【独自】横浜市教委 傍聴妨害の新事実(3)  ~報告書から消された重大証言~

傍聴ブロックをめぐる横浜市教育委員会の隠蔽はまだ続いていることを、第三者検証報告書(2024年7月26日公表)に関する開示請求結果に基づいて指摘します。
犬飼淳 2024.10.13
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この記事を書いた理由

  • 横浜市教育委員会の耳を疑うような不祥事の隠蔽が次々と発覚している。この状況を招いた背景を踏まえるとこれらはまだまだ氷山の一角であり、隠蔽されたままの不祥事が他にも多数存在することが強く疑われる

  • さらに、同委員会は存在を認めた不祥事については第三者検証を通して自らの責任を矮小化することを常套手段としてきたため、第三者検証結果も鵜呑みにはできない

この記事で理解できること

  • 傍聴妨害開始の実務を担当した2名の氏名、現在の勤務校 *校長・副校長として学校現場に復帰済み

  • なぜか報告書には記載されなかった、第三者検証の結論を根底から覆すほど重大な証言の数々

***

悪質な不祥事と隠蔽を繰り返してきた横浜市教育委員会(以降「市教委」と省略する場合あり)の中でも、特に衝撃的な不祥事と言える傍聴妨害。教員による性犯罪事件の公判で一般の傍聴を防ぐために職員を動員して傍聴席を埋め尽くした、まさに前代未聞の不祥事です。

不祥事発覚から約2ヶ月後の7月26日、市教委は第三者検証の結果を記者レクチャーにて公表。しかし、現地参加した者の所感としては、傍聴妨害の実態が大きく矮小化され、さらに悪質な実態がまだまだ隠蔽されている疑いが次々と露呈する結果となりました。

*約3時間にわたって前後半に分けて開催された記者レクの映像は下記から視聴可。前半は第三者検証を担当した検証チーム(弁護士)による説明と質疑、後半は市教委による謝罪と質疑

しかも、市教委は検証結果報告書(以降「報告書」)全39頁は公表したものの、参考資料60点は別紙に一覧が掲載されたものの肝心の中身は公表を拒否。報告書には相互に矛盾する記述や、明らかに不自然な記述が散見されるため、報告書の信憑性を確かめる上でこれらの参考資料も中身を確認する必要がありますが、わざわざ開示請求しなければ入手できない状況となりました。

2024年7月26日 報告書 別紙1枚目

2024年7月26日 報告書 別紙1枚目

2024年7月26日 報告書 別紙2枚目

2024年7月26日 報告書 別紙2枚目

2024年7月26日 報告書 別紙3枚目

2024年7月26日 報告書 別紙3枚目

そこで筆者は記者レク直後の8月1日に報告書の参考資料40点(法令規則である項番41以降は除外して、項番1~40を指定)など、第三者検証の結果によって新たに生じた疑念について市教委に開示請求。しかし、文書を完璧に特定して開示請求したにもかかわらず、市教委は開示期限の60日延長を決定。

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@jun21101016
最も理解に苦しんだ延長決定は7月26日に公表済みの報告書の参考資料40点(通知書の(2)に相当)。完全に文書を特定済みなので、探す手間はゼロ。

そもそも報告書に付随する内容だから市が自発的に公表すべき内容なのに、自ら隠しておいて多忙を理由に延長決定するのは本末転倒。
2024/08/21 22:18
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*横浜市では対象文書を明確に指定して開示請求しても、通常の開示期限の14日後ではなく60日後に延長することが常態化

結局、60日の時間稼ぎを経て10月1日に一部の開示が決定。10月9日に計600枚超の文書交付を受けたわけですが、開示文書を精査したところ筆者は非常に驚きました。自らの懸念(報告書では傍聴妨害の実態が大きく矮小化されている)を証明する記述が次々と見つかったからです。本来は報告書と同時自発的に公表すべき内容にもかかわらず、市教委が頑なに公表を拒んだことも納得の内容と言えます。

そこで今回のニュースレターでは、開示請求を通して判明した傍聴妨害をめぐる新事実について、特に重要な3点を中心に指摘していきます。

本編の目次

  • 傍聴妨害開始の実務担当2名が判明 ~現在は校長・副校長として学校勤務~

  • 報告書から消された、職員の重大証言「自分に傍聴を指示したのが誰かは分からない」 ~「上司命令に従っただけだから問題ない」という筋書きが崩壊~

  • 報告書から消された、被害者側の重大証言「動員によって関係者が傍聴できなかった」 ~事案②④だけではなかった~

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