【独自】データを捻じ曲げ、インボイス反対の声をかき消すフリーランス協会の正体

「フリーランスの代表」かのように振る舞いながら、実際は大半のフリーランス当事者とかけ離れた声を政治に届けていたフリーランス協会。公式記録(税制調査会 議事録)や関係者(政治家、某業界団体、協会内部)による証言に基づいて同協会の実態を告発します。
犬飼淳 2023.02.27
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*公共性が非常に高いと判断したため、前半まではメールアドレス登録不要で誰でも読めるように開放します。お気軽にお読み下さい。

*慎重を期すため本件について平田麻莉代表への対面取材を申し込みましたが、応じて頂けなかったため、それ以外の方法で得たエビデンスに基づいて公開に踏み切りました。

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この記事を書いた理由

  • フリーランス協会はあたかも「フリーランスの代表」かのように振る舞いながら、「多くのフリーランスはインボイスに反対していない」「フリーランス協会はインボイス支持」などインボイス導入を後押しするメッセージを政策決定の場に届け続けている

  • 「フリーランスの代表」を騙りつつ、本来は守るべき会員(=フリーランス)に不利益を与えており、悪質な裏切り行為と言える

この記事で理解できること

  • フリーランス協会が長きにわたってインボイス反対運動の妨げになっていたこと

  • さらに、インボイス導入を後押しする働きかけまで水面下で行っていたこと

  • フリーランス協会は何者なのか。いったい誰のために働いているのか

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「フリーランス協会」 という組織をご存知でしょうか?

正式名称は「一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」。アドバイザリーボードには著名人の名前が並び、一定の信頼を置いている方も多いのではないでしょうか。

石山恒貴(法政大学大学院政策創造研究科 教授)、大内伸哉(神戸大学法学部研究科 教授)、治部れんげ(ジャーナリスト)、白河桃子(少子化ジャーナリスト、作家)、高橋俊介(ピープルファクターコンサルティング代表取締役社長、慶應義塾大学SFC研究所上席所員)、中西穂高(帝京大学教授・知的財産センター長)、花田光世(慶應義塾大学名誉教授)、柳川範之(東京大学 大学院経済学研究科・経済学部 教授)
フリーランス協会 アドバイザリーボード (2023年2月12日時点) *五十音順

<a href="https://www.freelance-jp.org/pdf/join.pdf">フリーランス協会 2022年入会パンフレット</a>に掲載された事務局メンバーの合宿風景 *「自律的にキャリアを築ける土壌をつくり、多様で柔軟な働き方を体現できる社会へ!」というキャッチコピーとともに掲載

フリーランス協会 2022年入会パンフレットに掲載された事務局メンバーの合宿風景 *「自律的にキャリアを築ける土壌をつくり、多様で柔軟な働き方を体現できる社会へ!」というキャッチコピーとともに掲載

同協会の活動内容に目を向けると、「自分の名前で仕事をしたい人(=フリーランス)のためのインフラ&コミュニティ」を掲げており、言葉通りに受け取れば「フリーランスの味方」のように見えます。一見すると入会によって様々なメリットを受けられる反面、デメリットは特に無いように見えます。

また、活動概要の①として真っ先に「政策を実現する」が挙げていることが示す通り、内閣府 税制調査会参議院  国民生活・経済に関する調査会を始めとして政府・国会・自治体への働きかけも積極的に行っています。その際、後述の「フォロワー総数」の多さを根拠に「国内最大規模のフリーランスネットワーク」であると自称し、平田麻莉代表を中心に政策決定の場へ声を届けています。

しかし、「フリーランスの代表」を名乗りながら、大半のフリーランスとは真逆の意見を伝えていたとしたら、どうでしょうか?

もっとハッキリと言えば、「フリーランスの味方」を装いながら、実際はフリーランスに不利益を与える内容を政策決定の場で伝えて意思決定を歪めていたとしたら、どうでしょうか?

同協会は1万以上の有料会員を抱えているため、お金を支払っている顧客(=有料会員のフリーランス)すらも欺いていると言えます。

それは、すべてのフリーランスに対する重大な裏切り行為ではないでしょうか?

今回のニュースレターでは、公式記録(税制調査会 議事録)や関係者(政治家、某業界団体、協会内部)による多数の証言に基づいて同協会の実態を告発します。

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データを捻じ曲げ、「多くのフリーランスはインボイスに反対していない」という虚偽を税制調査会で説明

本章の主なエビデンス:税制調査会の議事録およびヒアリング資料

2022年5月17日、 「働き方の変化」をテーマに開催された内閣府 税制調査会にフリーランス協会 平田麻莉代表は外部有識者として参加。フリーランスの実態についてヒアリングを受けています。

ヒアリング開始時、平田代表は冒頭にも紹介したこちらの資料を真っ先に提示。「フォロワー総数」が多いことを根拠に、「国内最大規模のフリーランスネットワーク」を自称しています。

口頭でも以下のように説明しており、自らが「フリーランスの代表」であると印象付けています。

平田麻莉代表「会員規模としてはフォロワー総数が6万6000人を超えており、我々が提供している保険や福利厚生を使っていただいている有料会員も1万人を超えていまして、国内最大規模のフリーランスネットワークであるとご認識いただいていると思います」

しかし、この「フォロワー総数」は有料会員・無料会員・SNSフォロワー(Twitter、facebook、Instagram等)を全て合算するという特殊な算出方法を用いているため、当然ながら重複があります。

*同協会はこの算出方法を継続的に使用し、今現在も公式Twitterのプロフィール画面で大きくアピール。上記資料の提示から約9ヶ月が経過した現在、「フォロワー総数」は約2万名も増えて、84142名に達している。わずか9ヶ月で約30%という驚異的な伸び率で規模を拡大しており、日に日に存在感を増している。

(2023年3月2日追記)しかも、Twitterとnoteのプロフィール画面ではSNSフォロワー(重複あり)を含む人数を「会員総数」と記載。2023年2月時点で あたかも会員が8万人超もいるかのような誤解を招く表現をしている。

フリーランス協会 公式note プロフィール画面(2023年2月28日時点)

フリーランス協会 公式note プロフィール画面(2023年2月28日時点)

このようにして算出した「フォロワー総数」の多さを根拠に自らが「フリーランスの代表」と印象づけた後、平田代表はデータを捻じ曲げてまで「多くのフリーランスはインボイスに反対していない」という虚偽の内容を説明し始めます。

平田麻莉代表「26ページ目ですが、同じくよく話題に上るインボイスの対応についても聞いております。一部SNSなどで、インボイス絶対反対だとか、フリーランスいじめだという言説も見受けられますが、実際にデータを取ってみると自由回答の中身も含めて割と冷静に受け止めていらっしゃる方が多いという印象でした。既に登録事業者になっている方や、なる方向で検討している方も4割ぐらいいらっしゃいますが、逆になるつもりはないと決めている方も1割いらっしゃり、あとは分からないという方が4割ぐらいいらっしゃいます」

平田代表は「一部のSNSではインボイス反対の声は見られるが、データでは冷静に受け止めている人が多い」という趣旨の説明をしていますが、根拠として示した資料を見れば、とんでもない詭弁であるとすぐに分かります。

このアンケートの問いは「あなたは現在どのように(インボイスに)対応しようとお考えですか」であって、そもそもインボイスの賛否を問うものではないのです。インボイス発行事業者にならなければ様々な不利益(市場からの排除、報酬の値下げ 等)を受けるため、「インボイス絶対反対!」の立場であるものの登録事業者になるべきかは結論を出せずに「わからない/答えたくない」(43.2%)を選んだ回答者は相当数いたことでしょう。

この一例だけでも平田代表が平気でデータを捻じ曲げる人物であることはお分かり頂けたでしょう。しかし、議事録を見る限りでは、この初歩的な詭弁に疑問を唱えた委員はいなかったようです。

平田代表の詭弁はまだまだ続きます。年収別のインボイス対応の違いに話が及ぶ中で、次のように説明。

平田麻莉代表「もちろん収入によってインボイスとへの対応方法も異なっているわけで、収入が高いほど既に登録事業者になろうと決めている方の割合が多いというのもデータが示す通りですが、だからといって収入が低い方でも必ずしもなるつもりはないとか、インボイスに反対する人が多いかというと、自由回答を見てもそこまで顕著ではないという印象でした」

平田代表は「収入が低いからといってインボイス反対の声が多いわけではない」という趣旨の説明をしていますが、根拠として示した資料を見ると、これもとんでもない詭弁です。

<a href="https://www.cao.go.jp/zei-cho/content/4zen10kai3.pdf">内閣府 税制調査会 (2022年5月17日)フリーランス協会ヒアリング資料</a>  P27「インボイス制度 回答数上位5職種/収入別 登録検討状況」

内閣府 税制調査会 (2022年5月17日)フリーランス協会ヒアリング資料  P27「インボイス制度 回答数上位5職種/収入別 登録検討状況」

このP27は、先ほどのP26で示したインボイス制度登録の検討状況を職種(左側)と収入(右側)に分けて集計し直したものです。もともとの問いはインボイスの賛否を問うものではないですから、そもそも反対が多いか少ないかに言及できるようなデータではないです。

このデータから収入の大小に着目して指摘できるのは、せいぜい「収入が低くなるほど、インボイス登録について『分からない/答えたくない』と答える人は多くなる」ことくらいではないでしょうか? その中には、「インボイス絶対反対!」の立場である人は相当数いることは想像に難くありません。収入が低いほど実質的増税であるインボイスの影響は大きいのですから。

こうした背景があるにもかかわらず、「分からない/答えたくない」と答えた大多数の解釈について平田代表の詭弁は続きます。

平田麻莉代表「多くの方がそもそも制度も分からない、理解ができないということもあるでしょう(中略)インボイスに反対する方の多くは、SNSや実際私たちに届いた意見を拝見すると、必ず課税事業者にならなければいけないとか課税事業者になったら売上の10%をそのまま納税しなければならないという誤解をされていたり、免税事業者のままでいたら仕事を切られるぞという言説を見て不安を煽られているようです。制度をしっかり理解していただくと、必ずしも課税事業者になることを強要される制度ではないということや、簡易課税制度で自らも消費税額控除できること、お仕事に関してもどちらかというと需給バランスで決まるものであり、価格交渉していく前提でしっかり値上げをするチャンスにしたいと考えていらっしゃる方もいらっしゃるので、その辺りをしっかりと制度の説明も含めてしていくことで、冷静に自分はどうしたら良いのか判断することができる方が増えるのではないかと思いますし、その情報提供のサポート、相談のサポートを当協会としてもしていきたいと思っております」

インボイス発行事業者にならなければ様々な不利益(市場からの排除、報酬の値下げ 等)を受けるため、課税事業者(≒インボイス発行事業者)に登録せざるを得ないという大前提を完全無視し、「理解が足りていないために反対している者がいる」という明らかな虚偽を平田代表は伝えているのです。そして、この虚偽説明の直後、税制調査会 会長を務める中里実氏(東京大学 名誉教授)はこのように会を締め括っています。

中里実会長「このようにデータで見せていただくと非常に分かりやすいです。どうもありがとうございました。活発な御議論、御意見を頂戴し、大変有意義な会合であったと思います。(中略)改めまして、大内先生、濱口所長、平田代表におかれましては、本日は貴重なお時間を頂戴し、心より感謝申し上げます。 これで本日の議題は終了となります」

議事録を見る限り、平田代表の一連の初歩的な詭弁に疑問を唱えた委員は残念ながら最後まで現れなかったようです。このようにして、平田代表はデータを捻じ曲げてまで「多くのフリーランスはインボイスに反対していない」という虚偽を税制調査会で説明し、政策の意思決定を歪めたのです。

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「フリーランス協会はインボイス支持」と与党政治家に意見表明し、反対運動を妨害

本章の主なエビデンス:自民党 山田太郎議員のYoutube発言

平田麻莉代表の裏切り行為はこれにとどまりません。会員(=フリーランス)の声とは真逆にあたる「フリーランス協会はインボイス支持」という意見を与党政治家に伝え、長きにわたってインボイス反対運動を妨害していた疑いが濃厚なのです。

2021年2月24日に参議院で開催された「国民生活・経済に関する調査会」に平田代表は参考人として出席。フリーランスの働き方について国会議員に対して意見を述べています。

*詳細は当日の会議録参照

同会の正式な質疑ではないため議事録には残っていないものの、当日に平田代表は驚くべき発言をしたことを自民党 山田太郎 参議院議員は後に自らのYoutubeで明かしています。かねてよりインボイス制度への問題意識を発信してきた山田太郎 議員は自民党の中では珍しい存在であり、中止・延期にするためにもフリーランス協会として「インボイス反対」の意思表明を明確にしてほしいと伝えたところ、逆に「フリーランス協会はインボイス賛成(もしくは支持)」と返されたと言うのです。

以下、山田太郎議員のYoutubeにおけるやり取りを紹介します。

*補足説明が必要な場合、適宜()で記載

【山田太郎 議員】実は、この時(2021年2月24日)の「国民生活・経済に関する調査会」に フリーランス協会の(平田)代表が(参考人として)来てたので、この日は(インボイスは)直接の議題にはならなかったけど、「フリーランスの問題なんだから、まずはフリーランス協会が(インボイス反対と)立ち上がってほしい」という申し入れはこの段階で(平田代表に)直接やってる。アンダーでやってるので、質疑の(議事録の)中には入ってませんけど。その時の正直に言われたのは、「フリーランス協会としてはインボイス賛成」と。

【萌生めぐみ】(驚いた様子で)えー!

【山田太郎 議員】(平田代表に)何を言われたかというと、「インボイス制度が始まったとしても、その(増税)分の価格を転嫁できないといけない。(中略)そもそも論として、「低報酬がおかしい」と。「フリーランスをやるなら税金を払えるくらいの報酬があって、個人事業と初めて言えるので、そういうことを目指さないといけないのだから、(現状のように)免税の状態にあることは必ずしも良いことではない」と言われた。(平田代表がそのような態度なので、こちらの思惑は)ちょっと崩れちゃった・・。

【萌生めぐみ】(平田代表は)強いな・・。

【山田太郎 議員】正論なんだけど、とはいえ(免税事業者は)価格にすぐに転嫁できないし、実際には低報酬の問題はあって、だからこそ下請法見直しや補助、コロナで潰れそうだったことに関しては支援金でサポートしたりしてきた。そういう(フリーランスへの)サポートは一杯やってきたが、フリーランス協会は今(2022年12月時点)でも「インボイス支持」なんで・・。

この衝撃的なやり取りからは、与党議員からのせっかくのインボイス中止・延期に向けた働きかけに対して、平田代表は「フリーランス協会はインボイス賛成(もしくは支持)」と伝え、インボイス反対運動の流れを止めてしまっていたことが分かります。

さらに9ヶ月後の2021年11月19日、山田太郎議員はインボイス反対の機運を高めるために改めてフリーランス協会にヒアリングを実施。しかし、そこでも平田代表は「フリーランス協会はインボイス賛成(もしくは支持)」と伝えていたのです。

2021年11月19日に実施したヒアリングのオンライン会議画面 *画面右側のリモート参加者の<b>上から3番目</b>が平田代表(zoom背景に<b>「ひらたまり解説中!」</b>と表示)

2021年11月19日に実施したヒアリングのオンライン会議画面 *画面右側のリモート参加者の上から3番目が平田代表(zoom背景に「ひらたまり解説中!」と表示)

以下、同様に山田太郎議員のYoutubeにおけるやり取りを紹介します。

*補足説明が必要な場合、適宜()で記載

【山田太郎 議員】やっぱり、(インボイス反対の)世論を形成しないと、議員が一人でやっていてもキツいということで、フリーランス協会の平田代表を含めて、改めてヒアリングしています。この時は、議員になる前の赤松さんにも入ってもらってます。でも、やっぱり「フリーランス協会としては、インボイス制度に賛成」と。「賛成」というか「承諾」であると言われちゃったんです。

このやり取りからも、フリーランス協会の平田代表は水面下でインボイス反対運動を実質的に妨害し続けていたことが読み取れます。

現に、今年2月17日にフリーランス協会はインボイス導入を大前提に、フリーランス側が報酬値上げを働きかけるという趣旨の「インボイス2%〜アクション」の開始を発表。取引先との価格交渉が難しい大多数のフリーランスではなく、ごく一部の強い立場のフリーランスを前提に物事を考えていると改めて露呈しました。

***

山田太郎議員 証言に対するフリーランス協会の反応

本章の主なエビデンス:フリーランス協会 有料会員(オオスキトモコ氏)の問い合わせ結果、筆者のフリーランス協会への問い合わせ結果

ヒアリングから1年以上が経過した2022年12月、山田太郎議員が衝撃的な内幕をYoutubeで暴露したことによって、フリーランス協会の実態が少しずつ一般にも知られるところになり、同協会の会員であるフリーランスを中心に疑問と怒りの声が巻き起こりました。

同協会の有料会員であるイラストレーター オオスキトモコ氏は山田太郎議員が明かした平田代表の発言「フリーランス協会はインボイス賛成」の真偽を同協会へ2022年12月30日に問い合わせ。翌月10日に以下の回答を得ています。 *太字は筆者の判断

山田議員のYouTubeは、山田議員の解釈でお話しされているものかと存じます。視聴者にとってはあくまで伝聞情報であり、それが事実とは限りません。山田議員と平田の接触は、参議院での名刺交換時の1〜2分の立ち話と、その後ご連絡を頂いてズームでお話しした際の2回です。いずれも録音録画していたわけではなく、山田議員からも録音等の許諾は求められていないため、当時の会話を遡って一言一句を検証することはできないのですが、山田議員が動画の後半で「やはりフリーランス協会としてはインボイス制度賛成。賛成というか承諾ということを言われちゃうんですね」と言い直されているのは、ご自身でも「賛成」と表現するのは不適切であるとの意識が働いたのことの表れかと思われます。その他のご指摘の発言についても、あくまで山田議員の解釈に基づき、山田議員のお言葉で説明されているように見受けられます。
オオスキトモコ氏に対するフリーランス協会 回答(2023年1月10日)

この回答でフリーランス協会は、問題の発言について「山田議員の解釈」「伝聞情報」であるとか「『賛成』を『承諾』と言い直している」であるとか、問題の矮小化に終始しています。本当に問題の発言をしていないのであれば長々とこのような言い訳を述べずに完全否定すれば済む話にもかかわらず、結局は問題の発言を明確には否定できていません。

つまり、仮に「賛成」と明確に発言しなかったとしても、平田代表が「インボイス賛成(もしくは支持)」と受け取れる意見を山田太郎議員に伝えたことは間違いないと考えられます。

こうした不誠実な回答を受けて、オオスキトモコ氏は同協会の真意を1月12日に改めて問い合わせものの、その後は一切反応が無い状態が続いています。協会のスタンスに関する有料会員からの問い合わせにもかかわらず、完全に無視しているのです。

*問い合わせの経緯はオオスキトモコ氏の以下ブログ参照

また、筆者もこの件(山田太郎議員が明かした平田代表の発言「フリーランス協会はインボイス賛成」の真偽)について同協会へ2023年2月18日に問い合わせ。同21日に以下の回答を得ています。

山田議員のYouTubeでのご発言は、平田ならびに当協会の認識とは異なります。 当協会は、1 当協会の会員の中にも多様な考え方があり一つの総意があるわけではないこと、2 インボイス制度が国民的議論を経て可決された法律であることの2つの理由から、インボイス制度について当協会が一方的に賛成や反対と申し上げる立場にはないと考えており、平田や当協会のメンバーがそのような発言をしたことは、山田議員のみならず、その他の議員や政府関係者に対しても、これまでございません。 平田からは山田議員に対しても、当協会が常々セミナーやブログで発信しているとおりに、実態 調査結果や政府への申し入れ等についてご説明申し上げており、山田議員のYoutubeを発端として事実ではない情報や憶測が拡散されていることに大変困惑しております。
筆者に対するフリーランス協会 回答(2023年2月21日)

先に紹介したオオスキトモコ氏への回答で見られたような「問題の矮小化」は影を潜めましたが、この回答が事実ならば「なぜ山田太郎議員と平田代表との認識のズレを正すために自ら働きかけないのか」という疑問が新たに湧いてきます。そこで筆者は2月23日に以下の内容を改めて問い合わせました。

この回答が事実であれば、通常は以下3点のような行動をとると考えられますが、すでに問題の発言から約2ヶ月半が経過した中、こうした行動はとったのでしょうか。
・誤解を解くために、フリーランス協会の認識を山田太郎議員に直接伝える場を改めて設ける
・(誤解が解けたのであれば)山田太郎議員の発言(フリーランス協会はインボイス賛成)は誤解であったと正式に訂正して頂く
・(認識を伝えることや発言の訂正に応じて頂けないのであれば)山田太郎議員に抗議する
筆者のフリーランス協会への問い合わせ(2023年2月23日)

そして、4日後(2月27日)にフリーランス協会から以下の回答が届きました。

山田太郎議員に対しては然るべき対応を致しておりますが、詳細の回答は差し控えさせていただきます。
筆者に対するフリーランス協会 回答(2023年2月27日)

フリーランス協会が回答を差し控えた理由は、読者の皆様にご判断頂ければと思います。筆者個人の意見としては、平田代表が本当に「フリーランス協会はインボイス賛成(もしくは支持・承諾)」と受け取られるような言動を一切していないのであれば、回答を差し控える理由は何も無いと思います。

***

疑問の声をあげるフリーランスを公式アカウントが煽る

本章の主なエビデンス:フリーランス協会 公式Twitterのツイート

フリーランス協会は公式ツイッターの投稿内容の異様さも度々注目を集めています。昨年12月に同様の問題(フリーランス協会がインボイスに賛成しているため、反対運動の妨害になっている)を指摘されると、「フリーランスのみんながインボイスに反対しているわけではありません。エコーチェンバー効果についてお調べください」等と煽るようなツイート。

フリーランス協会 2022年12月24日ツイート

フリーランス協会 2022年12月24日ツイート

批判を受けて4日後(12月28日)に上記のツイートは削除し、形式的には謝罪に追い込まれたものの、その謝罪文も意味不明で、さらに火に油を注ぐ結果となりました。

*フリーランス協会 公式ツイッターの発信内容の異様さはオオスキトモコ氏の以下ブログ参照

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すでにフリーランス協会の実態は十分に伝わったと思いますが、これらを上回る衝撃的な証言が筆者のもとに複数 寄せられています。

これ以降の目次

  • 国会議員が明言。フリーランス協会はインボイス中止に向けて「一番厄介」で「困った」存在

  • 某業界団体関係者が証言。フリーランス協会は他団体に越権行為をしてまで、組織的にインボイス推進運動をしている *フリーランス協会は疑いを否定

  • フリーランス協会の正体

  • 平田麻莉会長の人物像

  • フリーランス協会の暴走を止めるためにできること

*今回は完全独自の取材に基づいており、続きは有料購読者のみに公開します。通常と異なり、一定期間経過後も無料購読者には公開しません。

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