の時からマスクをとってお話をさせて頂きますので、ぜひお許しを頂ければと思います。それでは、よろしくお願いします。

(田中氏、KF94マスクを外して、ズボンの後ろポケットに仕舞う)

今、フランスの放送局の準備が出来る前にお話ししたように私は6年前から地元のFMヨコハマで「たまらなく、AOR」という音楽の番組を担当して参りました。AORというジャンルはですね、ジャズとかロックというのはメッセージとかイデオロギーが全面に出ますが、AORはそうですね、皆さんがご存知のだと、ダイアナ・ロスであったり、あるいはボズ・スキャッグスであったり、バリー・マニロウであったり、あとはソウルでテディ・ペンダーグラスとか、クール&ザ・ギャングとか、ちょっと渋いところまでですね、こういう音楽でございます。私は大学時代から、1970年代からこの手の音楽が好きで、輸入版のレコードを家庭教師のバイト代が入ると買ってきまして、7~8000枚あって、AORの本を、「たまらなく、アーベイン」という本も80年代に出しておりまして。「こういう番組をやらないか」と。「FMヨコハマで、お前の選曲で」、そして、「いっぱい喋る人だけど言葉少なに喋ってみない?」と言われて6年前から番組をしてきて参りました。毎週火曜日から水曜日になる午前0時より。今はちょうど選挙ですので、お留守番DJという女性の方が行って下さってます。2週に1回、ランドマークタワーまで収録に参りまして、終わるとコロナの前でございますから、20代、30代、40代の若いスタッフと食事に行ったり。

あるいは私の友人でも学生時代、横浜や湘南出身だったり、あるいはそうでなくともこの横浜、18区ございます。378万人の人口です。この横浜に家を建てて、マンションを借りて住んでる友人と会うようになりました。するとですね、皆さんも感じられていると思います。いろんなアンケートで横浜は住んでみたい街、憧れの街で常に上位に挙がってくる。けれども実際に住んでみると、福祉や医療や教育は、お隣の川崎や、あるいは世田谷よりも、もうちょっと横浜は良くなった方がいいんじゃないかというところがたくさんあるということをたくさん聞いてまいりました。

私も2000年から2006年、当時まだ44歳でしたが、戦後55年間、私は東京で生まれまして、小学校2年から高校を出るまで長野県の上田と松本というところで過ごしました。で、大学に入ってからずっと東京だったんですが、2000年にですね、長野県の知事選に立候補して。普通は4年なんだけど、私は悪い子だって長野県の県議会に言われて2年間で中間試験があったんですよ。不信任というやつ。で、そこで再選をされて6年行いました。

*田中氏は脱ダム宣言など多くの改革を行ったことで長野県議会との確執が生じ、2002年7月に議会は知事不信任決議を可決。同年9月、田中氏は失職後の知事選挙で約64%という圧倒的な得票率で圧勝して再選された。田中氏は2位に40万票以上の大差をつける約82万票を獲得した。

(雨足が強くなってきたことに対して)すいません。雨が強くなってきたのに申し訳ない。

で・・、(自分自身に問いかけるように)なんでこんな話になったんだ? 長野県の話になっちゃったのは何故だ?

(急に思い出したように)あ! 長野県にはいました。なんで横浜だっていうと、長野県の時にも長野県は財政がオリンピックをやった2年後で、大変な大赤字で、でもそのことを地元のメディアもみんな黙っていた。私になったら急に「財政が苦しい」って言われて、その財政を健全化しながらも、小学校の30人学級を全国で最初に導入したりしました。

パンフにも書いてありますが、福祉や医療や教育・・・・・、(首を傾げながら)「や」っていうとアレだね、福祉・医療・教育って言わないと。聞いた時に、福祉や医療や教育って、なんか投げやりに聞こえちゃうんで、言葉ってのは難しいです。福祉・医療・教育は、皆さん考えてください。人が人のお世話をして初めて成り立つんですよね。どんなに立派な病院で、どんなに立派な検査機器があっても、その検査機器が示した数字を、心配な患者さんにきちんと丁寧に説明できる医師や、その方をケアできる看護師がいたり、あるいは検査機器を用いる技師の方。人間がいて初めて成り立つのが福祉や医療や教育です。とするなら、福祉や医療や教育こそが、コンピュータだ、AIだ、と言われる時代において、人が人のお世話をすることで地域に雇用が生まれ、それは活力になることだと私は思います。立派な経済評論家とか、テレビに出てくるジャーナリストは、「そんなもの違う」って、おっしゃるかもしれないけど、シンプルに考えたら私はそうだと思うんですよ。長野でもそういうことをしてきました。

この横浜においても、福祉や医療や教育がまだ行き届かないところがあるならば、基本原則に基づいて、地元の人たちに雇用が生まれ、地元の人たちが勇気や希望を持てるようにすることが私は行政の役目だと思ってます。なぜなら、行政は皆さんから先にお代を頂戴してるんですよ、税金という。今、皆さん、横浜の駅の周辺でお買い物をされたかもしれない。良い商品だと気に入って、良い接客だから心地よくて、あとからお代が入ってくるんですよ。行政は違いますよね。先に皆さんから税金を頂戴する。何に使うかも言わないんです。「ホームページに書いてあります」と言ったって、横浜の予算は3.9兆円ですよ、皆さん。日本最大の予算ですよ。3.9兆円、どこに使っているかなんか事細かには分かりません。でも、福祉や医療や教育というものは単体では採算とれないかもしれません。あるいは道路をつくることだって、有料道路ならともかく、ここは税金を使ってつくるけども、採算はとれなくてもみんなのために必要なことってあります。難しい言葉で言うと、社会的共通資本って言うんですけどもね。教育もそうです。私はそれが行政の役目だと思ってます。

そこに則って、(チラシを示しながら)ここに12の取り組みというものを書きました。

*12の取り組みの詳細は、田中康夫氏のウェブサイトを参照ください

この間もですね、たまプラーザで質問を受けて、「田中さん、12個しか書いてないの?」と言う人もいます。いや、中には100個くらい公約を書いている人もいるらしい。でも、100個は自分で考えて書いたのかな?と私は思うし、100個書いても当選した後、5個くらいしかやらない人がいたり、残りの5個は書いてあることと違うことを、周囲からの圧力が加わってやるっていうのを私たちは今まで全国の政治でたくさん見てきたと思います。私は少し不器用かもしれませんけど、長野の時も県民が望んでいること、そして私が信じることを皆さんに伝えて、職員の協力を得てやってきたと思います。

(12の取り組みが書かれたチラシを示しながら)この紙の中に入りたいと思います。一番上に書いたのが、中学校に温かい完全給食を導入すると書きました。全国20の政令指定都市というのがあります。横浜は政令指定都市の中で一番、人口の多い街です。378万人。全国20の政令指定都市で中学校の学校給食が無いのは横浜市だけです。と言ったら、ある市会議員の人が、「いや今年からほとんどの市議会議員が賛同して、ハマ弁という冷たいお弁当をやってたけど、これはさすがに中学生の0.1%しかとらないんで」、ホームページに書いてあるんですよ、市の、「それの進化系でデリバリー型給食を始めたから給食はやってます」と言うんです。写真見たんですよ、ホームページで。皆さんも見たことあるかもしれません、中学生のご家族がいれば。ケースだけ立派になったけど、同じ特定の業者が外から持っている、お弁当ですよ。

*デリバリー給食の詳細や画像イメージは、横浜市ウェブサイトを参照ください

デリバリーって、皆さんもピザだけじゃなくて、最近はコロナ禍でいろんなものをとるかもしれないけど、デリバリーは温かいものは温かく届けてくれませんか?

(「そうだー!」と聴衆が声をあげる) だよねー? 温かくないのにデリバリー給食って、しかも給食室から持ってくるわけでもないのに、ちょっと嘘っぽくありません? 中学には給食が無い、で、市の教育委員会は「敷地が狭いから給食室をつくれない中学がある」と言っている。全国20の政令指定都市で、例えば北九州は工業都市で横浜よりも面積ははるかに狭いですよ。なんで給食はできてるんですか?

私は、小学校には全部給食は今あるんだから、ならば、小学校はほぼ中学校に隣接してますよ。小学校から車で20分もある所に中学校はたぶん無いと思う。1校くらいあるかもしれないけど。ならば、小学校の給食室を少し、申し訳ないけどプレハブの部分もつくって、スタッフも増やして、そこから車で5分のところの中学に運ぶ。私は温かい給食を速やかに全ての中学生にと思ってます。と言ったら、ここでもメールを頂いたの。「デリバリー給食ってのが、田中さん、温かい給食と言っても、給食やってるよと難癖つけられる。だから必ずチラシには、温かい給食の完全給食を導入と書くべきと言われたの。そういう用語を使った方が良いと。でも、今まで他の自治体でね、給食を「完全」とか付けてる自治体は無いと思うんだよね。でも、いずれにしてもこれをやります。そして、将来的には、きちんと各中学校に給食室をつくるということ。全国の自治体は給食センターという大きなのをつくって運んでると、給食をつくっている人の顔が見えないからと言って、残す率も高いということで、各学校に自校給食方式を導入してるんですよ。横浜は周回遅れどころか、周回の輪の中にすら入れてないのかなと私は思ってます。

もう1個だけ、小さなお子さんの話をします。皆さんも横浜は何年か前に、東京のご勤務の方とかは、「横浜って待機児童がゼロになったんだね」と言われたと思います。皆さん、お子さん居なかったりして、「あー。そうなの?」って思ったかもしれない。横浜市のホームページには、「待機児童は今年の5月で16人しかいません」って書いてあります。でもね、その下にね、横浜市しか使ってない言葉で「保留児童」って言葉があって、(資料を確認しながら)正確に言うと、2842人の保留児童がいるって書いてある。保留児童って言葉を使っている日本の自治体は横浜以外にどこにもありません。保留児童って、どういう意味かと言うと、保育の施設に入れなかったので、保護者の人が育児休暇をもう1年延長して、お家で面倒を見ている。育児休暇を延長できる職場じゃなかったので、職場を1回お休みしたり退職をしている。そうやって家で保護者が見ているお子さんは待機児童ではありません。保留児童です、と書いてある。

*横浜市の待機児童および保留児童の報告は、横浜市ウェブサイトを参照ください

いいんですか? これで。横浜以外は保留児童って言葉、使ってないんですよ。お隣の川崎も東京の世田谷区もみんな、待機児童。待機児童はゼロにするのは難しいかもしれないけど、少なくとも待機児童がこれだけいますと正確に言って、だからこのように努力しますと言うのが、本来、税金を頂戴している行政の役目では無いでしょうか、皆さん。私は少なくともそう思う。私には子供がおりませんで、妻のメグミと、10歳になるトイプードルのLottaというオシャマな女の子と3人暮らしで、中区の山手町のワシン坂の近くに住んでおりますけども、そうしましたら横浜の保育園、こども園の園長会の方々から連絡があったんです。私の7月8日のホテルニューグランドの会見をYoutubeでご覧になって、もう12万回くらい再生されてるんですけども、「田中さんが長野でやった保育のこともよく知っている」と。「横浜は、保育園にも空きがあるんだ」と。そして、「国は0歳から3歳までを20人以下で預かる小規模保育に対しては、きちんと支援の制度もあるんだ」と。「でも、横浜市は我々がそのことを陳情してもなかなか動きが鈍い。是非それを一緒に変えて頂きたい。そうすれば、0歳から3歳までのお子さん達をもっときちんとお預かりすることができる」と言われたんです。

なんで、そんな具合なのか分かりますか? 横浜市には今、保健所がたった1個しかありません。378万人の街なのに、34階建ての市役所の中にしかありません。各18区にも確かに福祉や保険を扱う部署はあります。しかし、大きな問題は、横浜市は予算を全部、市役所が決めている。区役所が区の実情に応じて予算を計上することができないんです。皆さんがお勤めの会社も巨大な会社かもしれないし、あるいは関連会社かもしれないし、分社されているかもしれないけども、どんな会社だって、その現場に応じた予算は、本社は基本方針を立てますよ。でも、各関連会社や事業会社や、あるいは営業所がそれぞれ裁量を持った予算というのがあるはずです。横浜市には各区役所の裁量の予算が無いんです。私は4月12日に65歳になって、その日に中区の区役所に妻と行って、住民票の移転をしました。現場の職員はとっても誠実で、テキパキとしてて、でも事務的ではなく、とても人間的で。65歳になったので、年金を担当する人の説明もとても的確だった。でも、組織としては、保育の人たちが困っているのに、その予算を対応しようとしないのは34階建ての建物が全て決めているからだと私は少なくとも思います。長野県の知事を 6年務めてきた人間として。横浜の各18区に保健所をつくろうなどいうことを私は申しません。それは単なる箱物行政ですから。そうではなくて、各現場の実情に応じて、予算を組めるような体制にしていくことがとても大事なことだと私は思っています。

***

冒頭の約16分間の文字起こしは以上です。

残りの約39分間は、これから配信予定のニュースレターで2回に分けて公開します。私の気力と体力に依存するので、次の配信日時を明確にアナウンス出来ないのは申し訳ないですが、ご理解頂けると幸いです。

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2021年8月15日 犬飼淳

***

P.S.

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