事業者がウェブ回答で隠した神宮外苑再開発の不都合な事実
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この記事を書いた理由
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事業者や東京都が問題だらけの神宮外苑再開発を強行できた要因の一つは、不都合な事実を徹底的に隠すことで抗議活動の活発化を遅らせ、その間に規制緩和や契約を既成事実化させたことにある
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これを放置すれば、悪しき成功事例として他地域でも再開発と称した環境破壊に悪用されてしまう。現に都内では日比谷公園、葛西臨海水族園、小山八幡神社などで類似の手法による環境破壊が進んでいる
この記事で理解できること
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ウェブサイトで受け付けた市民からの質問のうち、事業者が回答を避けた質問
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事業者が回答を避けたことで浮き彫りになった不都合な事実
3つの観点(環境破壊、景観破壊、スポーツ文化破壊)で多大な被害を及ぼす上、東京都や事業者の進め方にも多くの問題を抱える神宮外苑再開発。
*被害の全体像や進め方の問題点について前提知識が無い場合、下記のニュースレターを適宜参照ください
7月17〜19日、事業者(三井不動産、伊藤忠商事、明治神宮、日本スポーツ振興センター)はようやく住民説明会を開催したものの、過去の説明会と同様に参加対象をごく一部(神宮外苑から380m以内の住民・事業者)に限定。周辺住民から成る市民団体ですらメンバーの大半は参加対象から除外されてしまい、事業者にとっては「住民説明会を実施した」というアリバイづくりが最大の目的だったことが露呈しました。
*初日(7月17日)の抗議活動の様子は下記の映像参照
事業者はその埋め合わせのつもりなのか、住民説明会に参加できなかった市民が多数いることを踏まえて説明会初日(7月17日)からウェブサイト「神宮外苑地区まちづくり」 (以降、プロジェクトサイト)で再開発に関する質問を受付。ちょうど3週間後の8月7日、質問174件(7月17日~26日受付分)を事業者が69件に集約してプロジェクトサイトに回答を公表しました。
*7月27日以降に受け付けた質問は、事業者が約3週間おきに公表予定
筆者もこれまでの開示請求で気になっていた点を中心に計7点を質問しましたが、正直に言って回答には全く期待していませんでした。事業者はプロジェクトサイトの質問受付ページで以下のように宣言していたため、筆者が継続的に参加している首相会見 と同様に不都合な質問はニュアンスが大幅に変わるほど省略されると予想していたからです。
可能な限り多くの皆様の疑問やご懸念にお答えするため、質問内容ごとにまとめて順次回答することを予定しています
しかし、この予想は良い意味で裏切られました。
事業者は確かに質問内容ごとにまとめて回答したものの、ありがたいことに質問は原文のまま掲載したのです。
*筆者が質問した全7点は全く省略されていないことを自ら確認しており、他の全ての質問も同様に省略せずに掲載されたと見られる
おかげで事業者がどの質問に答えて、どの質問に答えなかったのかは一目瞭然となりました。そして、回答が漏れている質問、回答したものの論点を逸らしている質問を炙り出していくと、事業者にとって不都合な事実が自然と浮かび上がってきます。
今回のニュースレターでは、8月7日に公表された回答 全69件のうち冒頭15件に着目して、その不都合な事実を確認していきます。
ちなみに事業者が公表した回答は以下の通り14項目に分類されており、今回取り上げる15件の回答は(1)〜(5)に該当します。不必要な建て替え、テニスコートの代わりに無くなってしまう公共性の高い施設、パース図から既に矛盾が浮き彫りになっている神宮球場など問題山積みのため、事業者が露骨に回答を避けていた項目でもあります。
回答漏れを明らかにするため、質問は以下3色に色分けして紹介していきます。
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回答があった場合は青字
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回答で言及はあるが従来通りの形式的説明のみの場合は黄字
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回答が漏れている場合は赤字
©️2023 Jun Inukai *今回紹介する15件のうち神宮球場に関する4件(No12〜15)*詳細は本編で説明
本編の目次
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(1)建て替えが必要な理由 〜甲子園球場リニューアル実績は完全無視〜
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(2)将来なくなる施設 〜富裕層向けテニスコートの優遇は完全無視〜
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(3)工事 〜子供の安全や遊び場は眼中に無い〜
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(4)周辺環境への影響 〜ビル風・景観破壊・騒音の悪化は実質的に認める〜
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(5)神宮球場 〜デタラメな設計の数々が一気に露呈(防球ネットの高さ不足、照明塔・バックスクリーンの漏れ、謎に包まれたバリアフリー対応)〜
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