【独自】島耕作「辺野古日当デマ」で作者は報酬を受け取ったのか

防衛省広報アドバイザーの弘兼憲史氏が 漫画「島耕作」で「基地建設抗議者に日当が出る」とデマを流した問題。防衛省への開示請求で判明した実態をお伝えします。
犬飼淳 2025.01.15
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この記事を書いた理由

  • 沖縄の基地建設をめぐって、一般市民の抗議活動を貶めるデマがこれまで数え切れないほど流布されてきた

  • 悪質なデマには損害賠償判決も下っているが、防衛省広報アドバイザーに就く有名漫画家が大手出版社の雑誌に掲載された長寿漫画で使い古されたデマを流す衝撃的な事態が発生した

この記事で理解できること

  • 開示文書で明らかになった、弘兼憲史氏(漫画「島耕作」作者)は防衛省広報アドバイザーとしての報酬を受け取ったのか否か

  • 防衛省広報アドバイザーへの報酬の支払実績(支払先、支払理由、件数)

  • 開示請求の一部は超長期(2年1ヶ月)の延長決定となった背景

  • 他の省庁とは一線を画す防衛省の開示請求対応の数々

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昨年(2024年)10月17日発売の雑誌「モーニング」に掲載された漫画「社外取締役 島耕作」にて、沖縄県民の登場人物が「辺野古の基地建設抗議者には日当が出ている」と主人公らに説明する場面が登場。当然そのような事実は無く、これは悪質なデマです。こうした基地建設反対運動を貶めるデマはこれまでも数多く流布されてきましたが、特に悪質なデマについては近年の裁判で明確に否定され、デマを流した者には損害賠償が命じられています。

(例)2017年にTOKYO MX(制作会社はDHCテレビジョン)で放送された「ニュース女子」にて抗議者を「テロリスト」「武闘派」と表現したり、あたかも辛淑玉氏が過激な反対運動を扇動する黒幕のように番組を構成。20023年に制作会社は損害賠償550万円が最高裁で確定。 *詳細は週刊金曜日(2023年5月13日)参照

あまりにも使い古されたデマを大手出版社・講談社と有名漫画家・弘兼憲史氏が流布したわけですから、その衝撃は大きく、沖縄県民にとどまらず日本全国で批判の声が殺到。出版社と作者は以下の通り対応に追われました。

10月21日(発売4日後):講談社と弘兼憲史氏が連名で謝罪コメントを発表 *お詫びの相手が「読者の皆様」で沖縄県民は言及されなかったため、謝罪になっていないと批判を浴びる
11月15日:当該漫画の電子版が修正され、問題のデマは削除。同日に講談社と弘兼憲史氏が連名で謝罪コメントの相手に「沖縄の方々」を追記

さらに、弘兼憲史氏は前年(2023年)6月から防衛省広報アドバイザーを務めていることもすぐに発覚。必然的に、以下のような疑惑の目が向けられました。

悪質なデマの流布は防衛省の意向なのではないか

そもそも弘兼憲史氏こそが、基地建設をめぐるデマの流布で報酬を受け取ったのではないか

そこで筆者は防衛省広報アドバイザーの件がSNSを中心に問題視され始めていた10月23日(雑誌発売6日後)、すぐさま防衛省に開示請求。結果、請求対象の一部は昨日(1月14日)に防衛省で交付を受けました。今回のニュースレターでは今回の開示文書(計25枚)に基づいて、防衛省広報アドバイザーの実態をお伝えします。

本編の目次

  • 弘兼憲史氏は防衛省から報酬を受け取ったのか

  • 防衛省広報アドバイザーへの支払実績

  • 他の省庁とは一線を画す防衛省の開示請求対応

*現時点で筆者のみが入手した公文書を含むと見られるため、続きはサポートメンバー限定で公開します。一定期間経過後も無料読者には公開されません。

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