「訂正」の域を超えた、志賀原発トラブルの北陸電力による「隠蔽」(1)

能登半島地震発生後、次々と明らかになる志賀原発のトラブル。10日間(2024年1月1日~10日)のプレスリリースの変遷を整理することで、北陸電力の隠蔽体質を明らかにします。
犬飼淳 2024.01.13
読者限定

*公共性が非常に高いと判断したため、公開直後から無料読者にも全文を公開します

***

このニュースレターはフリー記者の犬飼が「大手メディアが報じない読み応えのある検証記事」を月に4本以上(目安)配信します。皆さんの生活に影響する政策や報道の複雑な問題点を、正しく理解できるように分かりやすく解説しています。

サポートメンバー登録によって運営されており、利害関係に縛られず取材・検証を日々行っており、総理大臣記者会見にも出席しております。サポートメンバー登録(月額600円〜、いつでも解約可)いただくと、以下の特典を得られます。

  • 80本超の有料記事を過去配信も含めて全て購読できる

  • 記者会見での質問内容をリクエストできる

  • 今後扱ってほしいテーマをスレッドで要望できる

サポートメンバーのおかげで私は継続しての運営が可能になり、より多くの報じられることのない事実を検証することができます。応援いただける方はぜひご登録をお願いいたします。

*ニュースレターの重点テーマ、特に反響が大きかった過去のコンテンツはリンクを参照ください

***

この記事を書いた理由

  • 1月1日の能登半島地震発生後、震源地に近い志賀原発のトラブルが次々と明らかになっている

  • しかも、北陸電力はいったんは問題が無いかのような発表をした後に、訂正という形で重大トラブルを遅れて発表することを繰り返しているため発表の信憑性に疑問符が付いている

この記事で理解できること

  • 地震発生からの僅か10日間で北陸電力の発表内容は「訂正」の域を超え、「意図的な矮小化・隠蔽」が強く疑われること

  • 特に津波はあらゆる小細工を用いて問題を隠していること

***

能登半島地震の震源地近くの志賀原発について、北陸電力は問題をいったん小さく発表した後に「訂正」という形で実際はもっと大きな問題だったと明かすことを繰り返しています。訂正に至る期間の短さ、訂正するボリュームの大きさ、発表方法などから判断して、もはや「訂正」の域を超えており「意図的な矮小化・隠蔽」が強く疑われます。

地震発生から10日間(1月1日~10日)の北陸電力の主な訂正の変遷を整理したのが、以下のスライドです。

*いったん問題を発表した後に重大な訂正があった2点(油漏れ、津波)、自らは正式には発表すらしていない2点(放射能、最大加速度)のみ抜粋。この他にも発生2日目以降に遅れて発表したトラブルは多数あり

*訂正の内容は赤字、訂正の内容は青字で記載

*発表内容は北陸電力プレスリリースおよび原子力規制委員会に基づく

©️2024 Jun Inukai

©️2024 Jun Inukai

今回のニュースレターでは、これら4点の「訂正」の変遷を北陸電力および原子力規制委員会の公式発表に基づいて整理し、原子力ムラの隠蔽体質を浮き彫りにします。

*予断を許さない状況の志賀原発に関係するため、公開直後から無料読者にも全文を公開します。メールアドレス登録のみで無料で全て読めるので、お気軽にご登録ください。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、7142文字あります。
  • 2号機の油漏れ
  • 津波の有無
  • 外部への放射能の影響
  • 想定を超えた最大加速度
  • 数えきれないトラブル

すでに登録された方はこちら

提携媒体・コラボ実績

サポートメンバー限定
【独自】横浜市教委 傍聴妨害の新事実(4) ~ついに判明した主犯格。現...
読者限定
緑だけでなく人命まで喪失させる、神宮外苑樹木伐採の計画不備
サポートメンバー限定
【衆院選2024】共産党アレルギーを無効票から読み解く
サポートメンバー限定
【独自】神宮外苑樹木伐採開始の意思決定プロセス
サポートメンバー限定
【衆院選2024】白票キャンペーンによる当落逆転検証
サポートメンバー限定
【衆院選2024】若者心理を悪用した白票キャンペーンの記録
読者限定
国立大学法人法改正案を逸脱した、財界の京都大学私物化
サポートメンバー限定
【独自】横浜市教委 傍聴妨害の新事実(3)  ~報告書から消された重大...