【信号無視話法】2021年6月11日 平井卓也大臣記者会見(NEC恫喝問題)
こんにちは。犬飼淳です。
2021年6月11日早朝、朝日新聞が衝撃的な記事を公開しました。東京五輪に向けて開発したアプリの開発費用減額に応じさせるため、平井卓也デジタル改革担当大臣が発注先のNECへの恫喝を今年4月の内部会議で指示したことを報じ、しかも、指示をした際の約50秒の音声データまで含まれていました。
公開された内部会議の音声データは以下のような内容でした。
平井大臣:「デジタル庁はNECには死んでも発注しないんで。場合によっちゃ出入り禁止にしなきゃな。このオリンピックであまりぐちぐち言ったら完全に干すから。あれね。ちょっと一発、遠藤(会長)のおっちゃんあたりを脅しておいた方がいいよ。どこかさ、象徴的に干すところをつくらないと舐められちゃうからね。運が悪かったってことになるね。やるよ、本気で。やる時は。払わないよ、NECには。基本的には。」
この発言の背景を解説すると、アプリは観光客や大会関係者の健康管理を目的としており、NECは共同事業者の1社として自社の得意領域である顔認証機能を担っていました。NEC担当分の開発はほぼ完了していたにもかかわらず、海外客の受入中止によって顔認証機能が不要となり、NECは契約金額をゼロにされるという憂き目にあっています。
この記事が公開された同日、平井大臣は記者会見を実施。当然ながら、記者からはNEC恫喝に関する質問が集中。今回のニュースレターでは、当日の記者会見における約17分間の質疑のうち、前半にあたる2名の記者との計5問の質疑をノーカットで検証していきます。具体的には、信号機のように3色(青はOK、黄は注意、赤はダメ)で直感的に視覚化します。*当日の映像はデジタル庁のYoutube で視聴可能
配色ルール

本記事ではこの配色ルールに従って、回答内容を色分けしていきます。
集計結果

2名(全5問)に対する平井大臣の回答を集計した結果、上記の円グラフのようになりました。7割以上を赤信号が占めており、ほとんど質問に答えていません。
いったいどのような質疑だったのか詳しく見ていきましょう。
質疑
1人目 朝日新聞記者(名前は不明)

問題となった発言はあくまでも内部会議で発したものであると平井大臣は主張していたため、たとえ内部であっても大臣発言は相当なプレッシャーになるという点を記者は指摘しています。
しかし、平井大臣は以下のように論点をすり替えており、赤信号としました。
1段落目
【質問】優越的地位にある大臣発言の重み
↓ 論点のすり替え
【回答】優越的地位にあるのはどちらか
3段落目
【質問】優越的地位にある大臣発言の重み
↓ 論点のすり替え
【回答】大臣自らがNECを恫喝したか
回答と呼べるのは2段落目のわずか一行であり、内容は「私はそのように思っていない」という曖昧なものでした。
*以降(2~5問目の質疑詳細)は無料購読の登録者限定で公開しています。
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- まとめ
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