【体験レポート】横浜市のワクチン予約システムで予約してみた(2021年5月17日)
こんにちは。犬飼淳です。
このニュースレターでは、国会質疑や政治報道を中心に取り上げていきますが、今回は例外的に全く違うテーマを取り扱います。
具体的には、私が横浜市のワクチン予約システムで予約した際の実際の流れ、不具合を紹介していきます。興味がない方は、ここで読むのをやめて頂いて大丈夫です。
私は横浜市在住で親も横浜市に住んでいます。横浜市では5月3日の予約開始時から、アクセス集中によって開始わずか45分で受付を中断したり、トラブルが続いており、その後も「画面がわかりにくい」「アクセスできない」などの苦情が相次いでいました。
普段からパソコンを使っている30代の自分とは異なり、親世代が自ら予約するのは難しいだろうと判断して、5月17日、私は予約を代行しました。
そして、パソコン操作に慣れているはずの自分でも、どうしても先に進めない落とし穴(どう考えてもバグ)がいくつかあり、当日の予約は諦めざるを得ない状況に追い込まれました。結果、幸いなことにギリギリのところで予約できたのですが、本当に綱渡りでした。
当日の状況を簡単に連続ツイートで紹介したところ、大きな反響があったので、改めて今回の知見を共有するために、このニュースレターを書きます。
本気で横浜市からの転出を考えた。
前提条件
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これは2021年5月17日に横浜市のワクチン予約システムを利用した際の出来事です。今後も当該システムが改修を続ける中で、画面の流れ、不具合は変化していくと予想されます。また、同日に受付を開始した大規模接種センターとは全く別の話です。
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私はそれ以前に当該システムにアクセスしたことはないため、5月3日の開設当初の流れとは異なる箇所がある可能性があります。
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5月17日は「その他会場」の予約受付を開始した日であるため、たまたま空きが多かったと予想されます。今後も「その他会場」は空きが多いという保証はありません。
流れ(ログイン前)
まずは、送付された案内に従って、接種券番号とパスワードを入力。
そして、いきなり「認証エラー」が表示される。
2021年5月17日 横浜市ワクチン予約システム 操作画面
エラーメッセージには、こう書かれています。
「2000e005:優先接種の条件を確認して、該当する場合はチェックしてください」
分かりにくいですが、ここは、<優先接種者>という大きい文字の下にあるチェックボックスにチェックをつけた上で「ログイン」ボタンを押すと、先に進めます。
流れ(ログイン中)
普通のシステムであれば、ここですぐにログインできますが、そうはいきません。
ログインの順番を待たされます。
ご丁寧に青い横棒で待ち時間の目安を教えてくれるので、じっと待ちます。ちなみに、受付を開始した9時にアクセスしたところ、この横棒が右端に達するまで(つまり、ログインできるまで)に30分以上かかりました。
2021年5月17日 横浜市ワクチン予約システム 操作画面
ただ、これでもサイト開設当初よりは改善されているようです。
今は、青い横棒で待ち時間の目安が分かりますが、当初は残りの待ち時間が全く分からなかったそうです。また、以下の注意書きも新たに加えられたそうです。
「再読み込み・F5キーを押されますと、待ち時間がより長くなります。」
流れ(会場選択)
30分以上も待って、やっとログインすると接種会場を選択して、空きのある日時を探す。
・・・が、既に近隣会場は「×」の日しかない。
そもそも凡例は3種類(○:余裕あり、△:空きあり、×:空きなし)なので、何も表示されていない日付は何なのか判断できない。おそらく、もとから対象外の日なんだろうけど。
2021年5月17日 横浜市ワクチン予約システム 操作画面
しかも、30以上ある会場の中で、どの会場なら空きがあるのか一覧で見れないことも非常に不便。つまり、空き状況は一つ一つの会場を選択しないと分からない。
探しても、探しても、「×」の日で埋まった会場ばかりなので、ここで心が折れてしまった人も多いと思います。
私の場合、当日(5月17日)は「その他会場」の予約受付を開始した日であることを思い出し、各区の「その他会場」に絞って確認してみると、6月以降は○(余裕あり)、△(空きあり)の日が多いことに気付き、光明が差しました。
空きがあることを確認した上で、接種会場は「都筑区その他会場」を選択。
2021年5月17日 横浜市ワクチン予約システム 操作画面
正直、この時は楽勝だと油断していましたが、この直後に最大の落とし穴にハマります・・・。
流れ(予約確定) 最大の落とし穴
意気揚々と予約確定画面に進んで、異変に気付く。
2021年5月17日 横浜市ワクチン予約システム 操作画面
なぜか接種会場が、その前に調べていた「港北区主会場」のままになっている。
空きがあることを確認して、指定したはずの「都筑区その他会場」に切り替わっていない。
嫌な予感がしつつも、「予約を確定する」をクリックすると・・、
2021年5月17日 横浜市ワクチン予約システム 操作画面
案の定、エラー画面。
「予期せぬエラーが発生しました」
ここからは一気にパニックに陥ります。
他にも空きがある「その他会場」はたくさんあるので会場を変更するも、何度やっても予約確定画面では「港北区主会場」のまま変わらない・・・!
つまり、空き会場があることを確認できているのに、予約できない!
そうこうしているうちに、○(空きあり)がたくさんあった各区の「その他会場」の枠が、どんどん×(空きなし)に変わっていく。
既に受付開始の9時から1時間以上が経過して、いつ受付終了になってもおかしくない。
枠が余っている会場があるのに予約できず、それをただ呆然と見つめるしかできない。
普通のシステムであれば、いったんログアウトしたり、画面リフレッシュを試すところですが、なにせログインするだけで30分かかるシステム。それもできない。
焦る・・・・。
流れ(マイページへの遷移) 落とし穴の回避
半ば諦めかけた時、ふと目に入った画面上部のメニューにある「ワクチン予約」と「マイページ」のボタン。
2021年5月17日 横浜市ワクチン予約システム 操作画面
「押したらどうなるんだろう?」ぐらいの感覚で、マイページを表示させた後、予約画面に戻ってきたら・・・・・・・、
ずっと消えなかった「港北区主会場」が、なぜか接種会場から消えていた!!!!
流れ(予約確定の再チャレンジ)
意味が分からない・・・と戸惑いつつ、まだ辛うじて空きが残っていた「その他会場」を大急ぎで探し出し、予約完了までこぎつけた。青葉区は近隣じゃないけど、もはや選ぶ余裕はありません。
2021年5月17日 横浜市予ワクチン約システム 操作画面
接種会場が変更できないことで30分以上も滞ったけど、接種会場の情報が消えた後は、約1分で作業完了。
一体、なんだったんだ・・。
流れ(受付終了)
その直後、横浜市から受付終了のお知らせ。
この間、親は1時間半も電話をかけ続けましたが、1度も繋がりませんでした。
本日開始した高齢者を対象としたワクチン接種予約について、専用サイトからの予約受付を終了しましたのでお知らせします。予約センターでは引き続き電話予約を行っていますが、現在、電話が大変混みあっています。(予約センター電話0120-045-112)
*読者の閲覧環境によっては上記ツイートの時刻表示が米国時間(5月17日 1:33)で表示される場合がありますが、実際にツイートされたのは5月17日10:33(受付開始の9:00から約1時間半後)です。
パソコン操作に慣れているはずの自分が対応しても、やっとの思いで成功した横浜市のワクチン予約。
優先接種の対象になっている高齢者の中には、自力で予約できずに取り残されている人が相当数いるだろうことを肌身で感じて、背筋の凍る思いがしました。
5月17日の予約で私が経験した流れは以上になります。
後で気づいた落とし穴
このニュースレターを書くにあたって操作画面を冷静に見返して、偶然にも私はハマらなかったものの、もう1つ重大な落とし穴があったことに気づき、今、戦慄しています・・・。
2021年5月17日 横浜市ワクチン予約システム 操作画面
この画面の下部に2つのチェックボックスがあります。
1回目接種:1回目接種の予約を選択した内容で申し込む(1回目接種予約日から21日後の同時刻同会場で空きがあれば、2回目接種の予約を先行で確保します。)
2回目接種:2回目接種の予約を選択した内容で申し込む
日本語が非常に分かりにくいですね。ここまでの流れで説明した通り、私はこの予約確定画面で別の落とし穴(接種会場を変えられない)にハマっていたので、この2つのチェックボックスの意味を落ち着いて読む余裕がなく、ざっくりと以下のように解釈していました。
<5月17日時点の自分の解釈> *おそらく誤り
1回目接種にチェックをつけた場合:1回目接種予約日から21日後に同時刻同会場に空きがあれば、自動的に2回目の予約がされる。だが、空きがない場合は、どうなるのか分からない。
2回目接種にチェックをつけた場合:2回目の接種は、この1回目の予約が完了した後、改めて自分で予約する必要がある
デフォルトでは1回目接種だけにチェックが付いており、もう受付終了ギリギリの時間だったため、私は深く考えずに1回目接種だけにチェックを付けた状態で予約を確定させました。幸い、21日後の同時刻同会場に空きがあったようで、一気に2回分の予約をとることができました。ただ、もし時間に余裕があったら、空きがない場合にどうなるのか分からないのは不安なので、2回目接種の方にチェックを付けていたかもしれません。
しかし、後になって冷静に説明文を読み返してみて、実はこういう意味だったのではないかと、考え直してます。
<5月18日時点の自分の解釈>
1回目接種にチェックをつけた場合:5月17日時点の解釈と同じ
2回目接種にチェックをつけた場合:既に1回目の予約は完了していて、2回目の接種だけを予約したい人を対象にしている。つまり、これから1回目の予約をとりたい人はチェックを付けてはいけない。
一体、誰がこのケースに当てはまるのかよく分かりませんが、1回目接種にチェックをつけて予約したものの、21日後に同時刻同会場に空きがなかった場合の人が対象になるのかもしれません。
つまり、もし私が2回目接種にチェックをつけてしまっていた場合、1回目の予約が済んでないのに、先に「2回目」の予約をしたと認識された恐れがあると思います。改めてもう1回分の予約をとれば済むのかもしれませんが、面倒なことになったのは間違いありません。
また、そもそもこのチェックボタンは両方つけるとエラーになり、どちらか一方しか選べません。だったら、複数を選択できるチェックボックスじゃなくて、1つしか選べないラジオボタンにすべきです。チェックボックスが表示されていると、両方を選択することも可能な選択肢として日本語を読み始めるので、ミスリードを引き起こしやすくなります。
まとめ
今回、私がハマった致命的な不具合(先に調べた会場の情報が予約確定画面に残ってしまい、空きがある別の会場を選択しても反映されない)は、たまたま私が回避策らしき動作(マイページに遷移した後、予約画面に戻ってくる)を行ったため、ギリギリのところで予約できましたが、これはハッキリ言って、運が良かっただけです。
後で気づいた落とし穴(初めて予約する場合、2回目接種にチェックをつけてはいけない)は、時間がなくてデフォルトの選択を変える余裕が無かったので無意識に回避しただけで、これもハッキリ言って、運が良かっただけです。
パソコン操作に慣れている自分ですら運に助けられないと予約できない、横浜市のワクチン予約システム。
この際、細かい不具合(ログインに30分以上かかる、各会場の空き状況が一覧で確認できない、1つしか選べない選択肢がチェックボックスで表示される、等)には目を瞑るとして、私がハマったような致命的な不具合は改善されることを切に願います。・・・が、どうなるかは分かりません。システム改修を行うことで、新たな不具合が出てくる可能性すらあります。
市民の立場でできることとしては、皆さんもこれから経験したことを冷静に情報共有して、協力して対応していくしかない気がします。
2021年5月18日 犬飼淳
P.S.
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